(2)市販薬中の鎮痛剤成分の分析
(2)市販薬中の鎮痛剤成分の分析
[目的]市販の鎮痛剤の有効成分として一般的なものに、アスピリン(アセチルサリチル酸)・アセトアミノフェノン(4-アセトアミドフェノール)・イブプロフェン(2-(4-イソブチルフェニル)プロピオン酸)がある。また鎮痛剤の鎮静効果を消すためにカフェインが添加されていることもある。ここでは3種類の市販薬のTLCで分析する。
[方法と結果](A,B,Cはバファリン,タイレノール,イブAのうちのどれかであった)
3種類の市販薬(A,B,C)の錠剤をそれぞれ別の乳鉢の中に入れ、乳棒で細かくすりつぶし粉状にした。次にA,B,Cを別々のサンプル瓶に、それぞれスパチュラ3杯ずつとり、エタノールを2滴加えた。(4人で1セットのサンプル瓶を共用した。)最後に、アスピリン,アセトアミノフェン,イブプロフェン,カフェインの標品のTLCとA,B,CのTLCを比べるために展開溶媒である酢酸エチル:酢酸=95:5をそれぞれ50mlのサンプル瓶に5mm入れ蓋をした。次にTLCプレートに下から1cm鉛筆で印をつけた。アスピリン,アセトアミノフェン,イブプロフェン,カフェインの標品とA,B,CをキャピラリーでTLCプレートにスポットした。ピンセットでTLCプレートをサンプル瓶に入れ、すぐに蓋をした。上から5mmくらいまで展開されたら取り出して溶媒フロントに印をつけた。UVランプ(254nm)でTLCを検出した。
〈試薬A〉アスピリン:Rf値検出されず
試薬A:Rf値0.7714
アセトアミノフェン:Rf値0.6286
イブプロフェン:Rf値検出されず
カフェイン:Rf値0.5143
<試薬B>アスピリン:Rf値0.8857
試薬B:Rf値0.6286
アセトアミノフェン:Rf値0.7143
イブプロフェン:Rf値検出されず
カフェイン:Rf値0.1429
<試薬C>アスピリン:Rf値0.8571
試薬C:Rf値0.2
アセトアミノフェン:Rf値0.0857
イブプロフェン:Rf値検出されず
カフェイン0.2286
なぜ全てのTLCにイブプロフェンは検出されなかったのでしょうか?
また試薬Aでのアスピリンは検出されなかったのですが、これは濃度がひくかったからですか?それとも極性に理由があるのですか?教えてください(@_@;)
お礼
回答ありがとうございます。 分子内の-COOHと-OHとで水素結合を形成しているということでしょうか。 エステル結合を作っているとは考えにくいですので。 とにかく官能基が独立して極性を発揮しているわけではなく、 分子構造全体に注意をしなければならないということですね。 勉強になりました。ありがとうございました。