• ベストアンサー

武者小路実篤

ghostbusterの回答

  • ベストアンサー
回答No.4

「新しき村」と白樺派の文学者に関しては、関川夏央の『白樺たちの大正』(2003 文藝春秋社)に詳しく記されています。 簡単にいうと、村は自立できず、食糧の自給さえまったくおぼつかなかったからです。 「「新しき村」には大正十三年春、四十三人の「村民」がいた。…(略)…七年目を迎えた村は、いまだ自立とは程遠い状態で苦闘している。見通しは立たない。武者小路実篤は毎月四百円の金を村に注ぎこまなくてはならない。  大正十二年十二月には、年を越すために千三百円の金が必要であることがわかった。現在の四百万円ほどである。  毎月の不足補填分四百円は、大半が米代である。…(略)  村で現金を生み出すことができるのは、ひとり実篤のみである。それは、原稿を恐るべき速度で書くことでもたらされるのである。」(p.370-374『白樺たちの大正』) 多額の資金を投下して水路を建設しようとしてもうまくいかず、印刷・出版業を興そうとしてもうまくいかない。月三十銭の村外会員からの寄付も減る一方です。 そこで実篤は離村を考えるようになります。 「金の点では僕は村外会員となっても責任はもてる。なおもてるかも知れない。村外会員をふやす点では反って役に立つかも知れない。  村への寄付金も僕がいない方がたのみ易い点もある。  それ以上、村は僕から独立して平気で存在し得て初めて本当の村になり得るとも言える」 「本当の村になるためには僕がいるより、以内方がいい、そういう理屈もなりたつのだった」(武者小路実篤『一人の男』:前掲書より孫引き) ほかにも妻房子と恋人安子の妊娠や出産といった複雑な人間関係の事情もあったようですが、興味がおありでしたらぜひご一読ください。

enntei
質問者

お礼

素晴らしい回答をありがとうございました。 インターネット以上に精通されている方の存在例として強い感銘を受けました。 ありがとうございました。

関連するQ&A

  • 武者小路実篤について調べたいです。

    武者小路実篤という作家について調べたいです。 何かいい本はあるでしょうか? 武者小路実篤が書いた本ではなく、武者小路実篤について調べたいです。

  • 武者小路実篤って、たいしたことないのですか?

    こんにちは。 立花隆さんは、武者小路実篤さんの作品というのは、 中学生くらいだと、気持ちがシンクロするようなところがあるけれど、 実は、たいしたものではない。 というようなことを言っていたような気がします。 ”文学における有名な人”の中では、 武者小路実篤というのは、あまりたいしたものではないのですか?  

  • 武者小路実篤の作品を探しています。

    具体的なフレーズ等は分からないのですが、武者小路実篤の作品で、 自分は頑張っている。 神様も自分を見ている。 だけど報われない。 神様いつでも手をさしのべている用意があるのに、 自分はまだ至らず、手をさしのべてくれない。 ……というような趣旨の作品を探しております。 手がかりが少なく、誠に申し訳ありませんが、 ピンときた方がおられましたら、ご教示頂けると幸いです。 部分的にでも当てはまる作品をご存じでしたら、 それに付いてもお教え頂けると幸いです。

  • 武者小路の名言の英訳!!

    こんばんは。 武者小路実篤の『この道より我を生かす道なし。ゆえにこの道を行く』を英訳していだたけないでしょうか? 普通に訳したバージョンとかっこよく訳したバージョンがあれば嬉しいです。

  • 武者小路 実篤の詩の題名がわからず。

    武者小路 実篤の詩の中にあと一歩、か、もう一歩という詩があったと思うのですが正式は題名とどの本に掲載されているのかわかりません。もし、おわかりでしたらおしえてください。今、大学受験を控えこの詩が頑張ろうという気持ちにさせてくれます。よろしくお願いします。

  • 空想先生について (著:武者小路実篤)

    最近,「友情」を読んで感動しました。それで,武者小路実篤さんの本を他にも読んでみようと「空想先生」を買ってきました。期待に胸を膨らませページをめくると,第1行目,これも山谷五兵衛の話,・・・あれ?やまたにごへい?やまたにいつべい?どっちだ?山谷も本当にやまたにで良いのだろうか? 固有名詞は辞書で調べるわけにもいかないので困っています。 山谷五兵衛にどう振仮名を付ければよいのでしょうか?

  • 武者小路千家流

    茶道を習おうと思います。 表千家 裏千家 は 見学をして様子を把握しました。 武者小路千家流にも興味があるのですが 今ひとつ情報がみつかりません。 お稽古されている方、また作法の違いや特長をご存知の方がいましたら 教えてください。 千利休の歴史的背景はわかりますが具体的な、作法の違いなどがわかりません。 できれば裏千家と武者小路千家流の大きな雰囲気の違いを知りたいと思っております。

  • 作家の写真。

    太宰治や武者小路実篤など作家や著名人の顔写真が載っている写真集のようなものはありますか?ご存知の方いらっしゃったら教えてください。

  • 現代詩?探しています!「できると思えばできる。できないと思えばできない」

    記憶が定かではありませんが、「できると思えばできる。できないと思えばできない」みたいな内容の現代詩?を探しています。17年前、NHKで流してたようですが、作者等がわかりませんでした。その詩?の後に武者小路実篤の名前がながれたので、ひととおり探していますが、17年間見つけることができません。作者が違うのかもしれません。ご存知の方がおられれば、教えていただけないでしょうか?宜しくお願いします。

  • 白樺派、とはなんですか?

    久しぶりに小説でも読んでみようかな、と思いました。 中学生の時読んだ、武者小路実篤の「友情」が、 とても好きだったので、実篤について調べたところ、 彼は、白樺派の作家であることが分かったのですが、 その白樺派とはいったいなんですか? 調べてはみたのですが、難しい言葉ばかりで、 ちょっと理解できませんでした。 簡単な言葉で、説明してもらえると嬉しいです。 また、同じ白樺派の同人作家たちの作品は、 実篤の作品に共通するところがあるのでしょうか? 「友情」のような作品に再び出会いたいので、 もし良ければ、本の紹介、してもらえると嬉しいです。 アドバイス、よろしくお願いします。