- ベストアンサー
ヨウ素(i-131)の半減期と甲状腺がんの仕組み
- ヨウ素(i-131)は約8日で半減する物質であり、体内からは4ヶ月で排出されます。しかし、甲状腺腫の治療や事故後の長期的な影響が指摘されています。
- ヨウ素(i-131)の放出するβ線・γ線は甲状腺に蓄積され、DNAに損傷を与える可能性があります。そのため、長期間にわたって甲状腺がんのリスクを引き起こすと考えられています。
- ヨウ素(i-131)が引き起こす甲状腺がんのリスクは、放出される線量や個人の被曝量に依存します。福島や関東においては、現在の検出されている量はリスクを引き起こすほどではありません。
- みんなの回答 (1)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
> ヨウ素(i-131)は、物理的半減期が約8日、1ヶ月もするとほとんどなくなる、摂取しても体内からも4ヶ月ほどで排出されるから、心配ないと言われます。 ・その通りです。 100個のヨウ素131は8日で50個に、16日で25個に、40日で3個に自然崩壊します。 だから、単発的にヨウ素131で内部被曝しても大きな問題にはなりません。 消防隊員や自衛隊員が数日だけミッションを実行して、ヨウ素131で内部被曝してもOKです。 もちろん、隊員達はヨウ素剤などをバッチリ服用してから作業に従事しています。 ヨウ素131は、一般的なヨウ素に組成が似ているため、人間の体は積極的に取り込み甲状腺に蓄えます。 単発的に甲状腺に取り込まれたヨウ素131は甲状腺の細胞のDNAを傷つけて行きます。 人間の体は、この対抗策としてDNAの修復作用が働き、仮にガン化した細胞が発生しても、がん化した細胞を食べる免疫系が存在し、正常な状態に修復します。 問題は、継続的にヨウ素131が甲状腺に取り込まれ、内部被曝をした場合です。 継続的とは、だいたい30日以上。 有毒なヨウ素131と、人体に必要な(天然)ヨウ素は、体内では違いを見出すことは出来ません。 ヨウ素131は、甲状腺に天然ヨウ素が飽和状態に無い場合、積極的に取り込まれます。 人間の体の免疫力は、最初はヨウ素131で破壊されたDNAを一生懸命に修復します。 ところが、継続的に同一パターンでDNAを破壊し続けると、正常な状態であると誤認されるようになります。 誤認されるようになると、ガン細胞が発生しても放置されます。 ただ、放射線によりDNAが傷つけられたガン細胞は、基本的に自己複製能力を持たないため大きな腫瘍にはならず、細胞の寿命と共に消滅して行きます。 それでも、何度も、何度も、ガン細胞が発生する内に自己複製能力を持つガン細胞が(突然変異とは若干違いますが)誕生します。 自己複製能力を持つガン細胞の増殖速度は、最初はとても遅く、腫瘍が大きくなると増殖速度も速くなってきます。 新陳代謝が激しい子供の場合で、だいたい、5年程度で治療が必要な甲状腺ガンの発症となります。 なお、中年以上の大人の場合は20年~30年ほど、発症までに掛かりますが、なぜ、この様に長期間掛かるのかは、ハッキリしたところはマダ分かっていません。 蛇足ながら、 体には有害物質と認識できず、体内に蓄積される放射性物質を記述しておきます。 特に「ヨウ素と放射性ヨウ素」/「カルシウムとストロンチウム」は、化学組成が似ていて、人体は必要要素として(勘違いして)積極的に取り込みます。 放射性物質の蓄積しやすい部位 ・甲状腺-------ヨウ素 ・肺-----------プルトニウム ・肝臓---------コバルト・セリウム ・腎臓---------ウラン・ルテニウム ・生殖腺-------セシウム・プルトニウム ・筋肉---------セシウム ・骨-----------ストロンチウム・ジルコニウム・プルトニウム ・皮膚---------クリプトン
お礼
ありがとうございます。 継続的に内部被曝が起きると、DNAの修復機能が効かなくなるということなのですね。 よくわかりました!