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有機薬化学の問題です。
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- CQD001
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添付画像に示すような合成ルートが考えられると思います。 合成の第一段階はベンゼンの臭素化によってp-ジブロモベンゼンを得ます。m-ジブロモベンゼンやo-ジブロモベンゼンといった副生物が多数生じると考えられますが、反応条件次第で、ある程度選択的にp-ジブロモベンゼンが得られると思います。 第二段階はp-ジブロモベンゼンとアクリル酸エチルをHeck反応で結合させるものです。使用する触媒がPd(OAc)2で良いかどうか、使用するホスフィンとしてP(o-Tol)3が適切かどうかは実験してみないと判りませんが、条件検討次第で上手く行くと思います。 第三段階はエチルエステルを加水分解してカルボン酸に変換します。第二段階のHeck反応の時にアクリル酸を使用できるなら、この工程は不要です。 第四段階は塩化チオニルによってカルボン酸を酸クロリドに変換するものです。この工程は上手く行かないかも知れません。目的物である酸クロリドを生成せず、分子内縮合を起こして、酸無水物1になる可能性も大いにあります。 第五段階はFriedel-Craftアシル化です。この工程も上手く行かないかも知れません。Friedel-Craftアシル化によってアシル基が1つ導入されると、ベンゼン環がCriedel-Craft反応に不活性化されるため、2つ目のアシル基の導入が難しいかも知れませんね。 第六段階はBaeyer-Villiger酸化によって最終目的物を得るものです。試薬としてMCPBAが良いかどうかは実験してみないと判りません。また、この工程も上手く行かないかもしれません。アルケンのエポキシ化が優先して起こる可能性がありますので。 以上のとおり、上手く行くかどうか判らない点が幾つもありますので、添付画像の合成ルートで本当に上手く行くかどうかは全く保障できません。あくまで参考程度に捕らえて下さい。