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太宰治『人間失格』主人公ので純粋な奥さんは…

レイプされて、主人公は助けずにそれを見ていたのだったと 記憶していたのですが、今日『名作を漫画で読もう』という漫画で人間失格を読んだら 主人公に隠れて何度も情事を重ねたように 書いてありました。上記のタイトルなので脚色はないと思うのですが 実際はいかがでしたでしょうか? 本を読んだのが中学の時で記憶があやふやです。 どうかご教示ください

質問者が選んだベストアンサー

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回答No.4

> 主人公に隠れて何度も情事を重ねたように これは全然ちがっています。 もう作品の根幹を揺るがすような大歪曲(こんな言葉はありませんが、いまわたしが作りました)で、そんなものに『人間失格』のタイトルをつけちゃいけません。そのマンガの原稿を書いた作者と出版社を訴えたいくらいです。 それまで親がかりか、女のヒモのような生活しかしたことのなかった主人公が、ヨシ子と初めて家庭を築きます。彼は漫画を書いて生活を支え、ふたりで映画を観たり、花を買ったりの新婚生活が始まる。絵に描いたような、主人公にとっては生涯唯一の、幸せな時期です。 そこに、主人公の仕事のために出入りする「画商」が、ヨシ子の信頼につけこんで、陵辱するのです。もちろんただ一度の「過ち」です。 主人公は「ひとを信頼じ疑わない」という人間の中で最も美しい資質をヨシ子のなかに見ている。けれどもその「信頼」という資質のために、画商に陵辱されることになったことで、二重の衝撃を受けるのです。 ひとつは、美しいものが汚されてしまった、という衝撃。 もうひとつは、「ひとを信頼する」ということが、人間の共同体の中ではどのような扱われ方をするか、目の当たりにしてしまった、という衝撃。 そこで、彼はもう人間の共同体の中では生きていけない、と感じて、そこから滑り落ちていってしまうのです。 話はちょっと変わるのですが、太宰治は『ヴィヨンの妻』のなかで、ほぼ同様の事件を、女性の側から描いています。語り手である主人公は、ヨシ子とよく似た経験をしてしまうのですが、こちらは驚くほど淡々とその事実を受けとめている。何があったって生きていればいいじゃない、と静かに、力強く、ダメな夫に告げるのです。 実は、これに相当する出来事を(「陵辱」という形ではありませんが)、作者自身が経験している。結局、それが元で、その妻とは別れることになるのですが、太宰自身はその経験に対して、ふたつの見方をしていたことがわかります。 あと、最初の心中相手、ツネ子が酔漢にからまれるというような描写はありません。 #3の方が言っておられるように、作品をお読みになるのが一番です。 どうかお時間のあるときに、できれば『ヴィヨンの妻』も合わせて、ぜひお読みください。 ちょっと前に必要があって、百回以上この作品を読んでます(笑)。だから「経験者」。 久しぶりにここをのぞいてみたらまだ正解が出ていない、靴の中に石が入ってるみたいに気になってしょうがないので回答しました。

remonpakira
質問者

お礼

ご回答ありがとうございました。 病院のパソコンから青空文庫を覗いてしまいました。 まーそこまで怒られないでしょう ただ、襲われ方として、和姦的なイメージも若干受けますが どうなんでしょうか?

その他の回答 (5)

回答No.6

お礼欄拝見しました。 > ただ、襲われ方として、和姦的なイメージも若干受けますが > どうなんでしょうか? ここまで来ると解釈の領域ですから、質問者さんはご自由にお受け取りください。 #5の方が引用してくださった箇所はもちろん知っていますが、#1で「酔漢」という一般的な言葉のなかに、「堀木」という主人公のネガにもあたる重要な登場人物が入っているとは思わなかっただけです。これもまた解釈の相違です。 ご気分を害されたのなら謝ります。 以上、参考まで。

noname#115911
noname#115911
回答No.5

No4の方が「ツネ子が酔漢にからまれるシーンなどない」と言っていらっしゃいますが、たしかに、あります。100回以上も読んだ方ならこのくらい覚えていらっしゃるのが当たり前のような気がしますが、該当箇所を引用します。(新潮文庫『人間失格』より) 「カフェか?」「そう」「行こう!」というような事になって二人、市電に乗り、堀木は、はしゃいで、「おれは、今夜は、女に飢え渇いているんだ。女給にキスしてもいいか」自分は。堀木がそんな酔態を演じる事を、あまり好んでいないのでした。堀木も、それを知っているので、自分にそんな念を押すのでした。「いいか。キスするぜ。おれの傍に坐った女給に、きっとキスして見せる。いいか」「かまわんだろう」「ありがたい!おれは女に飢え渇いているんだ」 銀座四丁目で降りて、その所謂酒池肉林の大カフェに、ツネ子をたのみの綱としてほとんど無一文ではいり、あいているボックスに堀木と向い合って腰をおろしたとたんに、ツネ子ともう一人の女給が走り寄って来て、そのもう一人の女給が自分の傍に、そうしてツネ子は、堀木の傍に、ドサンと腰かけたので、自分は、ハッとしました。ツネ子は、いまにキスされる。惜しいという気持ではありませんでした。自分には、もともと所有慾というものは薄く、また、たまに微かに惜しむ気持はあっても、その所有権を敢然と主張し、人と争うほどの気力が無いのでした。のちに、自分は、自分の内縁の妻が犯されるのを、黙って見ていた事さえあったほどなのです。自分は、人間のいざこざに出来るだけ触りたくないのでした。その渦に巻き込まれるのが、おそろしいのでした。ツネ子と自分とは、一夜だけの間柄です。ツネ子は、自分のものではありません。惜しい、など思い上った慾は、自分に持てる筈はありません。けれども、自分は、ハッとしました。 自分の眼の前で、堀木の猛烈なキスを受ける、そのツネ子の身の上を、ふびんに思ったからでした。堀木によごされたツネ子は、自分とわかれなければならなくなるだろう、しかも自分にも、ツネ子を引き留める程のポジティヴな熱は無い、ああ、もう、これでおしまいなのだ、とツネ子の不幸に一瞬ハッとしたものの、すぐに自分は水のように素直にあきらめ、堀木とツネ子の顔を見較べ、にやにやと笑いました。しかし、事態は、実に思いがけなく、もっと悪く展開せられました。「やめた!」と堀木は、口をゆがめて言い、「さすがのおれも、こんな貧乏くさい女には、……」閉口し切ったように、腕組みしてツネ子をじろじろ眺め、苦笑するのでした。

remonpakira
質問者

お礼

たびたびご回答ありがとうございました。 prince-TさんとghostbusterSさんはレイプ、襲うという解釈の 違いからの行き違いなのかもしれませんね。 熱くならないでください。すいません。 ただ、中学校以来で読みましたが結構面白いですねー。 ヨシ子は騙されているのでしょうが、無理やり襲われている 雰囲気ではないような感じがしましたが、 どうなんでしょう、、どういうシチュエーションなんでしょうね。 わかりやすい最近の小説ばかり読んでいるので行間が読めなくなって いる事に気づきました。

回答No.3

 近くの本屋になくても、図書館になくても、「人間失格」なら、インターネット(青空文庫)で無料で読めます。 http://www.aozora.gr.jp/cards/000035/files/301_14912.html  また、「青い文学シリーズ」の第1作として、最近アニメ化されました。 (本来のアドバイスはここまで)--------------  一応、検索結果のURLを貼っときます。 http://www.google.co.jp/search?hl=ja&safe=off&num=100&newwindow=1&q=%E9%9D%92%E3%81%84%E6%96%87%E5%AD%A6%E3%82%B7%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%BA%E3%80%80%E4%BA%BA%E9%96%93%E5%A4%B1%E6%A0%BC%E3%80%80%E5%8B%95%E7%94%BB&lr=&aq=f&oq=

remonpakira
質問者

お礼

ご回答ありがとうございます。 青空文庫は存じています。 私事ですが最近ずっと病院に仕事で泊まり込みで 携帯からしか、ネットができません。 病院のパソコンは履歴をチェックされるので。 またマイクロサージェリーが専門なので目を酷使しており 家に帰れてもパソコンの画面を長時間読む元気はなさそうです。 そういう都合ですので、できましたらNo.1以外の方もズバリの回答をください よろしくお願いいたします

noname#212854
noname#212854
回答No.2

文庫本を買うか、図書館で借りるかして、読めばそれで解決する話ですよね。 解釈の問題とかは無いようですし、質問が不明です。 ただ、「純粋な奥さん」という言葉には、引っかかるものがあります。それに意味があるなら、そのことについてしっかりと説明してください。

remonpakira
質問者

お礼

ご回答ありがとうございます。 とりあえず気になって寝れないって事で質問しました。 近くの書店にはないですし、図書館や大型書店に行ける時間に休みが取れるのは 1ヶ月先になりそうですし。 そういった場合ここで『どうでしたでしょうか?』と軽く聞くのは 不適切でしょうか?また規約に違反しているでしょうか? 純粋な妻の下りは『人を信用できない自分が人を信じる天才の女性に出会い…』 のくだりからです。 その女性が汚されていくのを見てたんだっけ? それとも裏切られてますます猜疑心におかされたんだっけ?と 思ったからです

noname#115911
noname#115911
回答No.1

一人目の妻(正式ではないと思いますが)ツネ子は酔漢にからかわれいたずらされそうになりましたが、未遂に終わります。その時は目の前で「僕」が見ていました。二人目の妻(これも正式かわかりませんが、内縁関係だろうと思われます)ヨシ子が僕の友人に抱かれている場面を、うっかりかわざとなのか、覗き見てしまうシーンがあります。友人を自宅に招いて酒を飲み議論を交わしていた隙に、別室でこっそりと妻が友人の一人と契っていたのです。ただ、それ以後も女が裏切り続けていたとは明記されていません。主人公の僕だけ、一人で様々な女と関係を持ち続けるのです。

remonpakira
質問者

お礼

ご回答ありがとうございます。 未遂と和姦の2パターンがあったんですね。 それが混乱の原因だったように思います。 ありがとうございました

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