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海馬

幼い時に友達に虐待されると「海馬が委縮」すると本で書いてありました。 実際のところ今の脳科学ではどうゆう説がありますか? 教えて下さい。

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noname#89054
noname#89054
回答No.1

質問者さんがご覧になった本に、幼い時に友達に虐待されると「海馬が委縮」すると書かれてあったというのは、そのいじめが単なるいじめではなく、いじめを受けた側には、“生き地獄”のような体験だったのでしょう。 海馬が萎縮する過程は、心的外傷後ストレス障害(PTSD)で説明が付きます。 PTSD(Post-traumatic stress disorder)とは、トラウマ体験が引き起こすストレス障害のことで、引き金になった事件の後に症状が現れ、激しい苦痛を伴います。日本では、トラウマを心的外傷“心の傷”の意味で解釈されています。 余談ですが、最近は、心的外傷をもたらす体験そのものをトラウマと呼ぶ誤用が増えてきているそうです。 PTSDを引き起こすトラウマ体験とは、震災や、戦争、虐待といった到底自分一人では背負いきれないほどの、個人の対処能力を超えた生命や魂(人格)、身体を脅かす残酷な体験です。後々の人生に深い影を落とすほどの影響力があります。 特に幼少時にトラウマを負うと、海馬の萎縮や未発達が起こるという実例が知られています。 私が以前テレビの特集で見た人物は、幼少時代に、実母と叔父に性的虐待を受けて多重人格障害になった男性患者でした。彼は性的虐待を受けトラウマを負いました。子供の幼い脳では到底耐えることが出来ない地獄のような体験なので、海馬はその記憶を封印するために切れ切れになってしまったそうです。これは彼だけではなく、彼のように幼少時に近親者から性的虐待を受けた人物に特徴的に見られる現象なのだそうです。その成年の主人格は、普段は作家として執筆活動をする大人しい人物です。母親と叔父から受けた性的虐待の記憶を彼(主人格)は持っていません。 多重人格者が、海馬に著しい機能障害を負うことは、記憶の切り離しに役立っています。彼らの脳内では、辛い体験をしたのは自分ではなく、誰か身代わりの人物が受けた体験として処理されるのだそうです。ですから、記憶は完全に封印されたのではなく、別人格がその記憶を持つことになります。そして、辛い記憶を持つ別人格が、主人格を憎んでいて殺そうとすることもあります。二重の苦しみです。 また、幼少期に戦争体験をした人もトラウマを負い、脳に大変なストレスが掛かります。その当時の記憶が切れ切れで、繋がっていない人もいます。 家庭内暴力やネグレクトもトラウマになり得ます。親子間でもすれ違いが多くて子供時代の記憶が飛んでいる人もいます。 幼い時に友達に虐待されたと言う人も、PTSDを発症するほどのトラウマ体験を負えば、これまでの例に挙げた人達のように海馬が萎縮すると言うことはありえます。 幼少時代に生き地獄を味わった人達に起こる海馬の萎縮とは、“辛い記憶を封印するため”に起こることなのです。 より深く、知識を広げたいのであれば、心的外傷後ストレス障害(PTSD)に関連する書籍を読まれると良いでしょう。 心的外傷後ストレス障害については、ネット検索してウィキペディアで調べるとかなり詳しい解説が載っています。残念ながらリンクは禁止なので、ここにURLは載せることは出来ませんが、PTSDがもたらす海馬を含めた脳への影響が詳しく書かれているので、大変参考にると思います。一度ご覧になって下さい。 また、海馬や記憶のメカニズムに関しては、こちらのサイトが参考になると思います。 http://www.hptemplate.com/info/article/health/032.htm

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