- ベストアンサー
高校物理 磁場の強さに関する単位の定義について
- 高校物理の教科書によると、磁場の強さの単位は1[Wb]で定義されています。
- 教科書には、磁場の強さは[N/Wb]と表されており、アンペールの法則によると、導線に流れる電流によって磁場が作られます。
- しかし、教科書には具体的な説明や根拠がなく、磁場の強さが距離と電流に比例することはわかっても、なぜ2πが現れるのかなど詳細な説明がないことが問題とされています。
- みんなの回答 (4)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
- ベストアンサー
#3です。すいません。今度は、mとAを書き間違えて、チョンボしました。 、[Wb]=[N・m/A]=[J/A] です。 >「1[A]の電流が作るリング状の磁場にそって、磁気を一周させる。 このときの仕事が1[J]だったとき、磁気は1[Wb]と定義する」…(1) 現在の1[Wb]の定義として。(1)は全く正しいのですが、これはあくまで(現在の)1[Wb]の定義なんです。アンペールの法則を目指した定義では、ありません。 >つまりアンペールの法則は、(1)の定義が前提でなければ導けないのではないでしょうか? そうではないんです。現在の用語で正確に言うと、H=I/2πr [A/m]は、アンペールの法則の積分形と言われるもので、歴史的には、アンペール力の式からビオ・サバールの法則が思いつかれ、逆にビオ・サバールの法則があれば、アンペール力を導ける事がわかり、アンペール力 F=μ/(2π)×I1・I2/r [N]の式からI2を落として最初、磁束B=μ/(2π)×I/rが発想されました。アンペール力に関する実験で実際に測定されていたのは、今にして思えば、磁束Bの方でした。 後に、H=B/μ=I/2πr となりますが、HはBを理論的に整備した結果現れた、後付けの量と考えるのが妥当です。その過程で初めて透磁率μも現れ、その物理的意味も明らかになります。 現在の理論体系では、やはりビオ・サバールの法則から思いつかれた、アンペールの法則の微分形と言われるものがあり、積分形よりも物理的に、より妥当だと考えられています。今の理論体系では、 アンペールの法則の微分形 ⇒ ビオ・サバールの法則 ⇒ アンペール力 ⇒ アンペールの法則の積分形(磁場) という手順になります。http://okwave.jp/qa/q7549597.html の#5で述べた、 アンペールの法則 ⇒ ビオ・サバールの法則 ⇒ アンペール力 は、この事です。今ではアンペールの法則の微分形の方を、アンペールの法則と呼ぶ事の方が多いものですから、(2回もチョンボした事もあり)、混乱に輪をかけるような発言をして、申し訳ありませんでした。 それで何を言いたいかというと、アンペールの法則による磁場は、磁極(磁荷[Wb])の現実を、本質的に全然考慮してないという事です。徹頭徹尾、電流[A]に基づいて磁場を定義します。 ここで[H]という、仮の磁場の単位を導入します。[H]という名称は、[N/Wb]と[A/m]の別称とお考えください。[H]の定義には、2種類ある事になります。以下でMwとは、値が1の、単位を吸収するための比例定数とお考え下さい。 ・1[H]=Mw×1[Wb]/(1[m])^2 (2) ・1[H]=1/(2π)×2π[A]/1[m] (3) (2)は、2つの1[Wb]の磁極を1[m]離したときに1[N]という、当初の単位磁荷の定義です。この定義がなされた時点では、磁気と電気は全くの別現象と考えられていたので、(2)は電流の事を、全く考慮していません。 一方(3)は、H=1/(2π)×I/r [A/m]の結果ですが、ここで問題になるのは、1[A]の現実の絶対量です。1[A]の現実の絶対量は、秒当たりに断面を通過する素電荷の(電子の)個数に比例します。それが1[c]で、[A]=[c/s]でした。ところがその個数は、実用性も考慮した、 ・2×10^(-7)[N]=μ/(2π)×(1[A])^2 (4) によって、言ってしまえば「人間の都合で適当に」決められています。(4)の左辺の2×10^(-7)[N]を、8×10^(-7)[N]にでも変えれば、1[A]の「現実の強さ」は、(4)の倍になるのはわかると思います。よって(3)による磁場の「現実の強さ」は、倍になります。つまり、 (3)も(2)の事を、全く考慮していません. 他方の根拠を全然考慮しない同じ単位の定義が2種類現れたら、定義間の整合性は?という問題は、常に生じます。磁極(磁荷)による磁場と、電流による磁場は別物と考えて良いという実験結果や理論的根拠があれば良かったんですが、どう考えても、どう実験しても同じものでした。だとすれば、物理的に行い得る現実の観測(要するに作用力の比較です)において、 ・1[N/Wb]=1[H]=1[A/m] (5) なんて事が成り立ってたら、出来すぎた話だと思えませんか?。 現実は、出来すぎていませんでした。(2)によって規定された「当初の1[H]」は、「現在の[A]基準の1[H]」とは、「現実の磁場の強さ」が違うんです。つまり変わったのは、1[Wb]でも1[A]でもなく、1[H]の現実の大きさです。 そこで仕方ないので、1[Wb]の物理的実体は変わっていませんが、「現在の[A]基準の1[H]」をもとにして、1[A]の電流と1[Wb]の磁極との相互作用力を測定してみると、 ・1[m]離したとき6.3×10^4[N]の力を働かすような磁極. (6) だった事がわかった訳です。何故「現在の[A]に基づく1[H]」を基準にしたかと言うと、磁場は電流に起源を持つ事が、わかったからです。 ・(6)の真の意味、すなわち上記の裏事情がわかった時、本当に「具合悪くなりました」よ・・・。 ちなみに(5)と良く似ていますが、 ・[N/Wb]=[H]=[A/m] (7) と(5)の意味は、全然違います。「1」がない事に注目して下さい。(7)は、「単位系」という論理的構築物の要請(人間の都合)であって、(7)から成り立って欲しい(5)が、現実に本当に成り立つかどうかは、別の問題です。(7)を満たし、(5)を成り立たせるように、実験に基づいて、単位電流(単位電荷)なり磁荷原器なりを与えるのが、物理学の本来の任務です。だから(6)になる訳です。 >定義を述べないまま[Wb]という単位を持ち出す教科書はおかしいのではないでしょうか? たぶんその理由は、磁場の起源は電流なのがわかった事もあり(面倒臭い裏事情もあり)、理論体系として[Wb]を排除しようという方向性があるからだと思います。 しかし技術・工学分野で、それは無理なんです。何故なら、高性能の永久磁石を生産している会社は、けっこう五万とあり、その方達は、日本と限らず全ての国の産業を支えています。それは、発電機の構造などを考えれば、わかると思います。 と言う訳で、この前書いたように、[Wb]は教科書でも無視できないので、定義くらいは紋切り型に与えよう、という発想になったんだと思います。
その他の回答 (3)
#2です。余りお怒りだったもので、裏事情を話した方が良いかなぁ~と思って、前回は書きました。 >しかし新しく物理を学ぶ者にとっては単位は1つに統一していただかないと大変混乱します。 でしたら、こう考えればどうでしょうか?。やっぱり裏事情は少し出てしまうのですが、ウェーバーさんが1[Wb]を持ち出した当時、磁気と電気は別物と考えられていました。なので磁場を調べるために、永久磁石の磁極に対して電気と同じように、クーロンタイプの法則を想定し、磁極を1[m]離して1[N]の力が働くなら、1[Wb]だと決めた訳です。クーロンタイプの法則を仮定すれば、Hを磁場として、[H]=[N/Wb]だとすぐ言えます。Eを磁場として、[E]=[N/c]と同じです。 ところがその後、磁場の発生源は電流と分かり、[A]に基づいて[H]=[A/m]となります。そうすると永久磁石の磁場も、電流に起源を持つことになるので、[Wb]は基本単位でなく、[A]などによって組み立てられた「組み立て単位」でなければなりません。従ってただちに、 [N/Wb]=[H]=[A/m] (1) でなければなりません。(1)から[Wb]を逆算すれば、[Wb]=[N・A/m]と、他の基本単位で表せます([N]と[A]は、ほぼ基本単位と言った方が無難ですが、考え方によります)。しかしこれは、単位設定における、純粋に数学的な整合性の問題であって、現実との接点は無視されています。 そして、もうおわかりと思うのですが、クーロンの法則を利用するような基準決めでは、単位電荷や単位磁荷の物理的実体としての量は、人間の都合です。1[m]離したとき1[N]といったって、1[m]や1[N]が既に、力学側の事情で決まった人間の都合です。ところが、基準決めの最大の成果は、物理的実体として原器が手に入る事です。それが現実との接点です。決めた基準に従った原器を用いる事によって、他の現象との関係を定量化できます。 [Wb]が登場した時点では、CGSさえ整備されていませんでした。だからウェーバーさんの1[Wb]は、ウェーバーさんが勝手に決めた、磁石の「磁場の強さ」なんですよ。同様に、アンペール力(電流)による「磁場の強さ」も、人間の都合で勝手に決められたものです。 (2×10^(-7)[N]を提唱したのも、じつはウェーバーさんらしいんですが・・・(^^;)) しかし[A]による磁場が定義された時点で、ウェーバーさんの言う1[Wb]の磁石は、既に物理の業界標準になってました。しかたないので、[A]側を基準にして、1[A]の電流を流す導線と、ウェーバーの棒磁石の1[Wb]原器との相互作用力を調べてみたら、[A]基準の磁場では、1[m]離したとき6.3×10^4[N]の力を働かすような磁極だった、という訳です。 と言う訳で、教科書では「[N/Wb]=[A/m]である」,「6.3×10^4[N]の力を働かすのが、1[Wb]だ」で終わります。あんまり、怒らないで下さい・・・(^^;)。ページ数制限を考えると、他に書きようもなかったような気もします・・・(^^;)。
お礼
>永久磁石の磁極に対して電気と同じように、クーロンタイプの法則を想定し、磁極を1[m]離して1[N]の力が働くなら、1[Wb]だと決めた訳です。 >ウェーバーの棒磁石の1[Wb]原器との相互作用力を調べてみたら、[A]基準の磁場では、1[m]離したとき6.3×10^4[N]の力を働かすような磁極だった。 この2つのことは矛盾していないでしょうか?1[Wb]は1[m]離して1[N]はたらく力と決めたのに 結果的には6.3×10^4[N]はたらくのですか? あと[Wb]=[N・A/m]ではなく[Wb]=[Nm/A]ですよね? いろいろ調べた結果、他のサイトでは次のように書いてありました。 「1[A]の電流が作るリング状の磁場にそって、磁気を一周させる。 このときの仕事が1[J]だったとき、磁気は1[Wb]と定義する」…(1) [Wb]=[Nm/A]=[J/A]ですから、 逆に[Wb]=[J/A]であることを先に定義すれば、結果的に[N/wb]=[A/m] がいえると思います。 直線電流からr[m]離したところからM[wb]の磁石を置いて手で1周させると 磁場がする仕事は、F×2πr[J]となります。 M[Wb]=F×2πr[J]/I[A]とすれば定義にしたがい、 F/M[N/Wb]=I/2πr[A/m] つまりH=I/2πr とアンペールの法則が導けると思います。これならすっきりします。 つまりアンペールの法則は(1)の定義が前提でなければ導けないのでは ないでしょうか? (1)はネット上の情報なので正式ではないかもしれませんが、少なくとも (1)は教科書には載っていませんし、このような定義を述べないまま[Wb] という単位を持ち出す教科書はおかしいのではないでしょうか?
http://okwave.jp/qa/q7549597.html (1) の#5です。またお邪魔します・・・。 (1)の#5は、まだ読まれていないかも知れませんが、[Wb]は本来、そこにちょっとだけ書いた何種類かの単位系の一つで、磁気原器として、磁石を用いる単位系です。そこでは磁荷(電荷の対応物で、永久磁石の磁極)が想定され、原型では、 1[N]=1/(4πμ)×(1[Wb])^2/(1[m])^2 (2) という素直なものでした。 クーロンの法則の1/(4πε)のεをμにおきかえ、1[c]を1[Wb]におきかえただけです。(2)には当然、電荷に関するクーロンの法則が影響していて、4πや2πは(1)で述べたように、計算上の都合と考えて下さい。クーロンタイプの法則で、εやμが分母に行くのは、誘電率や透磁率をそのように定義してしてしまったという、歴史的偶然です。それにはそれで、実験的な経緯があります。 磁場は電流から発生し、単独の磁荷はないという事がわかる以前に、(2)は考えられたので、[Wb]は電流[A]とは無関係に導入されたものです。よって現在の[A]と[Wb]は、綺麗に整合しません。 その後、磁場は電流から発生し、単独の磁荷はないという事が、ほぼ明らかになります。それでも永久磁石は厳然としてありますから、電流[A]と磁荷[Wb]の換算はできるようにするのが、実用的です。このとき重要なのが、電流によって発生する磁場も、永久磁石の磁極によって発生する磁場も、同じものだという物理的事実です。 ・本当は、この物理的事実が重要なんです. 同じ磁場だという事実から、[A]による磁力と[Wb]による磁力は、電流が棒磁石に作用させる力と、棒磁石が電流に作用させる力の比として、比較できるはずです。 そこで平行導線の一方を、単位長さの棒磁石に取り換えた状況を考えると、[N/Wb]と[A/m]の換算ができるようになります。 磁荷の[Wb]を、磁気の組み立て単位でなく基本単位とする単位系は、CGSよりも古いものです。CGSは、磁場の原因は電流しかないとわかってからの、後発のものですが、恐らく一番明快で自然な単位系です。どれくらい自然かというと、電子の素電荷eを1[c]とし、秒当たり一個の電子が断面を通過するのが1[A]だ、と決めるくらい自然です。 [Wb]の定義の原型は(2)です。電気・磁気のCGSは自然な単位系なので、詳細な計算は省略しますが、[Wb]の定義の原型である(2)を守りながら、[N/Wb]=[A/m]だと言う事ができます。ところが現在の標準は、MKSAです。MKSAでは、実用上の便利さも考慮しながらεとμを設定したために、人間の都合を優先したつけが、どうしてもどこかに現れます。 CGSとMKSAの単位変換係数c^2=1/(εμ)のお話は、(1)でしましたが、CGSからMKSAへの単位変換のために(2)を、 1/(4πμ)[N]=1/(4πμ)×(1[Wb])^2/(1[m])^2 (3) と変更せざる得なくなります。1/(4πμ)[N]が、=1/(16π^2)×10^7[N]=6.3×10^4[N] なんです。(3)を前提としてMKSAでは、[N/Wb]=[A/m]が言えます。 で、高校物理の教科書の態度なのですが、磁極による磁場も、電流による磁場も同じだと「最初に言ったよねぇ~」となります。 だとすれば、[N/Wb]=[A/m]とおく事は、「当然の事である」です。 そして、磁極による磁場も電流による磁場も同じだが、その発生機構は見た瞬間に違うのはわかるだろうと。 (本当は同じなんですが) だとすれば、詳細は書かないが、[N/Wb]=[A/m]と定めるに当たって、(3)を検証するような実験は行ってるにきまってるだろう、と。 それらを想像できない、お前らの方が変だ・・・。 となるのですが、恐ろしく不親切ですよね。 現実に、1[Wb]の定義について言えば、現在でも(2)と(3)の両方が流通しています。(2)がCGSに基づき、余りにも自然なので無視できないからです。それでCGSとMKSAの両方を語るサイトでは、 ・1(m)の距離にある2つの等量磁荷が、6.333×104(N)の力を及ぼし合う時、それらの磁荷を1(Wb)と定義する、「という事もある」. という記述に、けっこう出くわしましました。「という事もある」の真の意味を知った時、本当に具合悪くなりましたよ・・・。現在では、CGSによる1[Wb]の定義は、できるだけ排除するのが標準だそうです。 とは言え、高校の物理の教科書の態度がいかに傲慢であっても、論理的落ち度はない訳です。文部省の規定で、必要最小限の事しか書けず、詳細な計算はページ制限から無理な訳です。自分は回し者ではありませんが、教科書制作者の事を考えると・・・、そんなに嫌わないであげて下さい(^^;) 昔は、その辺の具合悪さを解消するのが、高校物理教師の腕の試し所だったそうですが、今はそういう事をできる物理教師が余りいないそうです。そっちの方が、問題だと思います。
お礼
回答ありがとうございます。理解するのに大変時間がかかりました。 簡単に言うとこういうことではないでしょうか。 アンペアが定義されたことでクーロンの大きさが決まり、 クーロンの法則により、誘電率εが実験によってきまる。 そして、マクスウェルの理論c^2=1/(εμ)により、誘電率と透磁率の積は 一定であるので、誘電率が決まれば透磁率も自動的に決まる。 これでしたら話はすっきりします。 (3)式はよくわかりませんが、たぶんCGSの定義では、透磁率を1としているため、 不都合が生じたという旨をおっしゃっているのだと思います。 しかし新しく物理を学ぶ者にとっては単位は1つに統一していただかないと大変混乱します。 >(3)を前提としてMKSAでは、[N/Wb]=[A/m]が言えます。 というところがやはりわかりません。 できればCGSを持ちださずに[N/Wb]=[A/m]となることを説明していただけると助かります。 とにかく、貴重な時間を割いていただき、ありがとうございました。
そう,物理学では磁場を用います。ちなみに電気工学では磁界を用います。
お礼
理解するのに時間がかかりましたが大変よくわかりました。 教えていただいたことを生かして勉強していきます。 本当にありがとうございました。