経済学者が使う「アネクドータル」とはけなし言葉?
最近もっぱら「科学的証拠」、つまり「エビデンス」をとても大切にする経済学ですが、おそらくそこには統計学という科学に基づく計量経済学や数学に裏打ちされた数理モデルに実証された証拠にのみ価値を置く姿勢が感じられます。
一方で最近、経済学者の講演や論文ではしばしば「~~といったアネクドータルな説明があるが、…」という表現を耳に、目にします。だいたいアネクドータルとされる対象は、経済学以外の分野で行なわれた非定量的なケーススタディ(e.g., :経営学)や、文化人類学の観察による定性的な観察事例、分類学的色彩の濃い社会学的な研究の結果に対して向けられている気がします。
辞書を引くと「逸話、寓話に基づく」という意味と「考証に基づかない証拠」とありました。2つめの意味はまさに「nonscientific evidence」ということになります。
経済学者が、計量経済学的分析や何かしらの最適化問題を解くというような理論モデルの手続きを経ない、社会学や人類学などの研究成果やケーススタディを「アネクドータル」と形容するとき、それはけなし言葉としての性格を持っているのでしょうか?
つい昔まで「経済学帝国主義」という言葉を耳にしました。今では、他分野を「アネクドータル」と形容することで、この動きは依然として続いているのでしょうか?
お礼
早速、見てきました。こんなページがあるなんて知りませんでした。ありがとうございます。