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メトロと都営の地下鉄一元化できる?

メトロと都営の地下鉄一元化できる?  「東京メトロと都営地下鉄の?経営一元化?が持ち上がっているようですが、いつ実現するのですか。利用者側からすれば、料金やサービス面でメリットが大きいと思いますが、難航している理由は何ですか」=東京都千代田区の女性会社員(30)

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  • SANKEI1
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回答No.1

 ■シャッターだけは?一元化?  7月24日早朝。メトロと都営の双方が乗り入れる浅草駅(台東区)と日本橋駅(中央区)で、連絡通路のシャッターが初めて、始発時間帯から開放された。当たり前のことのようだが、都担当者は「1年前までメトロから『どうにもならない』と一蹴(いっしゅう)されていた」とため息を漏らす。  「(シャッター)扉だけは一元化したわけだな」。経営一元化が持論の石原慎太郎知事はこう皮肉る。  両駅とも、都営とメトロを結ぶ連絡通路の管理はメトロが担当。始発時間のズレを理由に、メトロは始発時間帯、連絡通路のシャッターを閉鎖したままだった。そのため、浅草駅発の一番電車として午前5時3分に到着する都営浅草線の乗客が、メトロ銀座線に乗り換えるには、最短で徒歩1分の距離をいったん地上に出て、5分以上かけて移動することを余儀なくされていた。日本橋駅でも同様の光景がみられた。都担当者は「乗客から『なぜ開けないのか』という苦情もあった」と話す。  石原知事は「(メトロの株主総会で)猪瀬直樹副知事が指摘しなければ是正されなかった。国の事業はみんなこんなんだ。サービスが悪くて…」とぼやいた。  利用者の利便性向上に向け、一元化の課題などを話し合う国と都の初協議が今月3日、都側の要請を受けて国土交通省で開かれた。  メトロ株は、国が53・4%、都が46・6%を保有しており、一元化には国の合意が不可欠。6月29日のメトロの株主総会で、猪瀬副知事がシャッター開扉問題の解消を求めた上で、国に協議開催を要請していた。  猪瀬副知事は株主総会前に九段下駅(千代田区)を視察。メトロ半蔵門線と都営新宿線が乗り入れる同駅は、1つのホームを両社が共有する。ところがホームを壁で分断し開業以来20年以上、互いに行き来できない?不便のシンボル?だ。  初協議後、猪瀬副知事は「メトロは都の税金も投入された公共的存在。利用者サービスを考えないのは矛盾している。年内に(中間報告など)形に持っていきたい」と話した。  ■メトロにメリットなし?  都が一元化を急ぐ理由は、メトロの株式の早期上場が法的に決まっているためだ。メトロは平成16年、特殊法人営団地下鉄を廃して誕生。完全民営化に向けた国と都の所有株式の早期売却も決まった。  だが、都には株の上場により、企業利益を優先する株主の反対で一元化が困難となるとの思惑がある。  都幹部は「上場の期限は定められておらず、都が首を縦に振らない限り上場できない。だが国は民主党政権になり支出は増える一方。総額数千億円になる株を早く売りたがっている」と危機感をにじませる。  メトロにとっては一元化で、都営の約1兆1500億円(20年度)もの長期債務を抱えるデメリットもある。20年度の利益はメトロ680億円に対し、都営140億円。都幹部は「貧乏人が金持ちに財布を一緒にしようと持ちかけているようなもの」とたとえる。  一方、都営にとっても一元化がプラスに働くとは言い切れない。現在の料金体系はメトロの方が安く、一元化すれば都営側が値下げをすることになる。また、公務員である都営職員の身分の扱いも障害だ。  都幹部は「メトロの本音は『自分の財布で都営を救うなんてありえない』というもの。協議が始まってもこれらの課題には解決の糸口さえ見えない」と指摘。その上で、「国も『一元化による乗客サービスの向上』という都の言い分を表だって否定できないジレンマがある」と話す。  石原知事は「国が(メトロの)株を売るなら都が買う。国は財政不足かもしれないが、都は余裕がある」と繰り返す。一方、国交省幹部は「都との隔たりは大きい。都側の目的が完全経営統合にあるなら協議が長引く」と予想した。  猪瀬副知事は初協議後、「経営統合まで持っていきたい。今を逃したらチャンスはない」と意気込んだ。だが、しばらくは「会議は踊る、されど進まず」といった状態が続くとみられる。(宮原啓彰)      ◇  「社会部オンデマンド」の窓口は、MSN相談箱(http://questionbox.jp.msn.com/)内に設けられた「産経新聞『社会部オンデマンド』」▽社会部Eメール news@sankei.co.jp▽社会部FAX 03・3275・8750。

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