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資本移動のグローバル化による世界的インフレについて
資本のグローバル化につれて進行してきた世界的なインフレーションの背景にあるものについて教えていただけないでしょうか? どうかお願いします。
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資本のグローバル化が、即座に世界的なインフレにつながるというものではありませんが、その逆の経済規模の大きな国で発生したインフレが、グローバル化で、世界に拡大する傾向が生まれています。 (論理学:逆は必ずしも真ならず。) 資本のグローバル化とは、資金が世界中を自由に動き回ることですから、ある国で起こったインフレ(=商品に対して資金が過剰)は、薄まりながらも他国に波及します。デフレが起こった場合も同様に世界に波及します。 一般論としては、上記のようになります。具体論として、現在の世界的なインフレの流れは、 1、アメリカ発の世界バブル経済の後始末 2、中国・インドをはじめとする人口の多いアジア諸国の経済成長による消費拡大 の複合作用です。 1、について クリントン政権時代の好景気(ソ連崩壊による長期的軍事費負担の減少によって、社会資本が充実した。)によって、アメリカ経済は堅調に推移し、国債もほとんど償還し、健全財政となっていたところに、ブッシュ政権がイラク・アフガニスタンへの出兵・テロ対策に巨額の支出を続けたため、アメリカ経済が過熱化し、バブル経済となった。 このアメリカバブル経済は、資本のグローバル化によって、世界バブルとなった。 アメリカでバブル崩壊が始まり、リーマンショックなどが起き、バブル分の経済がそのまま縮小すると、企業の倒産が多発し世界恐慌が起こってしまうので、アメリカ・ヨーロッパなどの主要国は、多額の赤字国債を発行し、財政支出を増やして国内需要を水増しし、金融面では通貨供給を増やして、政策的に「バブル経済」を作り出し、バブル経済の縮小を食い止めました。 2、について 世界バブルを機に、アジアの巨大な労働力を抱えた国の経済が成長して、経済レベルが向上し、国内消費も活性化して、大量消費社会に突入し、多量の資源を消費するようになり、原材料・基礎的食物・肥料の価格が急上昇した。(現在も上昇中) 注:軍事費の短期的増加は、消費の上積み効果が表れ、経済に対して刺激として働く。限られた国家予算内での軍事費の長期的増加は、社会資本投資の減少を伴い、経済を冷却する方向に働く。 <付録> 日本は、アメリカ発の世界バブル期において、既に財政出動・金融緩和をしつくした経済刺激状態から、平時に戻そうとしていた矢先であったので、欧米先進国のような手が打てない状態であったため、世界主要各国で資金が供給され政策的に「インフレ状態」が作りだされる中、『インフレ状態』にできない財政・金融体質であったため、資金が世界的にほぼ自由に移動する今の経済システムの中で、日本経済だけは、相対的にデフレ傾向が強くなっている。 尚、インフレ状態にできるという人もいるが、このような状況でインフレ政策に舵を切った実例が過去にはない。金融担当の日銀は、そのような手を打つのは、極めて危険と判断している模様である。 4%のインフレ⇒金利は4%へ 国債900兆円の金利は、36兆円=現在の税収全額に匹敵 ⇒インフレ・大増税を組み合わせないと、国家財政・日本経済が大混乱に陥る。