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ウクライナ分裂の歴史的背景について

ウクライナ国内の現在の分裂状態には、どのような民族的、宗教的また地政学的背景が関わっているのでしょうか。ロシア側の横暴という現時点での目に見える側面以外にも様々な歴史的背景もあるように思えます。色々な要素や利害関係も複雑に絡み合っているようでなかなか読み解くことができません。短く説明して頂くのはなかなか難しいとは思いますが、どなたか具体的に整理して教えて頂けましたらと思います。宜しくお願い致します。

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  • r5305
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回答No.1

お眼鏡にかなう説明をする自信はないのですが、基礎知識の範囲内で。 ウクライナはもともとソ連(ソビエト社会主義共和国連邦)の構成国でした。 それが、ゴルバチョフ~エリツィン時代に進んだ民主化、党組織崩壊の流れの中で、分離独立しました。 (残った国はロシア連邦となりました) 当時のウクライナでは、社会主義体制維持のための暴力による圧政に、少なからず不満がありました。 また、経済の混乱でルーブル紙幣は紙切れ同然まで価値が下がっていました。 その中で、ウクライナがソ連にとどまる理由はなく、9割の賛成票を得て独立をなしとげます。 そして、名実ともにどん底となったロシアで登場したのがプーチン。 力を失ったロシアで次々と改革を行い、さらに天然資源発掘の幸運も手伝って経済は潤い、絶大な支持を得ていきます。 ロシアにとってウクライナは、肥沃な大地に恵まれた魅力ある土地であると同時に、西側諸国への前線となる最重要拠点でもあります。 そのウクライナは、ソ連が衰えたときに失いましたが、ロシアが力をつけた今、これを取り戻すことはロシアの悲願なわけです。 対する西側諸国にとっても、価値観で相容れないロシアの強権がこれ以上自分たちに波及しないよう、ウクライナをなんとか取り込みたいわけです。 しかしロシアは、ウクライナが西側諸国にとりこまれないよう、さまざまな策をとってきました。 西側諸国に近い大統領候補ユーシェンコを毒殺しようとしたのはロシアの仕業とみられています。 パイプラインによる天然ガス供給を人質に、NATO加盟を阻止し、セヴァストポリ租借の延期を認めさせたりしました。 ロシアはウクライナのセヴァストポリを借りて、そこにロシア軍基地を置いています。 この関係は、アメリカがキューバに借りているグアンタナモ基地と似ています。 セヴァストポリはクリミア地方にあり、ここを拠点にロシアは親ロシア派を増やしてきました。 クリミア地区にロシア派が多いのは、こういった努力の成果ともいわれています。 一方、親ロシアのヤヌコービッチ大統領は、ロシア寄りの外交を行い、独立改革派を次々に粛清。 特に、改革派の代表格ティモシェンコを不正裁判で投獄したことで、ウクライナ市民のクーデター的な反政府デモが発生し、ヌコービッチを解任決議。 現在は暫定政権が仕切っていますが、ロシアに逃亡したヤヌコービッチはこれを認めていません。 ウクライナの動乱は、このような中で発生しました。 状況的には、ヤヌコービッチの失墜に反発したロシアが、ウクライナ地区にロシア軍を動員し、親ロシア派のデモ(クーデター?)を誘発したとみられていますが、プーチンは否定しています。 プーチンの最終目標がウクライナ全土である、というのは西側諸国の常識となっているようです。 しかしプーチンも世界中の反発を招くことは望んでいないので、どういう形で収束するのか先が読めません。 今後も注目です。

itkenjirou
質問者

お礼

ウクライナが置かれた地政学的に微妙な位置やプーチン(ロシア側)と西側との綱引きの経緯、また伝統的な南下政策に基づいて是が非でもウクライナに軍港を確保したいロシアの思惑、またウクライナ国内での長年の政争からくる抜きがたい政治的対立などわかりやすく解説をして頂き有難うございました。具体例を色々と挙げて頂き「なるほどそうなのか。」とよくわかりました。御礼申しあげます。

その他の回答 (1)

noname#194996
noname#194996
回答No.2

文芸春秋5月号に立花隆氏が「クリミア戦争を覚えているか」という一文を寄せています。内容を大雑把に書くと、帝政ロシアがクリミア半島を欲してナイチンゲールの献身で有名なクリミア戦争をトルコとの間に起こしたのが1853年で、その結果セバストポリという念願の不凍港(軍港)を得たのですが、これはすぐ英国やフランスの連合軍が干渉して壮絶な近代戦の後潰されました。これが第一次大戦の前兆だったということです。ロシアはこの敗戦を反省して近代化に努め、ロシア革命からソヴィエト連邦と大国化していく課程でウクライナを植民地化→吸収(自国化)するわけです。のちのソ連崩壊で泣く泣くウクライナを独立させるわけですが、ロシアとすればそういった百年以上のロシア人の血を流した歴史がウクライナ、特にクリミア半島への強い権利意識になっているだろうことは想像できます。 ご参考になれば。

itkenjirou
質問者

お礼

ロシアの伝統的な南下政策の下で、150年以上に及ぶ権益確保の戦いを背景にしているというご指摘は大変興味深く読ませて頂きました。まさしく「歴史は繰り返す」の一環としての現在の動きということも理解できました。私も文芸春秋5月号を読んでみます。有難うございました。

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