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太宰治『人間失格』主人公ので純粋な奥さんは…
ghostbusterの回答
> 主人公に隠れて何度も情事を重ねたように これは全然ちがっています。 もう作品の根幹を揺るがすような大歪曲(こんな言葉はありませんが、いまわたしが作りました)で、そんなものに『人間失格』のタイトルをつけちゃいけません。そのマンガの原稿を書いた作者と出版社を訴えたいくらいです。 それまで親がかりか、女のヒモのような生活しかしたことのなかった主人公が、ヨシ子と初めて家庭を築きます。彼は漫画を書いて生活を支え、ふたりで映画を観たり、花を買ったりの新婚生活が始まる。絵に描いたような、主人公にとっては生涯唯一の、幸せな時期です。 そこに、主人公の仕事のために出入りする「画商」が、ヨシ子の信頼につけこんで、陵辱するのです。もちろんただ一度の「過ち」です。 主人公は「ひとを信頼じ疑わない」という人間の中で最も美しい資質をヨシ子のなかに見ている。けれどもその「信頼」という資質のために、画商に陵辱されることになったことで、二重の衝撃を受けるのです。 ひとつは、美しいものが汚されてしまった、という衝撃。 もうひとつは、「ひとを信頼する」ということが、人間の共同体の中ではどのような扱われ方をするか、目の当たりにしてしまった、という衝撃。 そこで、彼はもう人間の共同体の中では生きていけない、と感じて、そこから滑り落ちていってしまうのです。 話はちょっと変わるのですが、太宰治は『ヴィヨンの妻』のなかで、ほぼ同様の事件を、女性の側から描いています。語り手である主人公は、ヨシ子とよく似た経験をしてしまうのですが、こちらは驚くほど淡々とその事実を受けとめている。何があったって生きていればいいじゃない、と静かに、力強く、ダメな夫に告げるのです。 実は、これに相当する出来事を(「陵辱」という形ではありませんが)、作者自身が経験している。結局、それが元で、その妻とは別れることになるのですが、太宰自身はその経験に対して、ふたつの見方をしていたことがわかります。 あと、最初の心中相手、ツネ子が酔漢にからまれるというような描写はありません。 #3の方が言っておられるように、作品をお読みになるのが一番です。 どうかお時間のあるときに、できれば『ヴィヨンの妻』も合わせて、ぜひお読みください。 ちょっと前に必要があって、百回以上この作品を読んでます(笑)。だから「経験者」。 久しぶりにここをのぞいてみたらまだ正解が出ていない、靴の中に石が入ってるみたいに気になってしょうがないので回答しました。
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