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オスプレイのオートローテーションの理由
- 米国防総省の「国防分析研究所」(IDA)の内部文書などに拠りますと、オプスレイはオートローテーションが出来ないとされている様です。
- ローター部に動力を持たないオートジャイロが、主にオートローテーションによって揚力を得ている事からも解る様に、ヘリコプターであれ、ティルトローター機であれ、通常の状態で飛行する事が可能なローターさえあれば、動力喪失時であっても、ある程度の揚力を得る事が可能だと思うのですが、何故オプスレイではそれが出来ないのかが判りません。
- 左右2つのローターを持っている事で気流が乱れやすくなり、無動力では安定した姿勢が保てなくなる可能性があるため、オプスレイではオートローテーションが困難とされているのかもしれません。
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原理的には出来るはずです。 問題は、実際に出来るかどうかで、いくつかのアメリカの実験によれば、オートローテーションで「安全に」降下出来るほど速度が落ちなかった、ということのようです。 既に回答があるように、エンジン停止時にプロペラ・ローターが上を向いていない場合も想定できると思いますが、この記事によれば上を向いていたときにエンジンを絞る実験をしているようなので、これが原因ではないようです。 http://asahisyougun.iza.ne.jp/blog/entry/2741922/ 原因としては、ローター部がヘリに比較して(自重に対して)小さいこと、等が挙げられると思います。 例えばCH-47では自重10t(最大で22.7t)、主回転翼直径が18.3 m(2基)に対し、オスプレイは自重15t(最大で27.5t)、12mが2基です。 勿論、実際にはオートローテーションが可能で、この記事の内容が正しくないことも考えられます。
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- HAL2(@HALTWO)
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A No.2 HALTWO です。 御質問者さんが私同様の素人さんかと思って、より素人向けの解説をするために Propeller 機を例に出しました。 >宜しければ、オプスレイの推進器がローターではなく、プロペラであるとする情報源を御教え頂く訳には参りませんでしょうか? 申し訳ない。御質問者さんの航空機知識 Level では Rotar であるとすべきであり、Propeller であると書くべきではありませんでした。 私も御質問者さんが示された内部構造図と同様の図を見たことがあり (でも、御質問者さんの示された図とは違いますので、幾つかあるのでしょうかね)「これでは Flapping も Dragging もできないので考えられるのは Feathering しかない・・・Propeller と同じだな」と感じたわけです。・・・御質問者さんが仰る Dragging Hinge らしきものは格納時に Brade を Slide させる機構だと思いました。 また、Osprey は Rotar が地面を叩くと破壊された Brade が Body に突き刺さらないよう早々に外れて吹き飛ぶように設計されているそうですので、格納時に Brade を Slide させる Hinge 部や Shaft 部の構造も応力に対して外れ易くなっているようですね。 http://www.youtube.com/watch?v=VBsiHoNvrV8 上記 Video でも Brade は早々に翼端方向に向かって弾け飛んでいます。 もう 1 つ考えられるのは MBB の Helicopter に見られる Bearingless Rotor ですが、Brade が弾性変形するような構造も示されていませんので Bearingless Rotor ではないと判断しました。 ・・・となると、ますます Rigid な Propeller に近い考え方の Rotar と思われましたので、Propeller と言い切ってしまったわけです(汗)。 Pitch 変更は可能なようですので Feathering は可能と思われますが、Flapping も Dragging も弾性変形による最適化も行わない構造なのであれば正 Pitch 角で逆風に対して空気流を剥離させることなく Auto Rotation させることは不可能な筈で、剥離が始まってしまえば応力断裂が生じるでしょうから Tilt Rotar Mode での Auto Rotation は無理だろうと思われます。 Auto Rotation できない・・・と言うよりも Auto Rotation させても意味がないので、できる構造にはしていないというのが本当の理由だろうと思いますが、実際、高回転高出力でなければ浮揚できない小口径の Rotar ですので、低回転の Auto Rotation では降下率を減速する役には立たないということなのだろうと思います。
お礼
再度の御回答有難う御座います。 御蔭様で、オプスレイの推進器が、構造的にはローターというよりもむしろプロペラと呼ぶべきものであるという事に得心する事が出来ました。 実は、ANo.2の御回答に対するお礼を入力していた際にはすっかり失念致しておりましたが、ANo.3様の御回答に対するお礼の中で触れました様に、オプスレイも(実用的では無いものの)オートローテーションそのものは出来ない事も無いという情報を、既に目にしてはおりました。 尤も、その後で判った事ですが、オートローテーションを行うためには110kt以上もの水平速度が必要という事らしいので、回転翼モード時にはオートローテーション可能な速度を出す機会が無いため、実質的には出来ないも同然とという事の様です。 【参考URL】 オスプレイに「自動回転」機能の欠如/実用性乏しい/切り替えも危険/日本政府 否定に躍起だが… 2011年8月17日(水)「しんぶん赤旗」 http://www.jcp.or.jp/akahata/aik11/2011-08-17/2011081701_03_1.html ですから、本質問の趣旨は正確には 「オプスレイのオートローテーション性能が何故それほどまでに劣悪なのか?」 という事になります。 この事に関して、既にANo.3のat9_am様から >ローター部がヘリに比較して(自重に対して)小さいこと という御回答を御寄せ頂いておりましたが、本当にそれだけなのか否かが判断出来ずにおりました。 そして、今回、HALTWO様のANo.5において御教え頂きましたURLの動画の中に、 >ヘリとしてはローター(回転翼)が小さすぎるので、離陸時に最大限の回転活動が求められる。 という字幕があったため、at9_am様の「自重に対してローターが小さすぎるため」という説が最も可能性が高いのではないかと判断する事が出来ました。 確信を得る事が出来ましたのはANo.5に貼られたURLの動画の御蔭ですので、ANo.3とANo.5のどちらをベストアンサーとすべきか迷いましたが、HALTWO様の御回答の趣旨は、 「ローターではなくプロペラであるため、機構上、オートローテーションは不可能」 という事らしいので、 「110kt以上の高速時であれば、一応はオートローテーションに入る事が可能」 という事と相容れないため、申し訳御座いませんが、今回はANo.3の方をベストアンサーとさせて頂きます。
- HAL2(@HALTWO)
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先ず、誰もが犯す間違いが「Osprey が Helicopter の一種であって Rotar を持っている」という幻想です(汗)。 Osprey は Helicopter ではありません。 Turbo Prop 機の Propeller を低速大口径化し、Turbo Prop Engine ごと Swivel させる機構を持つ Turbo Prop 機です。・・・Tilt Rotar 機と言ってしまうから Helicopter と間違えてしまうのでしょうが、Helicopter よりも遥かに Turbo Prop 機に近い航空機dす。 従来の Category 分けでは「Turbo Prop は Jet 推力の 90% を Shaft を介して前方の Propeller に伝達する一方で 10% 程の推力を Jet 粉瘤として後方に排出するもの」という定義だったかと思いますが、Osprey はほぼ 100% の推力を Shaft を介して前方の Propeller に伝達している Turbo Prop 機と言えます。・・・Engine の Category は 100% の推力を Shaft に吸収させているのですから Turbo Shaft Engine ですが・・・。 さて、Turbo Prop 機、例えば YS11 を上方 Loop に持ち込み、機種が真上を向いた時点で Loop を止めて Engine を切ったら、どうなるでしょうか? Auto Rotation で垂直に立ったままゆっくりと降下する?・・・とんでもない、Propeller は後方からの風圧で回転するようにはなっていませんので、たちまち Propeller が弾け飛びます。 曲技飛行機では Hammer Head Turn などで一時的に Auto Rotation 状態を演じられるようになっていますが、そのまま下降したらやはり Propeller が吹き飛びます。 Osprey も前方 (上方) にある空気を後方 (下方) に押し出す Propeller を装着してる航空機ですので、空気流が逆向きになると Propeller が破壊されます。 Helicopter の Rotar は遠心力でピンと張るほど薄く柔らかな羽根を回転させることによって上方の空気を下方に押し出すようになっていますが、Engine が停止すると柔らかい翼が空気抵抗で変形して逆方向からの空気流に対しても破壊されることなく大きな抵抗となって回転します・・・これが Helicopter の Auto Rotation なのですが、揚力を発生しているのではなく、Parachute のように大きな空気抵抗を生み出していると考えるべきでしょう。 Osprey の Propeller は 300knt 以上の高速推進力を発生させるための分厚くて硬い Rigid 翼ですので逆風による Auto Rotation では落下速度と空気抵抗とが平衡になる前に Propeller が破壊されてしまいます。 では離着陸時のような低空低速状態で Engine が停止したらどうなるか? もともと Helicopter の Rotar に較べて高速で回転させることによって初めて揚力を発生する回転翼ですので、逆風を受けてゆっくりと回転したところで落下率を減少させるほどの抵抗を生み出せるわけではありません。 つまり Helicopter のような Auto Rotation っぽい感じで Propeller は回るでしょうが、落下速度を安全な落下率に低下させるほどの力は発することができず、地上に激突します・・・高空で水平高速飛行中に Propeller を Tilt させれば Engine を停止させる前に Propeller が吹っ飛ぶでしょうし、充分に減速してから Propeller を Tilt させて Engine を止めても落下中に Propeller が吹っ飛ぶでしょうね(汗)。 ・・・というわけで、Osprey は Helicopter ではありませんので、原理的に Auto Rotation はできないのです。 ・・・と、私は理解しているのですが、航空工学専門家ではありませんので、素人理解です(滝汗)。
お礼
御回答頂き有難う御座います。 >Osprey は Helicopter ではありません。 >Turbo Prop 機の Propeller を低速大口径化し、Turbo Prop Engine ごと Swivel させる機構を持つ Turbo Prop 機です。・・・Tilt Rotar 機と言ってしまうから Helicopter と間違えてしまうのでしょうが、Helicopter よりも遥かに Turbo Prop 機に近い航空機dす そうなのですか? そうしますと、オプスレイはティルトローター機ではなく、ティルトプロップ機かティルトエンジン機に分類される事になりますが、ティルトプロップという言葉が存在するのに、わざわざティルトローターと謳っているので、ローターを使っているものだと思い込んでいたのですが、違うのでしょうか? それと、私はオプスレイが未だ開発段階で初飛行もしていないか、或いは試作機が初飛行した直後の頃に、 「ティルトローターとティルトウィングの違いは、 ティルトウィングの場合はプロペラを回しているのに対して、 ティルトローターが回しているのはローターだという事だ」 という趣旨の解説を航空専門雑誌(航空情報、航空ファン、エアワールドの中の何れか)で読んだ記憶があるのですが、当時は専門誌でも明確な情報が得られていなかったという事なのでしょうか? それに、オプスレイがローターを持っていないとしますと、当然、ローターピッチのサイクリック制御など出来ませんから、どのようにしてホバリングモード時における機体のピッチトリムを制御しているのかという疑問もあります。 確かに、オプスレイのプロップ・ローターのハブ付近のアップ画像を確認してみました処、とてもフラッピングやドラッギングが出来る様な構造とは思えませんでしたが、フラッピングに関してはブレードの柔軟性を利用してリジッドレスで出来なくもないかも知れませんし、何処まで信頼出来る情報なのかは判りませんが、MV-22Bの内部構造を描いたイラストに、ドラッギングヒンジらしきもの(艦上での折り畳み機構かも知れませんが)が描かれているがぞうを見つける事も出来ました。 【参考URL】 http://www.flightglobal.com/airspace/media/cutawayposters/images/14497/bell-boeing-mv-22b-lrip2-osprey-cutaway-poster.jpg 宜しければ、オプスレイの推進器がローターではなく、プロペラであるとする情報源を御教え頂く訳には参りませんでしょうか?
- mpascal
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オートローテーションが出来ないわけでは無さそうです。 固定翼モードでエンジンが停止したとき、エンジンを真上に向けオートローテーションが機能するまでに、かなりの高度低下を起こしまうので、低高度ではオートローテーションが機能するまでに墜落してしまうのだそうです。
お礼
御回答頂き有難う御座います。 少々疑問があるのですが、機体重量を支えるのに充分なだけの揚力が固定翼のみで得られなければ、そもそも固定翼モードになる事は出来ない(失速してしまう)のですから、既に固定翼モードになっているのでしたら、通常の固定翼機と同様に滑空すれば済む話で、オートローテーションする必要はない様に思えます。 固定翼モードでは、ローターの回転面の下端が着陸脚よりも低い位置になりますので、そのまま不時着するのにはやや問題があるかも知れませんが、滑空している間にローターを上に向ければ良いだけの話ではないでしょうか? 通常の固定翼機もまた、オートローテーションは行えませんから、固定翼モードでオートローテーション出来ないからと言って、何故それがオプスレイが危険だという理由になるのでしょうか?
お礼
御回答頂き有難う御座います。 御教え頂いたURLのページの記事は、この質問を投稿する前に読んでいたのですが、オプスレイのオートローテーション性能が何故それほどまでに劣悪なのかという理由が書かれていなかったため、この質問を投稿させて頂いた次第です。 >原因としては、ローター部がヘリに比較して(自重に対して)小さいこと、等が挙げられると思います。 成程、最大(最大離陸重量?)同士で比べた場合、オプスレイの円板荷重はCH-47の約2.8倍もあるのですね。 そうしますと、オプスレイがオートローテーションするためにはCH-47の1.6倍くらいの速度が必要になりそうです。(固定翼の揚力や抗力もありますから、もう少し遅い速度になると思いますが) 御教え頂き感謝致します。