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ガラス転移温度と荷重たわみ温度の違い
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低分子物質では固体から液体、液体から気体への相変化の際に 融解熱や蒸発熱などの潜熱を伴い一次転位といわれます。 これに対し、潜熱は伴わないが比熱や体積が不連続に変化する 転位を二次転位といいます。 ポリマーの場合、この二次転位をガラス転位、その温度をガラス 転位温度といいます。この温度より低い温度では、ポリマーは ガラス状固体のように振る舞い、高い温度ではゴム状弾性の 挙動を示します。 結晶性ポリマーの場合、ガラス転位温度より更に加熱されると、 融解します(一次転位)。この融点Tmとガラス転位温度Tgの 間には、 Tm = 2.75Tg + C 対称性ポリマー、PIB (-CH2-C(CH3)2-)n 等 Tm = 1.50Tg + C‘ 非対称性ポリマー、ポリクロロプレン (-CH2-CCl-CH-CH2-)n 等 の様な関係が認められます。 融点とガラス転位とポリマーの構造の間に何らかの関係が有ること を示しています。 ガラス転位温度はポリマー鎖の内部自由回転が始まる温度、または 自由体積が急に増える温度との解釈があります。 この温度で弾性率の急激な減少も見られ、振動に対する緩和現象も 見られます。 大事な点は、ガラス転位は負荷が有ろうが無かろうが観察される 物理的な二次転位点(温度)です。 熱変形温度は、樹脂試験片に一定の静的荷重を加えた場合の、 系の応答を温度を指標として表したものです。 力に抗しきれず撓む温度ですので、弾性率が急激に減少するガラス転位 温度以上でその近傍であることは予想が付きます。 しかし、ポリマーの構造と集合状態の違いから、それがガラス転位 のどの位上の温度で現れるか、それは明確かは樹脂によって違います。 あくまでも、樹脂の使用目安としての温度で荷重の大きさや昇温速度 でも異なります。
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お礼
ありがとうございます。 とても参考になりました。