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センター試験の発音問題。アクセントのない母音。
昨日行われたセンター試験の発音問題で 1. format 2. instance 3. manage 4. passive の -a- の部分(manage は最初の方)で発音の異なるものを選ばせる問題が出ました。 manage, passive はアクセントがあるので,アとエの中間の音。 instance はアクセントがないので,あいまい母音のア。 これだけで 2 が答えとして終わり,という考えもあるかもしれません。 しかし,format の a にもアクセントはありません。 アクセントがないと通常,あいまい母音になるのですが,一部例外的にアとエの中間の音になる場合があります。 この format もその一つです。 ここで,単に発音記号が同じだからと言って,同じ発音だとしていいものでしょうか。 manage, passive にはアクセントがあるけど,format にはない。 そもそも,アクセントのない母音を発音問題に出すべきではないと思います。 report の -e- と,sit の -i- の部分は,発音記号は同じでも, report の方はアクセントがなく,sit にはある。 これを同じだとすべきではない。 couch, format, ostrich カタカナにすると,大人なら知っていても,今の学生にはあまりなじみのない単語も見受けられました。 これも含めて不適切な問題のように思いますが,みなさんはどのようにお考えになりますか。
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- fwkk8769
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(以下は回答#6の続きです) (3) 以下は補足です。 最初にお断りした「アクセント(強勢)」のある・ナシの区別をどこでつけるかの問題は今回の中心的な話題ではないように思いますが、少しだけ触れておきます。 確かに、多くの学習参考書のレベルではformatを辞書で引くとその第2音節には第2強勢(アクセント)符号はふられていませんのでそこに「強勢(アクセント)」はナシ、という判断をしたくなります。ところが、研究書によると、一般的に「強母音」を含む音節は「強勢」が「ある」というのが音声の実態に沿った理解とされており(例えば、竹林滋『英語音声学』(研究社)p.p.364-365)、今回のformatの第2音節でも実態を重視する立場に立てば、強勢は「ある」ということになるようです。 ただし、今回問題とされている 「第1強勢(第1アクセント)のある音節」+「強母音を含む音節」 などに見られるように、核強勢(第1強勢)の後(右側)に強母音を含む音節が来る場合はその音節で大きなピッチ変動を伴わないという理論立てになっているので、この音節は「アクセント(強勢)」の4段階区分(第1>第2>第3>弱)では「第3アクセント(強勢)」を有するということになるわけです。(アクセントと強勢の関係は今は触れません。) ここで注意すべきなのは、わが国の英語教育や学習英和辞典では「第1>第2>弱(なし)」の3段階区分方式がほぼ定着しており、4段階区分方式での「第3アクセント(強勢)」は3段階区分方式では表記上「アクセント(強勢)ナシ」ということになってしまっているということです。 この点を理解していただくには、 (1)例えばわが国の英和辞典でも4段階区分を採っている松田徳一郎編集代表『リーダーズ英和辞典』(第2版、研究社)で試しに format、radar、adult(名詞、第1音節に第1強勢があるタイプの発音の場合)、hero、ambush などを引いてみてください。しっかりと2つ目の音節に第3アクセント符号がついています。最初の「凡例」のXIページにこの辞典が第3アクセントまでを示している(つまり、アクセントの表記に4段階区分方式を採っている)ことを説明しています。 (2)世界的に著名な英語発音辞典であるJ.C. Wells ”Longman Pronunciation Dictionary”は以前は4段階区分での表記をしていましたが、手元の3版では3段階区分に改められています。ただし、Stressの項(p.783)を引くと次のように補足しています。 We regard as unstressed the STRONG-vowelled syllables at the end of words…(以下略) 具体例としてhesitateとacornを挙げ、それぞれ語頭の音節に第1強勢の符号を置き、語末の音節には強勢符号は置いていません。 上の補足英文でregardという動詞を用いていることで、氏の発音辞典は語末の「強母音」に(音声の実態としての判断はさておき、学習者への配慮からでしょうか2段階区分を採用したことから)強勢は「ナシ」と「みなす」というニュアンスを醸し出していることがお分かりだと思います。裏から言えばこの補足は、語末の「強母音」には音声実態として幾分かの強勢が「ある」ということの表明です。 以上です。
- fwkk8769
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結論から言えば、この問題は一般的な高校生にとっては易しいものとは言えないと思いますが、必ずしも不適切な問題だとも言えないように思います。 (文章がやや長いので、2回に分けます。次の回答欄に続きます) 最初にお断りしておきますが、format の a に強勢(アクセント)があるのかないのかはとりあえず横におくことにします。(この点は後に(3)で触れます。) (1) 英語の母音の分類の1つの大きな基準に「強母音」と「弱母音」の区別があるのはご存知のとおりですが、センター試験はいわゆる文強勢問題をやめたのと同時期から同じ綴り字に強母音と弱母音の2通りの発音があるようなものを取り上げて、その区別を問うような問題を出し始めました。 例えば、2009年センター試験(筆記)の大問1Aの問1には綴り字orの音を問う次の問題が出ました。 (1)absorb (2)comfort (3)formal (4)newborn (答えは(2)です) (2)のorの綴り字の部分は「弱母音」で、他の3つはすべて「強母音」です。ただし、(2)のorの部分は「弱母音」で弱強勢(アクセントなし)であるのに対して、他の語のorの部分は全て「強母音」で全て第1強勢(第1アクセント)を有しており(ただし、(4)newbornではorの部分は「強母音」ではあるが、用いられる環境次第では第2強勢(第2アクセント)になる)、対立がはっきりしていたので当時余り大きな話題にはなりませんでした。 一方、今回は (1)format (2)instance (3)manage(最初のaに下線) (4)passive であって、綴り字aの音を問うたわけです。この綴り字aにはいくつかの発音の仕方があるわけですが、ここでは(1)formatのaの部分が実際にはいわゆる「アとエの中間の音」か、それともいわゆる「シュワー」かのどちらで発音するかをポイントにして問題作成者は問いかけている問題と解釈できます。確認しておきますが、「アとエの中間の音」は「強母音」であり、他方「シュワー」は「弱母音」です。 この問題は今回出された(1)formatのように 「第1強勢(第1アクセント)のある音節」+「母音を含む音節」 という2つの音節からなる単語の場合に、 語末の(2つ目の、あるいは右の)音節の母音が ○「強母音」 ●「弱母音」 のどちらであるかの区別を意識せよ、というメッセージを問題作成者が込めていると解釈できます。 (2) 不適切とも言えないように思える根拠ですが、日本人の英語をリスニングしていて上に挙げたこのような2音節からなる語が英語らしく響くか響かないかの1つの差がここにあるような気が私は以前からしています。 今目の前にある今日の英字新聞のあるページにちょっと目を通しただけでも、件のパターンの語、 radar、adult(名詞、第1音節に第1強勢があるタイプの発音の場合)、hero、ambush が出てきます。このように、2音節からなる語で 「第1強勢(第1アクセント)のある音節」+「強母音を含む音節」 のパターンをなすものは意外と多くあるものです。これを英語らしく、語末の(2つ目の、あるいは右の)音節の母音を強く、強勢を置いて、音のカタマリの2つ目の単位にビートをとってしっかりと発音することは大切なことだと思います。2つ目の音節を弱く曖昧に、軽く発音したのでは、その部分は前の「核」強勢に尾っぽのようにくっついてしまい、2つの音節でありながら大きく1つのビートにのっかってで発音されているように聞こえてしまうからです。 ただ、もちろん一般的な高校生にとってはやはりやや難易度の高い、やや高度な問題だと思います。 (→ 次の回答欄に続きます)
- SPS700
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#2です。お詫びと訂正です。 1。お詫び 回答を出した時点で、「センター試験」の理解が十分ではありませんでした。そのあと新聞記事などが急に増えて、その実態が入試に変るものらしいと分かりかけてきました。 2。訂正 その結果、私の回答で申し上げた趣旨は同じですが、出題の「不適切」さが、さらに大きな意味を持つ、と思います。こう言った場所での出題傾向が中学高校、塾などでの英語教育に与える大きな影響を考えると、もっと大切なことに重点を置くべきだと思います。 なお質問者さんの該博な知識と、懇切で組織立った御説明には、日頃から感服しております。
No.3 です。^^ > 発音記号が同じというだけで,アクセントの有無になく同じでいいのか,という点を無視しておられます。 無視したつもりは毛頭ありませんよ。^^; いつものことながら、言葉足らずで申し訳ありませんでした。 『発音問題とは、『如何に発音するか』 を理解しているか。。。を問う問題である以上、同じ発音の仕方である単語であれば、聞こえる音がどうであれ同じ仲間として認識するのが正しいと思います。』 。。。と書きました。 これは、仰るとおり、 > 妥当ということはアクセントの有無は関係ない, 。。。という意味で書きました。 あくまでも 『発音問題』 なのですから、『如何に発音するか(舌の位置や口の形など)』 が問題である以上、アクセントがあるかないかは関係ないのではないでしょうか。 > このような問題が大学の入試問題で出ているのを見たことはありません。 > ましてや,センター試験で出されるというのは信義則からも,発音の実際からも許されないと思います。 > こんなことはたとえ試験問題とはいえ,受験生が知る必要はないことです。 > 出してはいけないし,普通の出題者なら出しません。 > > センター試験は普通の高校生で解けるレベルの問題という意向で作られていますので,無茶な語彙の問題は出ません。 > ましてや,発音問題に ostrich のような語を出すのは明らかに妥当性を欠きます。 ん~。。。『どのようにお考えになりますか』 と聞かれたので、私の意見を言っただけなのですが。。。^^; “みなさん” の意見を聞きたかったのではなく、ご自身のご意見を “みなさん” に理解してもらいたいためのご質問だったのでしょうか? 確かにご質問で取り上げられているような単語(couch、format、ostrich)は、高校卒業レベルにしては高いレベルの単語だと思います。 教科書に出て来ない単語なんですからね。 他の方も仰っていらっしゃるように、こんな試験を受けさせられている受験生たちが可哀想だな。。。と、私も思います。 ご意向に沿わない回答で申し訳ありませんでした。
まず最初に、私も発音問題自体、要らないと思う派です。 それが解けるからといって、きちんとした発音が身についているとは限りませんし、また、きちんとした発音ができるからと言って、その問題が解けるわけでもないんですよね。 実際に私が教えた高校生で、彼女自身の発音は問題ないのに、発音問題が全くダメな子がいました。 彼女自身、自分がどのように発音しているのか、客観的に意識して考えることができなかったためだと思います。 自分がどう発音するかなんて会話にも必要のないことですし、勿論、読み書きには全く関係のないことで。。。 本当に無意味な問題だと思います。 スミマセン、いきなり脱線していました。^^; > 不適切な問題のように思いますが,みなさんはどのようにお考えになりますか。 今回のこの問題に限って適切であるか否かということで回答すると、私は適切であると思います。 。。。というのは、 > しかし,format の a にもアクセントはありません。 > アクセントがないと通常,あいまい母音になるのですが,一部例外的にアとエの中間の音になる場合があります。 > この format もその一つです。 ここがこの問題のポイントだと思うからです。 これを知っているかどうか、“format” という単語が、例外であるということを知っているかどうかを問うている問題であると思うからです。 ただ、 > ここで,単に発音記号が同じだからと言って,同じ発音だとしていいものでしょうか。 ここがwind-sky-windさんのポイントなんですよね。 アクセントのある母音とない母音を比較できるのか。。。ですね。 No.1さんへの “お礼” を読んで思ったのですが、発音問題とリスニング問題は一緒にはできないですよ。 発音問題とは、『如何に発音するか』 が問題であるので、リスニングとは全く異なります。 アクセントがあるかないかで音は変わりますが、それはリスニングの問題ですよね。 でも、発音の仕方は全く同じであるので、発音記号も同じになっています。 発音問題とは、『如何に発音するか』 を理解しているか。。。を問う問題である以上、同じ発音の仕方である単語であれば、聞こえる音がどうであれ同じ仲間として認識するのが正しいと思います。 > 今の学生にはあまりなじみのない単語も見受けられました。 > これも含めて不適切な問題のように思いますが, そもそも、テストに出すのに、受験生がその単語に馴染みがあるかないかなんて、考えないんじゃないでしょうか? 如何に足を切るか。。。がポイントなんですよね、この手の試験は。。。 何を知っているのかをテストするのではなく、何を知らないのかをテストする。。。と言いますか。。。 というわけで、私の意見は、 『発音問題自体が不適切であると思う。 。。。が、出題される以上、今回の問題は適切であると思う。』 です。
- SPS700
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>>これも含めて不適切な問題のように思いますが,みなさんはどのようにお考えになりますか。 僕は「極めて」不適切だと思います。結果として、この試験に通った、あるいは落ちた、意味を失わせることになります。 日本の試験結果が、英語圏で認められないのは、こういう問題が出され、学生はその試験勉強に時間と、お金と、エネルギ-を無駄遣いするためだと思います。
お礼
ご回答ありがとうございます。 日本の試験はおっしゃるような批判を受けることが多いのは事実です。 ただ,センター試験に関しては最近そういう悪問は少なくなり, 発音問題も妥当なものばかりだったのですが,今年はどうしたことかと思い質問しました。 問題を作る側の暗黙の了解というか,モラルとして,(現実には批判を受けないように) アクセントのない母音は出さない 地域によって音が異なり,正解が変わってしまうような問題は出さない というのが,私などは勝ってに決めているのですが, 今年から出題者が変わったのか,守られていません。 couch はギリギリ許容ないですが,どうも「コゥチ」と読ませるひっかけで安易に出したような。 カウチポテトは今の若者には死語のようです。 ostrich は日常語といえばそうかもしれませんが,受験勉強ではほぼ扱わない語です。 これも「オーストリッチ」というカタカナで知っている若者はいません。 format もパソコンとか AV 機器に関する用語として知っている若者は少ないです。 それ以上に,アクセントのないア・エの中間音というのがよくない,というのは質問にある通りです。
- pw2010
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不勉強の上私見で恐縮ですが、現在のような形式の発音問題自体がいらないと思います 明らかに違う発音 例えばvagueをバギューとか こういう問題を問うのなら良いですが 英語のグローバル化で各国それぞれの英語が形成されている時代で、こんな仔細な問題は日本という歴史的に見て英語を必要としない(必要とせずに済んだ)環境で育つ高校生が、英語を実際に使用す時のマイナスな気持ちにこそすれプラスにはならないと思います 発音は使っていくうちにマスターすればよいものではないでしょうか? この手の問題を解いて発音が良くなる高校生が居るとは思えません。 今後必要とされるのは、ネイティブの発音でなくても当たり前に自分の意思を伝えていく事ではないでしょうか?
お礼
ご回答ありがとうございます。 センター試験でリスニングが課されるようになった時に,こういった発音問題はなくなるという多くの予備校の予想を裏切っていまだに出題され続けています。 確かにこういう問題で発音がよくなるわけではありませんが,そういってしまうと入試問題の多くが,中学・高校で習っている英語の多くが該当することになっていしまいます。 vague manage passive capture この中で vague の -a- だけ違う。 こういう問題もよく出ています。
お礼
ご回答ありがとうございます。 リスニングと発音問題が違うのはその通りです。 リスニングが出ることにより,発音問題がなくなると予測したのは予備校であり,私ではありません。 予備校の予想を裏切ったと事実を書いただけです。(当時,大手予備校にいたからよく知っています) あと,私の根本の疑問,発音記号が同じというだけで,アクセントの有無になく同じでいいのか,という点を無視しておられます。 妥当ということはアクセントの有無は関係ない,ということでよろしいでしょうか。 format の -a- がアクセントはないけど,map, cap などと同じく,アとエの中間音。 このような問題が大学の入試問題で出ているのを見たことはありません。 ましてや,センター試験で出されるというのは信義則からも,発音の実際からも許されないと思います。 こんなことはたとえ試験問題とはいえ,受験生が知る必要はないことです。 出してはいけないし,普通の出題者なら出しません。 センター試験は普通の高校生で解けるレベルの問題という意向で作られていますので,無茶な語彙の問題は出ません。 ましてや,発音問題に ostrich のような語を出すのは明らかに妥当性を欠きます。