偵察衛星

質問

よくＳＦなどの小説を読んでいると、偵察衛星が地上の人間を監視している、というシーンがありますよね。
それに関してなのですが、曇りの日でも監視できるのでしょうか？
ネットで調べたらレーダー式（合成開口レーダー）なら夜間や曇りでも偵察ができる、というような記述がありましたが、意味がよく分かりませんでした。

どなたかご存知の方、教えてください。

回答No.3

tocoche · ベストアンサー

波長１ｃｍの電波の代わりに１μｍの赤外線なら、開口径は１万分の１で済みますね。（１５ｋｍ→１．５ｍ）　しかしこれではハッブル望遠鏡（口径２．４ｍ）でも、６ｃｍの分解能が限界。　顔を見分けることができないから、すぐに見失います。（赤外線の波長はどのくらいのを使うかわからないけど、１０μｍなら分解能は６０ｃｍまで粗くなるし）

宇宙から雲を通して見る有効な方法はないですね。（ＳＦ的に「地球環境が変わってずっと晴れ」じゃだめか）

お礼

回答ありがとうございます。
大変参考になりました。

“技術”は奥が深いですね。

回答No.2

tocoche

＞合成開口レーダーで地上の人間の行動をつぶさに

というわけにはいかないでしょう。　監視するには対象が電波を反射するのに充分な大きさを持つこと以外に、対象と他のものを見分ける能力（分解能）が必要になります。
地上のものを良く見るには、地上に近い軌道（１００ｋｍ程度）を回ります。　その衛星はすぐに動いていなくなってしまうし、真上からだけ見るというわけにはいかないから、観測時の監視対象までの平均距離は１５０ｋｍ以上。　人間の形を捉えるのに最低１０ｃｍの分解能はいるでしょうから、波長が１ｃｍでも開口径は１５ｋｍ以上必要です。　衛星の移動方向に関しては１５ｋｍの開口径を得ることはできますが、移動方向と直角の方向には１５ｋｍに渡って衛星を並べるぐらいしか分解能を稼ぐ方法がありません。　さらに衛星が１５ｋｍを移動する約２秒の間、監視対象の移動距離は１０ｃｍ以下であること。（それ以上動かれると合成できなくなる）　歩いてでも２秒間で１ｍ移動できるので、ほとんど監視は不可能でしょう。

ＳＦの質問にまじめに答えると「なんだ不可能なのか？ＳＦはウソなのか？」と非常に評判が悪い（苦笑）のですが、空想と現実の間にあって、知らない人には不思議さを与え、知ってる人をニヤリとさせるのがＳＦの面白さだと思います。（宇宙からの監視システムならば地球全体を天蓋でおおって、そこに監視装置を多数配置するというのもＳＦ的にはアリ。　地球を支配する監視者と世界の閉塞感は、サイバーパンクのウリですから）

お礼

回答ありがとうございます。
大変、勉強になりました。

恐縮ですが、重ねて質問させて頂いてもよろしいでしょうか？

衛星から曇りの日に人間の行動を監視する（つぶさじゃなくても）方法は、合成開口レーダー以外で可能でしょうか？
例えば「赤外線センサー」など。
あくまで近未来的（ＳＦ的）に、という意味ですが。

よろしかったら、教えて頂けたら嬉しいです。

回答No.1

GTAC

偵察衛星とか地球観測衛星（測地衛星）、気象衛星は光学的な手法と電波による手法を用いています。
光学的な方法には可視光や赤外線をカメラで捕らえる方法

レーザー光線を放射し、反射して帰ってきた信号から観測する方法

があります
電波による方法はマイクロ波を放射し、反射して帰ってきた信号を観測する方法があります。

可視光線以外の方法は曇りの日でも観測可能です。

レーダーはマイクロ波を発射して帰ってくるまでの時間を測定することで距離を測定します。電波の波長が短いほど精度が高まりますが逆に水蒸気による吸収がおきて減衰してしまいます。
太平洋戦争中は今のFM放送のような電波（波長１０ｍ）を使っていましたので戦艦がわかる程度でした。
今は波長数センチの電波を使います。この電波は衛星放送で使っているパラボラアンテナで送受信します。
通常のパラボラアンテナひとつで検知できる限界は数１０ｋｍ先の数十ｃmの物体までです。

合成開口レーダーは電波を地表に向けて放射しながら飛行し、地表に反射してくる電波を受信することによって仮想的に大きな半径を持ったアンテナで観測するほうほうです。開口面積が大きいほど感度が高くなり精度が高まります。

たとえて言えば、何枚も写真を撮って合成すれば細かいものが見えるのに似ています。

これによって樹の高さとか車の大きさを検出できます。

お礼

回答ありがとうございます。
少し分かったような気がします。
と、いうことは合成開口レーダーで地上の人間の行動をつぶさに監視することは（近未来的に）可能と言うことですね？

参考になりました。