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19世紀の調律技術について
音階のチューニングピッチの基準は、周波数計測技術があってこそ決められるものだと思います。 現代では、周波数を10桁の精度で測ることも簡単にできますが、水晶発振器がなかった19世紀後半(1850年~1900年頃)の時代は、どうだったのでしょうか? 楽器の調律には昔から音叉が使われています。たとえば445Hzとか432Hzという具体的な周波数を基準にしたと言われていますが、その音叉の周波数が、445Hzや432Hzであることを確かめる技術は当時あったのでしょうか? 当時の周波数基準器や計測誤差などの解説をいただけると助かります。
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質問の時代だと、西洋ではヘルムホルツ共鳴器、かなり正確に測定できます、 日本では、日本古来の技術に、西洋の学問が導入される過渡期。
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- Tann3
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調律は、音楽を演奏するためにします。物理的に正しい周波数を出すためではありません。 従って、昔も今も、人間の耳にどう聞こえるか、が基準です。 鍵盤楽器にせよ、オーケストラにせよ、その場で演奏するのに必要なチューニング、調律ができれば、それでよいというのが基本です。そのときの基準が440Hzであろうと430Hzであろうと、かまわないのです。 現に、現在でも、オーケストラによって基準とするピッチが違います。 http://tuhan-shop.net/classic/kikou/ki-kisotishiki-pitti.html 弦楽器も、鍵盤楽器も、その場で調律して使えばよいので、困ることはありません。管楽器、特に木管楽器が、自分の楽器を持って広く行脚すると、「ピッチが違う」ことが問題になりますが、そういうことは19世紀前半まではほとんどなかったのでしょうね。 そういう不便をなくすために、ピッチを統一しようという動きがあり、歴史的には1834年にシュトゥットガルトで「基準ピッチ」が定められ、その後何度も同様の動きをしながら現在に至っているようです。(↓この記事の「歴史」も項を参照) http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%83%88%E3%82%A5%E3%83%83%E3%83%88%E3%82%AC%E3%83%AB%E3%83%88 基準音は、多分「音叉」などの形で決められたのだろうと思います。あるいは、どこかの教会のオルガンだったかもしれません。いずれにせよ、「周波数」ではなく、現実の音そのものだったはずです。 長さの基準だって、つい最近まで「メートル原器」というのがあって、それが「1m」の基準だったわけですから(現在は何かの元素の発する光の波長の何倍、ということで基準を決めているはず)。 >調律に使う音叉の周波数がいい加減であれば、調律が台無しになってしまいます。なので、音叉の周波数が、どうやって校正されていたのかを知りたいです。 >正確な1秒間という時間の間に振動した回数を数えることで、音叉の周波数が目的の値かどうかが確かめられると思うのですが、そのような技術が当時存在したのでしょうか? 上に書いたように、音叉の校正など必要ありません。基準の音そのものがあればよいだけです。ましてや、正確な1秒間という時間の間に振動した回数を数える」ことは必要ありませんでした。 現在でも、優れた演奏家は、自分の楽器で標準的な基準ピッチを覚えているようです。絶対音感とか、自分の出す音の感覚ということなのだと思います。自分の体調みたいなものなのでしょうか。それが何Hzか、1秒間に何回振動するか、などということとは無関係です。 http://www.pipers.co.jp/kijilib/fl-01.html 基準音が決まれば、そこからは人間の耳で、五度、三度、2つの音のうなりなどによって調律します。半音ごとに振動数測定器で調律するようなことは、現在でもしません。 この調律の仕方にもいろいろあります。けっこう奥が深いので、下記のサイトなどを見てください。(特に「平均律」とは異なる「古典調律」について) http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%94%E3%82%A2%E3%83%8E%E8%AA%BF%E5%BE%8B http://www31.ocn.ne.jp/~kazuo23_piano/sub1.htm http://www.ne.jp/asahi/voce/home/index.htm ↑このサイトで、左の見出しの「注目!!・調律法(必見!!)」というところを見てください。 現在でも、オーケストラや室内楽の合奏では、耳で聞いて合わせるので「純正律」に近い音程で演奏されることが多いと思います。 現代のピアノは、平均律で調律されますが、これはかなり「人工的」「機械的」な調律の仕方です。平均律で調律されたピアノの「五度」は、純正な「完全五度」と違うことを、質問者さんは耳で聴き分けることができますか? また、現実の調律では、周波数メーター通りに機械的に調律するのではなく、その音に含まれる倍音も含めて調律するので(インハーモニシティ)、高音ほどより高めに、低音ほどより低めに調律することが多いようです。これは、出てくる音、それによる音楽がどう聞こえるか、という調律師の耳と経験によるもののようです。優れた調律師の「ワザ」ということなのでしょう。 ですから、超一流のピアニストは、コンサートホールに置かれたピアノではなく、自分の「マイ・ピアノ」と専属の調律師を伴って演奏旅行しますね。 その意味で、「電子ピアノ」やコンピュータ・ミュージックは、人間の耳で聞く上では、なかなかアコースティックな楽器を越えられない、ということなのだと思います。
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ご回答ありがとうございます。 なるほど、調律は耳をものさしにしているわけですね。 そんな世界で、基準音の周波数にとてもこだわる人たちが居ます。 たとえば、ヴェルディがA=432Hzという基準にこだわっていたという記述を散見します。 http://www.schillerinstitute.org/music/rev_verdituning.html 19世紀は、まだ「ピッチ=周波数」という概念が定着しておらず、おっしゃるように耳を頼りしなければならなかったのではないかと思うのですが、そんな時代に、なにを根拠に「周波数」を知ることができたのか疑問でした。 ありがとうございます。
- leo-ultra
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> 音階のチューニングピッチの基準は、周波数計測技術があってこそ決められるものだと思います。 周波数計測技術がなくても、周波数比較技術と基準となる音叉があれば済むのでは? 周波数比較技術というのは人間の耳です。1Hz違えば、うなりで誰でもわかるでしょう。 訓練された耳はさらに細かくわかるはず。
お礼
ご回答ありがとうございます。 質問のことばが足りなかったようです。調律に使う音叉の周波数がいい加減であれば、調律が台無しになってしまいます。なので、音叉の周波数が、どうやって校正されていたのかを知りたいです。 正確な1秒間という時間の間に振動した回数を数えることで、音叉の周波数が目的の値かどうかが確かめられると思うのですが、そのような技術が当時存在したのでしょうか?
お礼
ご回答ありがとうございます。 ヘルムホルツ共鳴器について調べてみました。 なるほど、空洞共鳴は、当時でも高精度だったのですね。楽器の倍音解析にも使われていたそうで、周波数基準の歴史的な裏付けができそうです。ありがとうございます。