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現在の脳科学では
現在の脳科学では、成年になっても海馬の神経細胞が環境によっては増えることが証明されていますが、他にも増えることが分かっている場所、もしくは可能性がある場所ってあるんでしょうか?
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こんにちは。 海馬での細胞新生が発表されてからしばらく経ちますが、残念ながらそれ以上のことはまだほとんど分かっていないようです。現時点で細胞新生が確認されているのは「海馬・歯状回」と「側脳室下帯」です。臭球で増えるという記事を拾ったことがあるかも知れませんが、これは側脳の新生細胞が移動し、シナプス結合したものです。 我々はこの海馬再生の事実により、成人の脳細胞は死滅するだけという忌まわしい呪縛からようやく開放されたかのように思われました。ところが、果たして現在の脳科学に至っても、それが何を意味するかさえ全く判明していないのであります。 神経細胞は分裂しません。海馬で行われているのは飽くまで「細胞新生」です。このためには、新生細胞を生み出すための幹細胞が保持され、機能していなければなりません。 例えば、海馬で細胞が新生されるのは新しい記憶を獲得するためではないか。では、大脳皮質の連合野でこれが起こるならば既存の長期記憶を破壊してしまう恐れがあります。加えて、我々の脳には細胞が幾ら死滅しても生涯に使い切れないほどの記憶容量がありますので、記憶損傷の危険を冒してまで連合野の細胞を増やす必要は全くありません。もしかしたら海馬以外にも幹細胞は存在するが活動を休止しているのかも知れない。そして、海馬においてそれが機能するのは、逆に短期記憶を消し去るためではないか。 果たして、何れに至りましても未だ仮説・憶測の域を出ません。恐らく、専門の学者さんでもこれを絞り込むためには、もうしばらくの研究が必要なのではないかと思います。
お礼
回答ありがとうございます!