RBL-2H3細胞の脱顆粒反応の評価方法と問題の解決方法を教えてください
- RBL-2H3細胞の脱顆粒反応を評価するためにβ-ヘキソサミニダーゼの酵素活性を使用していますが、うまく脱顆粒が起こりません。
- 刺激としてIgEと抗原、あるいはA23187を使用し、培地はRPMI1640、刺激時のバッファーは1%BSA含有のタイロードバッファーを使用しています。
- 細胞密度は3×10^5で、96ウェルプレートに100μL撒いていますが、脱顆粒反応はうまくいかず、酵素反応の問題ではないことが確認されています。
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RBL-2H3からの脱顆粒
RBL-2H3細胞の脱顆粒反応をβ-ヘキソサミニダーゼの酵素活性で評価しようと考えて実験を重ねているのですが一向に脱顆粒がおきてくれません。 刺激はIgEと抗原、あるいはA23187で行っていて、 培地はRPMI1640で刺激時は1%BSA含有タイロードバッファーです。 ちなみに細胞密度は3×10^5で、96ウェルに100μL撒いてます。 色々と反応条件を変更してみたりしたのですが一向にうまくいかず、 しかも細胞内量を測定すると普通に測定できているので酵素反応が悪いというわけではなさそうです。 つまりなぜだかわからないけど脱顆粒だけがうまくいかないという状況です。 同じような経験をされた方や原因を思いつく方がおられましたらアドバイスをください。 よろしくお願いします。
- otoykmorf
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- 生物学
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RBL-2H3がIgEを介して脱顆粒反応を起こすにはいくつかの条件があります。 抗原の条件などは確認しているものとしてお答えします。 まず、RBL-2H3が均一な細胞ではないということに注意しなければなりません。 例えばA研究室で使っているRBLとB研究室で使っているRBL、さらにATCCから購入したRBLでは細胞表面のFcεRI(高親和性IgEレセプター)の発現量が異なる可能性があります。 さらに、FcεRI下流の細胞内シグナル伝達に必要なLynやSykなどのキナーゼやCD45の発現量も違うかもしれません。 まずはそのあたりをウェスタンやFACSなどで調べてみてはいかがでしょうか? 今回の質問の場合はA23187刺激においても脱顆粒しないということですので、A23187とホルボールエステルであるPMAとの共刺激をしてみるといいと思います。 また、2,30%の脱顆粒反応しかしない場合は細胞数が少ないと確認できない可能性も考えれれますので、1.5mlチューブのようなもので細胞数を増やしてみるのも1つの手だと思います。
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- syabarange
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>今日は100ng/mlで実験を行いましたが、やはり低反応なRBLであるようで遊離率が16%でした。 あの… 抗原濃度の検討などをするときって、濃度を何点かふってやったほうがいいですよ。 10倍希釈系列で10点ぐらい振ってやってみないと、濃度依存性がみれないでしょ? あなたの細胞では1ng/mlがピークになる可能性だってありますから。 >で、サブクローニングに挑戦したいのですが参考文献、原著論文等ありましたら教えていただけないでしょうか? サブクローニングは、論文にするほどのことじゃないので、分権などは無いですね。 というか「限界希釈法」ってキーワードでググってみたりしました? なんでもまず自分で調べる癖をつけましょうね。 >ご指摘の通りTritonで細胞を溶解しています。 つまり細胞を殺してしまうので高反応なRBLがあってもそれを増やせないかなと思ったのです・・・ もちろん継代できるくらい細胞増やしてから、その一部を使って脱顆粒反応するんですよ。 全部の細胞使い切ったら、せっかくサブクローニングしたのに、その実験一回しか出来ないじゃないですか。 その細胞も、何代も継代し続けたら段々へたってきてしまうので、いい細胞が取れたら、まず最初に大量に細胞ストックを作って、反応が悪くなってきたらストックを使っていくようにするといいと思います。 まあ、RBLのサブクローンだけじゃなくて、どの細胞も扱うときの基本ですけどね。
お礼
失礼ながらそれぐらいわかっております。 自分でも調べましたけどね・・・ ネットというものを基本的には信頼しておりませんし、あの時間では図書館等も閉まっておりましたのでとりあえず質問してみただけです。 ただ少し甘えてしまっていた事実は認めます。 6月からずっとやり続けていてデッドラインも近いので若干あせっております。そのあたりは少し多めにみてください。 今までいろいろとありがとうございました。
- syabarange
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>サブクローニングとかできるものなんですか? 出来ます。というか、肥満細胞研究をしていてRBLを使っているラボはほとんどしてるのではないでしょうか? RBLを限界希釈法(96穴プレートに1ウェル当たり0.5個(/100μL)になるよう細胞培養液を希釈して蒔く)を用いて、モノクローン化してそれぞれの細胞の脱顆粒反応を見るという手順です。 これによって高反応のRBLを得て実験してることが多いです。 >自分は脱顆粒反応を観察した後に溶解して細胞内量を測定するので難しいかもしれません。 この文章の意味は、何が「難しい」のかちょっと解らないのですが… 普通、脱顆粒の%を算出する場合は反応後に細胞をTritonなどで溶解して、トータルのヘキソサミニダーゼを求めて分母に用いるので、間違ってはいないと思います。 >ベルシェイプになる理屈と言われると少し厳しいですが・・・ これは文章で伝えるのは最初から難しいのかなと思っておりましたので、添付のファイルを見てください。模式図にしてみました。
お礼
模式図までありがとうございました。 だいたい自分の想像していた通りでした・・・ 今日は100ng/mlで実験を行いましたが、やはり低反応なRBLであるようで遊離率が16%でした。 で、サブクローニングに挑戦したいのですが参考文献、原著論文等ありましたら教えていただけないでしょうか? ご指摘の通りTritonで細胞を溶解しています。 つまり細胞を殺してしまうので高反応なRBLがあってもそれを増やせないかなと思ったのです・・・
- syabarange
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10%ですか。やはり、低反応なRBLである可能性が高いと思います。 もし、様々な条件を検討し、それでも脱顆粒反応が弱かった場合は、どこかのラボからよく脱顆粒反応がうまくいっている株を貰った方がいいと思います。 実は各ラボはいろいろ工夫をしていて、よく脱顆粒するRBLをサブクローニングしていることが多いです。それくらいRBLにはばらつきがあるってことです。 DNP-BSAの濃度反応がベルシェイプになる理屈はわかっていただけましたでしょうか?多価抗原を用いている理由はそういうところからです。 もし低反応のRBLであれば、抗IgE抗体(抗体なので2価抗原ということになる)での受容体凝集では脱顆粒反応がほとんど起きないかもしれません。
お礼
サブクローニングとかできるものなんですか? 自分は脱顆粒反応を観察した後に溶解して細胞内量を測定するので難しいかもしれません。 ベルシェイプになる理屈と言われると少し厳しいですが・・・
- syabarange
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すいません「100 ng/mlをピークに」の間違いです。
お礼
100ng/mlですか・・・ 蛍光免疫染色等の実験では1μg/mlで実験を行っていたので、そこまでは試したことがありましたがngのオーダーは考えていませんでした。 一度試してみたいと思います。 実はsyabarangeさんのアドバイス通り細胞量を増やしてみたところポジコン群とネガコン群で有意な差が出たのですが、ポジコン群でも遊離率が10%前後だったのです。 一度抗原濃度を下げて実験してみます。 ありがとうございました。
- syabarange
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抗DNP-IgE量に関してはFcεRIに結合しなかった物は洗ってしまえばいいのですが、DNP-BSAに関しては多価抗原になっており、抗原が多すぎるとFcεRIのクロスリンクがうまくいかなくなり、脱顆粒反応が低下します。 説明が難しいですが、IgEと抗原が1対1になってしまっては受容体が凝集しません。具体的な数字は失念しましたが、確かIgE:DNP-BSA=8:1ぐらいになると丁度いい受容体凝集が起こるはずです。 そういう意味でも、必ず最初にIgEとDNP-BSAの濃度をある程度振って条件検討しているものとしてお答えしました。 それを踏まえて、DNP-BSA 10 μg/mlでは若干多すぎるかなと思います。ちなみに私の細胞では100 μg/mlをピークにベルシェイプ様に脱顆粒反応は低下していきます。 もちろん細胞数も濃度、細胞数、共に振ってみるといいと思います。 あと、CD45の発現量も重要です。これはRBLでかなり発現量がばらついていることがわかっており、しかも脱顆粒に影響することもわかっています。(参照Int Immunol. 2000 Feb;12(2):169-76.)
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