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平面応力状態で応力はゼロ、ひずみはゼロでない理由
平面応力状態についてお尋ねします。 この状態が、薄い板の場合に当てはまって、σz=0を3次元のフックの式に代入することにより、εzはゼロではないことはわかります。 また、σz=0の理由として、z方向に薄い材料ではこの方向に応力を支持するものがないから、という説明も何となく理解できます。 しかし、では最初の話にもどって、なぜεzはゼロではないのでしょうか。 例えば、x方向のみに引張の外力を加えたとき、z方向のひずみはx、y方向の応力によって生じる、と式の上からは理解できますが、これはz方向に「ものがあるから」に他ならないのではないでしょうか。 そうなると、σz=0の理由と矛盾するように感じます。 応力は伝わらないのに、ひずみだけ伝わるというのが、直感的に理解できません。 こうなると、そもそも応力、ひずみとは何か?、という感じになり訳がわからなくなってしまっています。 どなたか直感的に理解ができる説明をお願い申し上げます。 なお、全ての軸に一定の荷重がかかっている場合に各軸方向の断面積の違いからσz=0という説明をされている過去の回答を見つけましたが、ここでは外力が一方向にしか掛かっていない3次元的な物体を考えることとします。
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- h191224
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何やら、「こうなると、そもそも応力、ひずみとは何か?、という感じ」という哲学的問答の世界にハマッっておられるようですが、そんな難しい話ではありません。 「x方向のみに引張の外力を加えたとき、z方向のひずみはx、y方向の応力によって生じる」が、誤った理解です。 正しくは、 「x方向のみに引張の外力を加えたとき、z方向のひずみはx、y方向に応力が存在しなくても生じる」 です。 3次元のフックの法則はご存知のようですが、垂直応力成分だけを取り上げれば、次のように表されます。 εx= σx/E-νσy/E-νσz/E εy=-νσx/E+ σy/E-νσz/E εz=-νσx/E-νσy/E+ σz/E 応力がx方向のみにしか発生せず、y、z方向の応力が0のとき、すなわち、 σx≠0、σy=σz=0 のとき、フックの法則から、 εx=σx/E, εy=εz=-νσx/E が得られます。要するに、 「y、z方向の応力がないのに、y、z方向のひずみは発生する」 という現象がわかります。 これがなぜか? 式からわかった、というのは、順序が逆です。 フックの法則は、現象を式で表したものです。 元々、現象として、 「x方向にのみ応力σxが存在するとき、 ひずみは x方向に、 εx=σx/E 発生するとともに、ポアソン比νの効果により、 y、z方向にも、x方向ひずみのν倍縮んで、 εy=εz=-νσx/E というひずみが現れる」 ということが知られていて、これを式で表したものがフックの法則なのです。材料力学の教科書には、どの本にも最初にこのことが書いてあります。 あたの疑問に対する直接の回答はこれです。 拡張版として、「外力が一方向にしか掛かっていない3次元的な物体を考え」た場合、この物体に穴がない場合には、x方向のみに一対の引張の外力を加えたとき、支配的な応力は基本的にx方向にしか発生しません。 要するに、σx≠0、σy=σz=0に近い世界になり、上述の現象がそのまま当てはまります。
お礼
早々のご回答ありがとうございます。 とても明確なご回答ですっきり理解できました。 負荷応力以外の方向にもひずみが発生している、 ということからy,zにも応力が発生しているように 勘違いしていました。 本当にありがとうございました。