構造力学:モールの定理から導き出される仮想荷重(弾性荷重)の意味は?
- モールの定理から導き出される仮想荷重(弾性荷重)とは、梁のたわみや曲率半径と関連する関係式の中で使われる値です。
- 構造力学では、梁のたわみや曲率半径を求めるために、仮想荷重(弾性荷重)を梁に載せる手法が使われます。
- 仮想荷重(弾性荷重)を載せることによって、梁の変形や応力分布を計算し、最大たわみや最大たわみ角を求めることができます。
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構造力学:モールの定理から導き出される仮想荷重(弾性荷重)の意味は?
いつもお世話になります。 独学で構造力学を勉強しています。 モールの定理から導き出される、たわみy、曲率半径ρ、 仮想荷重(弾性荷重←ネットで調べた)の関係式 d^2y/dx^2=-1/ρ=-M/EI このM/EIを仮想荷重(弾性荷重)と呼ぶ。 様々な梁の最大たわみδ、最大たわみ角θを求めるのに、 この仮想荷重(弾性荷重)を梁に載せる。 そして、例えば単純梁に集中荷重をかけた時の最大たわみδ、 最大たわみ角θを求める式 δ=PL^3/48EI θ=PL^2/16EI などが求めることができる。 そこで、分からないのが、なぜ最大たわみδ、最大たわみ角θを 求めるのに、仮想荷重(弾性荷重)を載せないといけないのか? (この方法を弾性荷重法というらしい←ネットで調べた) そもそも、仮想荷重(弾性荷重)というのはどういう意味を もっているのですか? お詳しい方、どうかご教授願いますm(__)m
- 物理学
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『弾性荷重』といっても、物理的な荷重というわけではありません。 EIがかかることを別にすれば、 荷重 →積分→ せん断力 →積分→ 曲げモーメント 曲げモーメント →積分→ たわみ角 →積分→ たわみ という関係があることは、当然、ご存知ですよね。 ですから、たわみ や たわみ角 を求める場合、本来なら、積分をしていけば(正確には微分方程式を解いていけば)いいわけです。 荷重から せん断力・曲げモーメント を求めるときも同様です。 しかし、荷重から せん断力・曲げモーメント を求める場合、我々は、通常、微分方程式を解くのではなく、力の釣り合いを使って(積分を使わずに)求めています。 曲げモーメント と たわみ角・たわみ の間にも、荷重と せん断力・曲げモーメントと同様の(微分・積分の)関係があるので、だったら、いっそのこと、曲げモーメント(正確には曲げモーメント/EI)を『架空の荷重』と思って、その『架空の荷重』から、『架空のせん断力』や『架空の曲げモーメント』を求めれば、その『架空のせん断力』や『架空の曲げモーメント』はたわみ角・たわみになっているはずです。 この時、荷重 から せん断力・曲げモーメント を求めるときは、力の釣り合いを使えば、積分無しに計算できます。同様に、『架空の荷重』から、『架空のせん断力』や『架空の曲げモーメント』を求める時も、積分無しに、力の釣り合いだけで計算できます。 結局、弾性荷重法を使えば積分無しに、たわみ や たわみ角 が計算できる、というわけです。弾性荷重とは、この、積分無しに たわみ や たわみ角 を求める際に使う『架空の荷重』のことであり、物理的な力を表しているわけではありません。
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- shinkun0114
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『たわみ』や『たわみ角』を求めているわけですから、弾性体の問題になります。 あくまで構造力学として捉えた方がよいと思いますので、念のため。
- shinkun0114
- ベストアンサー率44% (1553/3474)
●計算が簡単だから。 >なぜ最大たわみδ、最大たわみ角θを求めるのに、仮想荷重(弾性荷重)を載せないといけないのか? 載せないといけないことはありません。載せなくても求まります。 なぜ載せるのかと言えば 『載せることで簡単に計算できるから』 というのが正解でしょう。 ●コンピュータのない時代は重要なテクニックだった。 構造力学の本を読んでいると、理論もさることながら、いかにして断面力や変形を求めるかといったどちらかといえば『実務計算』に関するテクニックが多数見受けられます。 これは、現在のようにコンピュータがない時代に、手っ取り早く構造計算を行うことが求められてきた名残なのです。 モールの定理を用いて、共役はりに弾性荷重を載せるのも、そのひとつの方法に過ぎません。 私も実務で構造計算を行いますが、パソコンで骨組解析ソフトを使えば勝手に変位も計算してくれますので、モールの定理を使うことはまずありません。 *** 理屈については、#2さんのおっしゃるとおりです。 等分布荷重 (kN/m) ↓ せん断力 (kN) ↓ 曲げモーメント(kN・m) 断面力は梁を長さ方向に積分していくことで求まりますよね。積分というと小難しく聞こえますが、荷重図からせん断力図を、せん断力図から曲げモーメント図を描くのは求積法を用いて四則演算だけで簡単にできます。 同様に、変形も 曲率 (rad/m) ↓ たわみ角 (rad) ↓ たわみ・変位 (m) 曲率を梁の長さ方向に積分していくことで求まります。ここで、曲げモーメントをEIで割ると、曲率に等しいことを利用して、断面力図を描くかのように変形を求めることができる、というわけです。 ですから、あくまで計算上のテクニックであって、コンピュータが手軽に使える現代においてはそれほど役に立つものでもありません。 「こんな方法もあるんだ」ぐらいに軽く考えておいてください。
- kt1965
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回答しておきます。 質問者さんが、困っているのは大学や高等専門学校の理工系「教養物理」の大体第二節の項目にある、「剛体の力学」が分からないからだと推定しています。 「剛体の力学」をやれば、一発で分かるのですが・・・回答者もそこまで簡単に説明できないので、多少説明をはしょります。 とりあえず、「物体」が変形する時には力がかかります。過去質問や過去回答を参照しているはずなので、「曲げのモーメント」というのが出てきていることは分かるかと思います。 モーメントとは、一定の大きさを持つ物体に「力(=荷重)」を掛けたときに、物体のある場所に働く力のこと。このモーメントが、物体の内部に「力」として作用して初めて物体は曲がります(もしくは折れる)。よって、そのモーメントの大きさが物体の各部分に働く大きさを積分すれば、全体の屈曲を計算できるわけです。これを一定の物体に適応したのが、「モールの定理」と呼ばれるものだと思います。 回答の字数にも、限界があるので、とりあえずここまでにしておきます。 では。 追伸 参考にされると良いのが、「大学の物理」とかの物理の教科書です。
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補足
kt1965さん、早速のご回答、ありがとうございます。 自分は、普通科の高卒ですので、「剛体の力学」については 学んでいません。 >参考にされると良いのが、「大学の物理」とかの物理の教科書です。 今、アマゾンで「大学の物理」で検索してみたところ、 「大学の物理―基礎と活用 (裳華房フィジックスライブラリー)」 木下 紀正著 が、一番にヒットしました。 この本で合っているでしょうか?