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広島市にはなぜ地下鉄が無い?

広島市と言えば、人口100万人を超える政令指定都市で 県庁所在地です。 札幌・仙台・神戸・福岡などの地方都市にも地下鉄はあります。 この規模の都市なら地下鉄があるのが普通かと思いますが、 広島市には地下鉄がありません。 「広島は路面電車の路線が豊富だから新たに地下鉄を建設する 必要がない」というのは理由として納得できそうな気がしますが、 ちょっと待って下さい。 私の住む札幌市は、昭和中期には多数の路面電車の路線がありました。 それらが廃止になると同時に、現在の南北線や東西線が開通したという 歴史的経緯があります。 さて、質問です。 以上を踏まえ、広島市に地下鉄が無いのはなぜでしょうか?

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  • gsmy5
  • ベストアンサー率58% (1426/2457)
回答No.9

この現象を理解するには、なぜ多くの公営路面電車は廃止されたのかを理解する必要があります。 もちろん、1つの現象には種々の要因が複雑に絡み合い、しかも関係者が積極的に理由を明らかにしないことも多いので、1冊の本に書いても正確な事情は説明しきれることはないでしょう。 以下に非常に大雑把に事情を説明します。 昭和30年ごろまで多くの都市には路面電車があり、大活躍していました。路面電車は東日本は公営が多く、西日本は民営が多かったです。多くの路面電車の開業時期である明治や大正時代、西日本は民間企業でも経営できる素地があり、東日本は(雪害対策など維持費が掛かることも含めて)民間企業で経営が難しい素地があったのも一因と言われています。また、大都市では一部を除き、民営で開業→公営に移管となっていることが多いようです それが昭和40年代頃から路面電車は次々と廃止されていました。 その傾向は50年頃まで続き、50年代に新たに廃止方針を示したものは例外的な条件があった所に限られます。 ある時期だけ、多くの場所で同じように路面電車が廃止されていることに何らかの「意思」を感じませんか。 そうです。各地で自動車の渋滞が問題視され始めた時(昭和40年代)国も交通政策関係者も皆、渋滞の原因を路面電車のせいにしました。 また、渋滞が始まると多くの都市で路面電車の収益が大幅減少するようになって来ました。悪いことに、戦後すぐに復旧させた諸施設や車両の更新時期が多くの都市で近づき始めました。 で、国は「諸悪の根源」(と決め付けた)である路面電車の廃止を積極的に薦める政策を行いました。 まずは、路面電車の軌道敷内の自動車通行を認める方針を出しました。国の方針を受けてこれを実施した都市は、渋滞の影響が路面電車にも及ぶようになり、定時性がなくなった路面電車は急激な乗客減→収益悪化となりました。 次に、渋滞や赤字で悩む「公営事業者」に対して、路面電車を廃止し、バスや地下鉄で代替すれば、「市の事業の合理化をした」として、地方税交付などで優遇する措置を取ったのです。 その効果は大きく、公営のほとんどがその政策に乗りました。 今残っている市電も、すべてその当時に全廃計画を立て、実際に40年代から50年代にかけて一部廃止を始めましたが、その後の情勢の変化で市電を全廃できなくなったものです。(さらにその後の路面電車見直しの風潮により、全廃計画を撤廃しています。あるいは廃止を始めた時点で具体的な全廃の計画に至ってなかったに過ぎません。) 以上の事情により、札幌などの市電は廃止が進みました。現存路線も廃止の予定でしたが、廃止が遅れているうちに、赤字ではないこと、路面電車見直しの風潮により、一転して存続が正式決定されました。 広島も全国で廃止が続く時期に、廃止の計画もあったようです。しかし、上述のように廃止が有利だったのは「公営」であり、下手に規模が大きすぎた広島は、なかなか廃止へ向けての具体化が進みませんでした。電車の更新等は、幸い各地で廃止された電車(しかも40年代に急遽廃止が決まった所が多く、車暦の浅い非常に状態のよい車両が多数ありました)が入手できたので、大きな負担がありませんでした。 渋滞対策としては、広島県警が協力的で、軌道敷内の自動車通行を認めませんでした。このため、どんなに道路が混んでも、電車は定時制が保て、安定した乗客が維持できました。(もちろんそのための路面電車関係者の努力は相当なものだったようです。日の目を見るまでかなり長期大変な時期を経験しました。) 同様の事情で長崎も路面電車が完全な形で残っています。しかも今秋の値上げまで100円運賃が維持できていました。 つまり、広島で地下鉄が導入されなかった理由は端的にいうと、以下のようになります。 1.路面電車が民営である為、昭和40年代の路面電車廃止を薦める政策の対象外となった。 2.全廃できない路面電車に対して、渋滞の影響を及ぼさないように軌道敷内通行禁止を維持した。(県警や市民の協力が得られた) 3.そのため路面電車の経営状態が安定し、無理して廃止する必要がなかった。 4.路面電車の廃止が不必要なので、その廃止が前提となる地下鉄の計画をする必要がなかった。 もちろん、路面電車を廃止しない決めた裏には他の回答にあるような「地下鉄を作るにしても地質上の問題で難工事が予測される」と言うような事情もあったかもしれませんが、他の都市の状況を見る限り、地下鉄が難工事だから市電を廃止しないと言うことが単純に認められる様な時代背景ではなかったと考えます。 おそらく、もし広島も電車が市営だぅたら、あっけなく地下鉄になったかもしれません。そして、巨大な工事費により地下鉄は赤字に苦しみ、しかも便利とはいえない状態であったでしょう。あるいは、その難工事ゆえに「地下鉄代替は不可能」という計画に変更され、すべてをバスに頼ると言う今の京都よりひどい状態になってしまったかもしれません。 なお、京都あたり(説によっては仙台あたりも)は全廃計画がもう少し遅かったら、その後の路面電車見直しの風潮に乗って、市電が残り、今のようにわずかな地下鉄と大多数の市バスだけに頼るような不便な状態にならなかったと言われています。 京都の場合、比較的経営状態のよい路線を先に廃止している為、市電最終年度の頃には路面電車見直しの風潮があった(実際、市も廃止反対運動に対して市電存続可能かを検討したようである)にもかかわらず、経営的に問題のある市電の全廃計画を撤廃するわけにいかないという事情があったようです。

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その他の回答 (13)

  • Sasakik
  • ベストアンサー率34% (1663/4824)
回答No.3

>私の住む札幌市は、昭和中期には多数の路面電車の路線がありました。 >それらが廃止になると同時に、現在の南北線や東西線が開通したという歴史的経緯があります。 失礼ながら、”現象”の説明は頂きましたが、背景に触れなければ”歴史的経緯”の解説にはならないのではないか と。 札幌市に限らず、市電(路面電車)廃止、地下鉄移行の要因に、自動車流入量の増加があります。 また、電車の利点の一つに「定時運行」がありますが、自動車通行帯から溢れたが車両により、定時制が損なわれることも増えました。 自動車の流入量が増えることによって生じる渋滞緩和、都市交通システムとしての定時運行を確保するため、主要道路の真ん中を占領する路面電車が地下に追いやられたのです。 札幌市の場合、オリンピック開催に合わせた”政治的な”目玉商品という意味合いも見逃せないでしょう。 もちろん、降雪による運行ダイヤの乱れ、軌道の除排雪をすれば障害になるなど、周囲の交通に与える影響もあったのでしょう。 札幌市のように、莫大な初期投資を要する上、運営にもコストが掛かっても地下鉄化によるメリットが大きいと判断できたのでしょうが、非積雪地帯で道路に交通量に見合った収容力があれば、わざわざ高コストの地下鉄を導入する理由があるとは思えません。 なお、#2さんの回答にもありますとおり、軽量軌道交通 (Light Rail Transit: LRT) は世界中で導入が進んでおり、札幌市電も具体的な延伸計画を提出すべく、商業関係者に対する説得を続けています。 あ、申し遅れましたが、アタクシ、南北線開通当時に真駒内駅を利用したこともある札幌市民です。

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  • Kmrkn
  • ベストアンサー率66% (2/3)
回答No.2

詳しくはないですが、 地下鉄の定義が地下を走る電車ということでしたら、広島市にもあります。 アストラムラインが本通→白島まで地下にあります。 一般市民の話で、専門家の話ではないですが、 地盤がゆるいので地下道や地下鉄が作れないと言われていました。 でも、このアストラムの本通駅周辺紙屋町交差点に、 札幌ほどではないものの、ちょっとした地下街ができましたので その説は個人的には疑問です。 一番の理由は「別になくても困らない」「需要がない」でしょうね。 札幌が地下鉄の方が(赤字でも)「ないと困る」のは、 なんと言っても積雪のせいではないでしょうか? 広島の路面電車も、広電には大変申し訳ないですが、 全部路線はバスでカバーできますので、 さらに公共交通機関を、しかも地面に穴掘って電車を通す必要性はないでしょうね。 札幌ではないものの、路面電車が廃止になった地域の人間としては、 広島の路面電車を最初に見たとき、 電車を含めた道路の広さに驚きました。 (これはあんまり関係ないかもしれませんけど) 昨今はこのグリーンムーバーや、 富山の路面電車の方が評価されていますので、 敢えて地下鉄を作るのは時代に逆行していますね。

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  • tefu1073
  • ベストアンサー率51% (700/1363)
回答No.1

 こんにちは。  広島高速交通のアストラムラインの本通~城北あたりは地下区間ですね。  路面電車が残った理由は、↓とかが参考になるかと思いますが、自動車の軌道敷内乗り入れ禁止等、行政のバックアップがあったからでしょうね。 http://www.chiiki-dukuri-hyakka.or.jp/1_all/jirei/2007_tosikinou/tokusyu/jirei_06.html

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