古典について教えてください。源氏物語 若紫
本文
尼君、髪をかきなでつつ、尼君『けづることをうるさがり給へど、をかしの(1)御髪や。いとはかなうものし給ふこそ、あはれにうしろめたけれ。
(2)かばかりになれば、いとかからぬ人もあるものを。
故姫君は、十ばかりにて殿におくれ給ひしほど、いみじうものは思ひ知り給へりしぞかし。
ただ今おのれ見捨て奉らば、いかで世におはせむとすらむ。』とて、(3)いみじく泣くを見給ふも、すずろに悲し。
幼心地にも、さすがにうちまもりて、伏し目になりてうつぶしたるに、こぼれかかりたる髪、つやつやと(4)めでたう見ゆ。
A(5)生ひ立たむありかも知らぬ
若草をおくらす露ぞ消えむそらなき
B初草の生ひゆく末も知らぬ間に
いかでか露の消えむとすらむ
と聞こゆるほどに、僧都あなたより来て、僧都『こなたはあらはにや侍らむ。今日しも端におはしましけるかな。この上の聖の方に、源氏の中将のわらは病みまじなひに(6)ものし給ひけるを、ただ今なむ(7)聞きつけ侍る。いまじう忍び給ひければ、知り侍らながら御とぶらひにもまうでざりける。』とのたまへば、尼君『あないみじや。いとあやしきさまを人や見つらむ。』とて、簾下ろしつ
またゐたる大人、げにとうち泣きて、
1、
(5)の『生ひたたむありか』という言葉は、Bの歌ではどのような表現に言い換えられているか。
Bの歌から抜き出してください。
2、
A、Bの歌にある『露』が『消え』るとは、どのようなことを意味するか。当てはまるものを1つ選んでください。
1、少女が幼くふるまうこと
2、尼が小言をいうこと
3、少女が涙を流すこと
4、尼が死んでしまうこと