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ビル・ゲイツさんはなぜ嫌われる?

nightowlの回答

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回答No.15

tomopppi さん、こんにちは。丁寧なお礼をありがとうございます。 補足されていたんですね。それではわかる限りでご説明いたします。 >Linuxについては私、全くの無知なのですが、 >「中身を誰もが変更可能な、フリーのOS」 と考えていいのでしょうか(それとも全くの見当違い(^^; )? ご安心下さい、その通りです。 ただし、Linux のカーネル(OS の中心核)や重要な部分を占める GNU ソフトウェアは 「GNU 一般公衆利用許諾契約書(GNU General Public License, GNU GPL)」という フリーソフトウェアの流通を促すためのライセンスで保護されています。 http://www.opensource.jp/gpl/gpl.ja.html GPL ソフトウェアを変更したものを再配布するときには、 変更した部分に加え元のソースコード、そしてこの「GNU 一般公衆利用許諾契約書」に 自分の名前を明記して一緒に配布しなければなりません。 *「GNU」とは、高品質なフリーソフトウェアを世に広めるため 活動している凄腕プログラマ(ハッカー)集団。 もともとはフリーな UNIX 互換 OS 環境を独自に開発するのが目的であったが、 Linux が普及してからはこの Linux を一応のプラットフォームに定め、 その上で自らのプログラムを普及させることに注力している。 そのリーダーはハッカーの最左翼、リチャード・ストールマン(Richard Stallman)。 http://www.gnu.org/home.ja.html ちなみに、「GNU」の読み方は「グニュー」または「グヌー」。 「ヌー(ウシカモシカ)」ではありません^^ >中身がバラバラのOSが普及してしまうと、 >同じソフトがAさんのLinuxでは動くけど >BさんLinuxでは動かない… なんてことには >ならないのでしょうか? そうですね。でもそうなるのは共有(ランタイム)ライブラリまで 手を加えたなどの場合でしょう。 そこまで深くハック(*)できる人はそれほど多くはありませんから。 *ハック(hack)=他人のコンピュータに侵入して悪さをすること…ではなく! コンピュータと OS に対する並々ならぬ知識と愛着に基づき、 自分の思い通りに動くようにプログラムを書き換えたり修正したりすること。 http://www.linux.or.jp/JF/JFdocs/hacker-2.html 同様に、コンピュータに不正侵入する輩のことは「ハッカー」ではなく、 正しくは「クラッカー(cracker=金庫破り)」と言う。 「ハッカー」とは「コンピュータ(プログラミング)の達人」の意の敬称。 両者の違いについては以下の質問など参照のこと。 http://oshiete1.goo.ne.jp/kotaeru.php3?q=478140 しかしながら、別の面でご懸念は現実のものとなっています。 Linux には 流通者・販売元(ディストリビュータ。企業も個人もある)により Red Hat や Turbolinux, Vine, Debian, Gentoo, Mandrake などなど、 国内・国外を問わず、日本語が使えるものやら使えないものやら それこそ無数の種類があります。 http://www.distrowatch.com/index.php この種類のことを「ディストリビューション(配布)」と呼びますが、 不幸なことに特定のディストリビューション用に開発されたソフトは それ以外では動かない、という事態がまま起こります。 さすがにこれでは都合が悪すぎるので、Linux Standard Base という Linux が備えるべき最低限の統一機能を規定する標準仕様が提案されていますし、 また Caldera, Connectiva, SuSE, Turbolinux の各企業は 自ら開発したアプリケーションをスムーズに載せられるように United Linux という統一 Linux の開発に従事しています。 http://www.zdnet.co.jp/dict/os/kind/unix/kind/linux/00387.html http://www.atmarkit.co.jp/news/200306/27/ul.html >あえてOS標準化のメリットを探すとすれば、 >OS上で動くソフトの開発・販売のしやすさが有ると思うのですが… おっしゃる通りだと思います。 Sun Microsystems の James Gosling(ジェイムズ・ゴスリン)らが開発した Java が、単なる言語にとどまらず OS の垣根を越えた 標準プラットフォームとしてまさにこの目標を達成する…はずでした。 Java VM(Virtual Machine, 仮想マシン)をインストールできれば、 それを一種の OS として Java アプリが走り、 Java 対応ブラウザがあればネットワーク経由でも 自在に Java アプリにアクセスできる…これが Sun の描いた夢の未来像でした。 ところが、MS は Java にも独自の改変(改悪)を加えて Windows でしか動かないものにし、ソフト会社の囲い込みと Java 陣営の足並み崩しを画策したのですね。 まあ、これはビジネスのやり方として常套手段と言えるものですが、 いったん事実上の標準(デファクト・スタンダード)に決まったものは 遵守しようではないかという現在の趨勢からは逸脱しています。 (「それでは Windows そのものはどうなのだ? デファクト・スタンダードではないのか?」と言われるかもしれませんが、 Windows は標準の名には値しないと私などは考えます)。 ソフト会社が Java に全力を注げば、Java の潜在力をもってすれば その目標を達成できることは間違いありません。 ただ、Java とて万能の打ち出の小槌ではありません。 ・「Write Once, Run Anywhere(一度書けばどこででも動く)」という お題目の源泉である Java VM の上でバイトコードプログラムを走らせるのは、 各プラットフォーム専用に書かれた C/C++ プログラムを直接実行する時より パフォーマンス(速度)の点で劣る ・コンパイル済みのバイトコードを逆アセンブルすればソースコードが見えてしまう こうした弱点があるので、ソフト会社は Java に 全面移行することには及び腰になっているのです。 また、Java 陣営の内部も一枚岩とは程遠いものでした。 特に Linux, FreeBSD といったフリーな UNIX において混乱は顕著です。 Sun 謹製の OS、Solaris(ソラリス)には当然純正 Java が載っていますが、 Linux の Java は Blackdown(ブラックダウン)という 有志のプログラマチームが移植したものです。 ところが、Sun が Blackdown から Linux Java を貰い受けてリリースしたとき、 Sun は Blackdown の献身的な働きには(わざと)言及せず、 あたかも独力で移植したかのような印象を世間に与えました。 この Sun の無礼に怒った Blackdown のリーダーは 移植プロジェクトから降りると言い出しました。 慌てて Sun は謝罪を行ったものの、 両者のぎくしゃくした関係は後々まで尾を引きます。 FreeBSD への Java 移植はまた別のプロジェクトによるもので、 Linux よりさらに出遅れました。 企業がディストリビューションの差異があるにもかかわらず FreeBSD より Linux を選ぶ傾向にあるのは、 Java の面で Linux が一歩も二歩も先行していたという理由もあったでしょう。 さて、OS がばらばらであることには上記のような問題もありますが、 積極的な意義もまた見出せます。それをこれから考察してみましょう。 つい最近猛威を振るった W32.Blaster.Worm は Windows 2K 系を ターゲットにしたものでした。世界のコンピュータ(特にサーバ)が すべて Windows XP や NT で動いていたら、ネットワークの秩序は 完膚なきまでに破壊されてしまっていたことでしょう。 ところが、実際にはそうはならなかった。このワームはUNIX 系 OS や Macintosh はもちろん、Windows でも98 と ME には影響を与えなかったからです。 同じウィルスやワームに接触しても、OS の種類によって 被害を受けるものと受けないものがある。 モノカルチャー経済(*)が異常気象や病害虫に極端に弱いのと同じく、 単一種の OS が世界を席巻することは、ネットワークの脆弱化を招きかねません。 地球上の生物が太古より追求してきた「種の多様性」が、 コンピュータとネットワークの強靭さを増すのにも貢献しているのです。 *モノカルチャー経済=一国の経済がある特定の一次産品の 生産や輸出に依存している経済状況 一次産品が不作だとその国の経済は壊滅する。 1845年、アイルランドの国民食だったじゃがいもがカビに冒されたために 多数の餓死者を出し、アメリカへの移民を促す結果となったのはその一例。 今はまさに OS の三国時代。 「Microsoft Windows/Apple Macintosh/UNIX・Linux 陣営」による 「天下三分の計」こそが、混沌としたコンピュータ界に 一応の安定をもたらすことができるのです。 (注:Mac OS X は技術的には BSD をベースにした UNIX 系 OS ですが、 ビジネス面では UNIX 陣営には含めないことになっています) >以前ソフトの抱き合わせが問題になったことがありましたが、 >談合や贈賄、あるいは政治家とつるんで利を上げる商法と比べれば、 >その非は微々たるものではないでしょうか。 MS はもっと上手を行っています。MS の独禁法(反トラスト法)違反を 指摘した司法当局にさえ平気で歯向かうのですから。 「1件2万円のサポート電話代(しかも問題解決には何ら役に立たない)」 など、日本法人(MSKK)のがめつさを示す逸話も枚挙に暇がありません。 開口一番、クレジットカード番号を聞き出そうというのだから恐れ入ります。 最後に、MS-DOS や Windows 3.1 の頃から 技術的にはタコだのヘボだのけちょんけちょんにけなされてきながらも、 それをものともせずにここまで息の長い活動を続けてきた MS には、 個人的には敬意を表するにやぶさかではありません。 Linux と並んで Windows XP も便利に使わせていただいています。 いや、ほんとに。 また、Sun や IBM、あるいはそれに取って代わる大企業が 今の MS と同じことを行ったとしたら(実際、IBM などは サブマリン特許問題などかなりあくどいことをやってきています)、 やはり MS 同様の激しい非難を浴びることは当然です。 が、ここまで怨嗟の声が渦巻くのは やはりゲイツ氏のお人柄のゆえなのでしょうか。 ……どうもお疲れ様でした。 また聞きしたにすぎないことを羅列してしまいまして。 私自身はハッカーでも何でもなく、職業プログラマですらありません。 ただ外国語を扱う必要があるので、多国語化(多言語化)エディタの Mule(ミュール)やEmacs(イーマックス)が使えるUNIX/Linux に憧れて 入った口です(見かけはこんな感じです↓)。 http://www.jazzdisco.org/bsdi/software/intlfonts/ 以上、お暇なときにでもゆっくりとお読みくだされば幸いです。 長文失礼いたしました。

参考URL:
http://www.asahi-net.or.jp/~ki4s-nkmr/msisdirty.html
tomopppi
質問者

お礼

nightowl様 度重なるご教示、ならびに本旨から外れてしまった私の愚問にまでご丁寧にご回答頂き、誠にありがとうございます。 また、詳細にわたるご教授、感激いたしました。 Linuxの件につきましては、まるっきり私の認識が外れていたという訳では無いようでしたので、 まずは安心いたしました。恐らくはnightowl様が私を傷つけないようにお気を使って頂いたのでしょう。 Linuxについて知識を頂いて、この素人にもなんとなくLinuxの概念的な物がぼんやりとですが解ったような気がいたします。加えまして、マ社の所行を知るにつけ、いっそうLinuxに興味が湧いてまいりました。 複数のOSの存在意義以下の部分につきましても、非常に感銘を受けました。 なるほど、クローン生物(食物)のはらむリスクにも通ずるお話しですね。 後半のマ社に対する痛快なご批評、大変楽しく(?)読ませて頂きました。nightowl様のマ社に対する想いが文面からにじみ出ており、なんだか私もすっかり感化されつつあります。 nightowl様のご回答履歴、拝見させて頂きましたが、いや、世の中にはとんでもない博識な方がいらっしゃるものです…。感服いたしました。 nightowl様のような方に出会え、善意で物事を教えて頂ける。やはりコンピュータ・Webというのは素晴らしいものだと再認識いたしました。 この世界を創り出した者の中に、巨富を手にした者もあれば、その偉業を正当に評価されずに、今や人々の記憶からも消えつつある者もいる。 nightowl様始め、ご回答者皆様のおかげで、マ社の問題点と共に、もっと大きな物を知り得たような気がいたします。 ご回答頂いた皆様、誠にありがとうございました。

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