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酢酸緩衝液 HCl pH計算
タイトルのような問題があるのですが、 解法から全く分かりません。 どなたかやり方を教えていただけないでしょうか。 『0.1mol/L CH3COOH 16mlと、0.1mol/L CH3COONa 4mlを混ぜ、 この混合溶液に0.1mol/L HClを1ml加えたときのpHを求めよ。 ただし、酢酸緩衝液のpKaを4.74とする。』 回答よろしくお願いします。
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酢酸のpKaが4.74ということですよね? これは、酢酸の解離平衡 AcOH ⇔ AcO- + H+ において、 [AcO-][H+]/[AcOH]=10^(-4.74) ・・・(1) が成り立つということです。[ ]で囲んでいるのはモル濃度のことです。 また、簡単のために酢酸をAcOH、酢酸イオンをAcO-と記載しています。 HClを加える前の状態を考えると、合計の体積は20mlなので、酢酸 および酢酸イオンの濃度はそれぞれ 0.1*16/20=0.08 0.1*4/20=0.02 と(計算上は)なります。計算上と断っているのは、解離平衡がずれること によってこれらの濃度は変わってしまうからです。ただ、両者の合計値が 変わることはありません。よって、 [AcO-]+[AcOH]=0.1 ・・・(2) また、溶液全体として電荷は±ゼロになるので、 [AcO-]+[OH-]=[Na+]+[H+] ここで[Na+]は上記の酢酸イオンと同じ計算で0.02mol/Lです。この 濃度は変わることはありません。よって [AcO-]+[OH-]=[H+]+0.02 [AcO-]=[H+]-[OH-]+0.02 ・・・(3) 次に、水のイオン積より [H+][OH-]=10^(-14) [OH-]=10^(-14)/[H+] ・・・(4) ここで(4)を(3)に代入してもいいのですが、この溶液は酸性であると予想され、 [OH-]<10^(-7)なので、0.02に比べて極めて小さくなります。よって (3)は [AcO-]=[H+]+0.02 ・・・(3)’ と近似できます。これを(2)に代入すると [H+]+0.02+[AcOH]=0.1 [AcOH]=0.08-[H+] ・・・(2)’ (2)’と(3)’を(1)に代入して [H+]([H+]+0.02)/(0.08-[H+])=10^(-4.74) ・・・(1)’ これは[H+]の二次方程式になり、地道に解くと6.85*10(-5)に なるのですが、これは0.02や0.08に比べて極めて小さい値なので (1)’は 0.02[H+]/0.08=10^(-4.74) [H+]=4*10^(-4.74) pHにすると≒4.1となります。 次に、HClを加えた場合ですが、(1)は変わりません。 [AcO-][H+]/[AcOH]=10^(-4.74) ・・・(1) (2)については、全体の体積が21mlになるので、 [AcO-]+[AcOH]=2/21 ・・・(2) (3)は、新たに塩素イオンが加わるので [AcO-]+[OH-]+[Cl-]=[Na+]+[H+] [Na+]=0.1*4/21=0.4/21 加えたHClは全量解離するので [Cl-]=0.1*1/21=0.1/21 よって [AcO-]+[OH-]+0.1/21=[H+]+0.4/21 [AcO-]=[H+]-[OH-]+0.3/21 ・・・(3) (4)は変わりません。 ここからは、HClを加える前の場合と同じで、(4)を(3)に代入しても いいのですが、今回はより酸性サイドなのでやはり[OH-]は極めて 小さく、 [AcO-]=[H+]+0.3/21 ・・・(3)’ と近似できます。これを(2)に代入すると [AcOH]=2/21-[AcO-] =1.7/21-[H+] ・・・(2)’ (2)’と(3)’を(1)に代入して [H+]([H+]+0.3/21)/(1.7/21-[H+])=10^(-4.74) ・・・(1)’ これも二次方程式を地道に解いてもいいのですが、 [H+]は0.3/21や1.7/21に比べて極めて小さいので、(1)’は 0.3[H+]/1.7=10^(-4.74) [H+]=5.67*10^(-4.74) pHにすると≒4.0ですね。 pKaの値から、pHは大体4から5前後だと予想できるので、HClを加える前の 計算は別にしなくてもいいと思いますが、一応確認のためやっときました。 計算を簡略にするためにどういう近似を使うかがポイントです。
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- nious
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活量係数の関係から酢酸のpKa=4.74 はかなり下がるべぇ、pHメーターで実測でもしねぇと分からねぇ、野暮な問題たぁ是のこったぁ。
- htms42
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「緩衝溶液」という題での質問が多いですね。 酸、塩基の中和反応でのpH変化を求める一般的な手続きは習っておられないのでしょうか。中和滴定曲線を求める計算の手順です。 推測ですが一般的な計算の手続きを省略して公式に数値を代入するということでpHを求めるということをやりたいために「緩衝溶液」という名前を使っているのではないでしょうか。 酸とその酸の塩の混合物の溶液を「緩衝溶液」と呼んでいるとしたらおかしいです。混合溶液そのものは緩衝溶液ではありません。「緩衝溶液」はそういう溶液をある目的で利用するときに使う言葉です。混合溶液であっても「緩衝溶液」として使うことができるもの、できないものがあります。その能力の判定は一般的な手順でpHを求めることによって可能になります。混合物の溶けている水溶液のpHを求めるというのはもっと基本的な手続きなのです(この問題でいえば0.1mol/Lの酢酸にNaOH水溶液を加えて1/5中和した時のpHを求めよというのと基本的に同じものです。滴定曲線の途中のpHを求めるのです)。 >酢酸緩衝液のpKaを4.74とする こういう意味不明の言葉が出てくるというのも、出題者の理解の程度が怪しいということを表しているのではないでしょうか。