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天皇の国事行為と国政
kumahigecoffeeの回答
6条、7条各号に列挙された各種の国事行為のうちから、 国会召集と衆議院解散をピックアップしているところからは、 大学等で憲法学を学ばれている方なのかと考えます。 とすれば、質問の 「国事行為とはいったい、一言でいうとどういうことなのでしょうか。」 ということについては、「一言では言えない、複雑なものだ」という風に 理解するのが、最も本論点の適切な理解につながるものと考えます。 非民選の世襲的存在である天皇が6,7条の国事行為を含む 各種の国家行為を行うことについては、 どこまでいっても国民主権の原理と人権(平等権)尊重との 緊張的要素が含まれます。 解散権の所在について、「権力的行為であるが、内閣による助言と承認規定(3条)の 結果、天皇には実質的解散権を含まない」という国会先例や宮沢・芦部説 (法的根拠に係る7条3号説)は、天皇の国事行為が 《結果として》セレモニーにすぎないにしても、 国民主権等との憲法の基本原理からすれば、 しっくりしないものが残ると言えます。 シンプルな記述の芦部『憲法』が,この論点については 比較的饒舌であるのも、自らの見解についての苦しい部分を 認めるからであるように思われるところです。 他方、解散権の所在についての権力分立説や議院内閣制説、 (及び常会・特別会召集権者にかかる53条類推説)からは、 6,7条の国事行為は《純然たるセレモニー》と言え、 国民主権原理を貫徹できますが (質問者さんの問題意識もここにあるのだと思います)、 法の文言解釈として苦しい部分が多く、 多数説となるには至っていないのだと思います。
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