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二直線の共有点の問題です
次の二直線の交点と(-2,10)を通る直線の方程式を求めよ。 8x-2y-19=0···(1) 2x-6y+9=0···(2) このような問題で解説には、まずkを定数として方程式k( 8x-2y-19)+( 2x-6y+9)=0を考える。 と書いてあります。 なぜここで定数kを片方の式にかけなければならないのですか? 分かりやすく解説お願いしますm(__)m
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- stomachman
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ある意味では分かり易く、また、ある意味では分かりにくく、説明致します。(というのは、どこでつまずいていらっしゃるのか、ご質問からは伝わって来ないからです。) [1]ご質問の問題を解くには、まず連立方程式 8x-2y-19=0 2x-6y+9=0 を解いて、二本の相異なる直線の交点を計算してしまえば話がすっきりしてますよね~。ですが、敢えてこれを解かないままにしておいて何か旨い事やろう、というのが解説の方針であろうかと思います。つまり「別のやり方」を教えてくれようとしてるんですね。(ことに連立方程式が一次式でない場合には、簡単には解けないことが多いんですから、この「別のやり方」が有効になることもあるでしょう。) 以下、当然ご存知の筈ですが、いくつか確認しておきましょう。 まず、この連立方程式の二つの式のそれぞれは、変数x, yを含んでいる。その変数にいろんな値を代入すると、真になったり偽になったりします。たとえば、x=0, y=1とすると、最初の式は -2-19 = 0 という偽の命題になります。このように、変数に具体的に値を入れると命題になるものを「述語」と言う。一般に、「方程式」とは述語に他なりません。 述語に代入したときに得られる命題が真になるような<x,y>を全部集めた集合を「解の集合」と言う。最初の式(つまり述語)の場合なら、解の集合は { <x,y> | 8x-2y-19=0} であり、この集合に属する点はx-y平面上で直線をなす。そこで、述語「8x-2y-19=0」は「直線の方程式」と呼ばれ、あるいは単に「直線」と呼ばれる。その名の意味は「解の集合が直線であるような方程式」ということであり、さらに基本に戻れば「述語に代入すると真の命題が得られるような値の集合が直線であるような、その述語」ということに他なりません。 もちろん、述語の中には方程式っぽく見えないものも多々あります。ですが、専ら「その述語に代入すると真の命題が得られるような値の集合(=解の集合)」に注目する場合には、述語と方程式とは同じことだ思って全く差し支えありません。 連立方程式を解け、というのは、両方の述語に代入したとき得られる命題がどちらも真になるような<x,y>を求む、ということであり、すなわち集合S S = { <x,y> | 8x-2y-19=0}∩{ <x,y> | 2x-6y+9=0} が「連立方程式の解の集合」です。これは S = { <x,y> | 8x-2y-19=0 ∧ 2x-6y+9=0} とも書けます。(”∧”はANDと読み、"p∧q"は「pが真でかつqが真である」という意味です。) さて、連立方程式の解は、ご質問の場合には丁度ひとつ存在する。その座標(これは定数ですが、まだ計算していないので具体的な値は未知です。これを「未知数」と言う)を<X,Y>と表すことにすると、「解が丁度ひとつ存在する」というのは S = {<X,Y>} ということですが、 S = { <x,y> | 8x-2y-19=0 ∧ 2x-6y+9=0} であるから、命題 8X-2Y-19 = 0 ∧ 2X-6Y+9 = 0 が真である(成立っている)。なので、述語 a (8X-2Y-19) + b (2X-6Y+9) = 0 はどんなa, bについても真である。 逆はどうでしょうか。どんなa, bについても、 a (8X-2Y-19) + b (2X-6Y+9) = 0 が真であるならば、<X,Y>は冒頭に書いた連立方程式の解である、ということも確かに言えます。 まとめると、 どんなa, bについても、 a (8X-2Y-19) + b (2X-6Y+9) = 0 が真であるということと、「S = {<X,Y>}である」ということとは同値(同じ事)である。 論理式できちんと書くと、 ∀X∀Y( (∀a∀b( a (8X-2Y-19) +b (2X-6Y+9) = 0) ⇔ S = {<X,Y>} ) です。読み下してみると、 どんな(∀)Xについても、 どんなYについても、 (どんなaについても、 どんなbについても、 a (8X-2Y-19) +b (2X-6Y+9) = 0である ) ということと S = {<X,Y>}である ということは同値(⇔)である。 というわけで、 ∀a∀b( a (8x-2y-19) + b(2x-6y+9) = 0) という述語に代入した時に真の命題が得られるような<x,y>全部を集めた集合 T = {<x,y> | ∀a∀b( a (8x-2y-19) + b(2x-6y+9) = 0)} は、Sと一致する。 T = S 重要なのは、「aについては∀a、bについては∀bという縛りがついている(a,bは束縛変数である)ので、述語 ∀a∀b( a (8x-2y-19) + b(2x-6y+9) = 0) の変数はxとyだけである」ということ。すなわち、 a (8x-2y-19) + b(2x-6y+9) = 0 は(a, bを定数だと思えば)x,yに関する「方程式」と思うことができるけれども、aとbについては「恒等式」でなくてはならん(どんなa, bについても成立つのでなくてはならん)、ということです。 [2]では、この a (8x-2y-19) + b(2x-6y+9) = 0 という式は一体何者なのか。 二本の相異なる直線 8x-2y-19=0 2x-6y+9=0 の交点<X,Y>を通るテキトーな直線、というものを考えます。(グラフを描けば分かるだろうと思いますが)それは二つの直線をテキトーに重みを付けて合算したもの、 a(8x-2y-19) + b(2x-6y+9) = 0 として表せます。(ただし aとbのどちらかは0ではないものとします。) これを展開して (8a + 2b) x + (-2a - 6b) y + (-19a +9b) = 0 と書いてみれば、確かに直線の方程式になっていることが分かります。つまり、交点<X,Y>を通る直線全部がなす集合をCとすると、 C = { {<x,y> | (8a + 2b) x + (-2a - 6b) y + (-19a +9b) = 0} | aとbのどちらかは0ではない} ということです。 [3]解説のやり方は、「このような集合Cの中から、もう一つの点(-2,10)を通るような直線だけを選び出そう」というものでなくてはなりません。 ところが解説では、a, bの代わりにkを使っている。これはどういうことか。 仮に、直線 8x-2y-19 = 0 が「もう一つの点」(-2,10)を通るとしましょう。すると、kが幾らであっても直線 k(8x-2y-19) + (2x-6y+9) = 0 は(-2,10)を通らない。つまり ∀k(<-2,10>∉{<x,y> | k(8x-2y-19) + (2x-6y+9) = 0}) だから、これじゃうまく行かないんです。キチント、上記の説明のように任意のa,b(ただし両方とも0というのは除く)を使って作られる式 a(8x-2y-19) +b (2x-6y+9) = 0 を考えておけば、こういう問題は生じない。 ですが、あらかじめ「直線 8x-2y-19 = 0 は「もう一つの点」(-2,10)を通らない」ということを確かめておけば話が変わります。この確認をやっておけば、<X,Y>を通る直線の集合Cのうち、直線{<x,y> | 8x-2y-19=0}を除いたものC'を考えて、集合C'の中から(-2,10)を通る直線を選び出せば良いことになるからです。 すなわち、この確認によって「Cの要素のうち、(-2,10)を通る直線についてはb≠0である」ということが言えますから、 a(8x-2y-19) +b (2x-6y+9) = 0 の両辺をbで割って、さらに k = a/b とおくことで、Cから直線{<x,y> | 8x-2y-19=0}を除いた直線の集合 C' = {{<x,y> | k(8x-2y-19) + (2x-6y+9) = 0 | kは任意} が作れる。で、「C'の中に、「もう一つの点」(-2,10)を通る直線がある」という訳です。 言い換えると、もし解説で上記の確認をきちんとやっていないようなら、それは完璧な解答にはなっていない、ということです。