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安部首相「河野談話」継承

Ganymedeの回答

  • Ganymede
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回答No.8

〔前回から続く〕 (2) 略取または誘拐 さてネトウヨは、「『略取または誘拐』以外の慰安婦なら、国外移送したっていいんじゃん」と言いそうだ。しかし、まず以て知らなければならないことは、「略取と誘拐は、ことさら区別されずどちらも凶悪犯」という法律の常識である。 略取……暴行・脅迫を用いて人を連れて行く 誘拐……人をだまして誘い出して連れて行く これが「物を取る」犯罪だったなら、暴行・脅迫して(犯人の手で)取るのは「強盗」、脅迫して(相手の手から)差し出させるのは「恐喝」、だまして差し出させるのは「詐欺」だ。それらは区別され、罪の重さも異なる。 しかし、「人をよそに連れて行って支配下に置く」犯罪の場合、暴行・脅迫を用いるものと、だましを用いるものを、ことさらに区別しないのだ。法律の条文もそうなっている。 だまされて連れて行かれる場合は、犯行時、被害者が加害者とニコニコ談笑しながら自分の足で歩いていたケースだって、珍しくない。 そういうことを知らないかたが世の中にはけっこう多いらしく、「強制連行」にむやみにこだわる。そんな人は、「長崎事件」などについて知るべきだろう。 1932年、長崎県の女性を「カフェーで働くいい仕事」と騙して中国上海の日本軍慰安所に連れて行った日本人斡旋業者が、国外移送目的誘拐罪で逮捕され、地裁・控訴院を経て1937年大審院判決で有罪が確定した。 (3) 人身売買の定義 前項で、まず以て「略取または誘拐」を説明した。これを略して「拐取」という。 さらに、(昔の)刑法226条から分かる通り、「被拐取者」だけじゃなく「被売者」、つまり人身売買された人を国外移送することも「2年以上の有期懲役」の重罪だった。そこで、人身売買の定義はどうなっていただろうか? 実は、そこに日本のずるいカラクリがあった。当時、日本には人身売買を包括的に禁止する法律がなかった。「国外に移送する目的」以外の人身売買、すなわち国内から国内への売買、あるいは外国からの買い受けを、刑法で禁じてなかった。それについては、民法第90条(公序良俗)で規制していたという。 公序良俗に反する契約は無効である。裁判になればこれを適用し、「人身売買契約は公序良俗に反するから無効」と判決することによって、人身売買を退けていた。しかし、いかなる契約が人身売買契約なのか。ここで忘れてはならないのは、当時、前借金相殺(前貸の債権と賃金を相殺すること)が合法だったことである。今は労働基準法で禁じられてるけど。 当時の判例によれば、金銭の貸借と娼妓稼業とが結び付いている契約は無効だが、別個の契約になってれば合法だという。しかし、別個と言ったって、実際には多額の前借りを体で返し終わるまで、辞めさせてもらえないことが多かった。「廃業の自由がある」、「娼妓を辞めても他の方法で前借金を返せるなら、辞めることは可能」と言われたって、他の方法で返せるくらいなら、売春をしてないよね。 このように、日本の人身売買の定義は欺瞞に満ちていた。しかも、略取誘拐(甘言、強圧による等「本人の意思に反して」)と異なり、人身売買は本人が同意している場合もあった(家の貧窮を見かねて私が犠牲になる、など)。彼女らは女郎屋に軟禁同然の身となり、前借金を返していくのである。 だが、ネトウヨどもによれば、そういうのも「商行為」に過ぎないそうだ。彼らは、金銭の前借と娼妓稼業とが固く結び付いていようがいまいが、知ったこっちゃない。 さて、国際連盟はネトウヨと異なり、バカではなかった。1931年に国連調査団が来日して約1カ月滞在し、翌32年の実地調査報告書で、日本は前借金と娼妓稼業の結び付きのゆえに人身売買の疑いあり、という見解を示した。これに対し日本政府は意見書を提出して反論したが、国連は翌33年の報告書でも見解を変えなかった。 おそらくネトウヨらは「内政干渉だ!」とでも言うだろう。条約を破っているならともかく、なぜ国内法の遵守状況にまで文句を言われるのか、と。しかし、当時は売春や人身売買に関連する条約が、1904年、10年、21年、26年(奴隷条約)、30年(ILO条約)と積み上がって進歩しつつあった。国連は、各国の現状も実地に調査して報告書を出し、次なる条約案の参考などに供しようとしたのだろう。 要するに、当時の日本の法制度で「人身売買」の定義はあいまいであり、そのため刑法226条の次の部分もザル法になりがちだった。 「帝国外に移送する目的をもって人を売買し又は〔中略〕被売者を帝国の外に移送したる者亦同じ」 実際、この刑法(1907年制定)は、「からゆきさん」の取締りにあまり効果がなかった。からゆきさんとは、19世紀後半ごろから人身売買同然の手口で娼婦として東アジア・東南アジアへ送り出された日本人女性たちである。のちの1920年、現地の日本領事館が娼館閉鎖を指導したことなどによって(娼館の主人らは日本人だったのかも)、ようやく下火に向かったらしい。 この1920年の領事館の手法の逆を行ったのが、30年代ごろからの外地の日本軍である。慰安所を設置して、「こっちへ娼婦を送って」と警察や業者に要請した。あるいは現地調達した。 そして日本軍は、被拐取者や被売者が多少なりとも混じっていただろう女性たちを、軍の船に乗せて「移送」もした。軍は単なる「娼館の客」ではなく、一線を越えてしまっていたのだった。 〔続く〕

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