空気感染とは?解説と疑問点
- 空気感染とは、結核、麻疹、水痘などの感染症が、落下せずに空気中を漂うことで広がる感染方法です。
- 結核、麻疹、水痘の飛沫は、落下速度が早いため、地面に落下する前に水分が蒸発すると考えられています。
- 湿度が低い状況では、インフルエンザの空気感染の可能性も否定できないと言われています。
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空気感染について教えてください
感染管理を勉強しています。 結核、麻疹、水痘等の空気感染は 飛沫の水分が蒸発することにより、5μm以下の飛沫核が 落下せずに空気中を漂うことにより感染する と、いうのは理解できるのですが 飛沫は落下速度が30~80cm/secなので風速等を無視して考えれば 150cmの高さからの飛沫は2秒程で地面に落下してしまいますが この間に水分が蒸発するのでしょうか? なぜ結核、麻疹、水痘の飛沫の水分だけが蒸発するのでしょうか? 以前、ニュースで湿度が低いとインフルエンザの空気感染も否定できない、という内容も聞いた記憶があるのですが 飛沫感染する細菌、ウイルスでも空気感染の可能性は考えられるのでしょうか? 水分蒸発で悩んでるなんて、恥ずかしくて聞けずにいました。 どうかご教示願います。
- serratia
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獣医師でウイルスに専門知識を有する者です。 「飛沫」の水分が飛んで「飛沫核」になるわけではありません。 インフルエンザやその他の上気道に感染して呼吸器症の原因となるウイルスでは、ウイルスの増殖に伴って上気道の粘膜が非化膿性の炎症を起こします。 そして気管内に上皮細胞が滲出した粘液が出てくるので、それを咳によって排出するわけですが、その中にウイルスが大量に含まれているわけです。 くしゃみも似たようなもので、要するに気道内の異物を排出しようとする身体の反射作用が咳やくしゃみなわけで、ウイルスはその咳やくしゃみによって排出される「飛沫」に含まれているわけです。 これが結核だと、結核菌は上気道には病変を作りません。結核が病変を作るのは呼吸器系では主に肺です。なので、水分たっぷりの咳は結核ではあまりしません。つまり、病原体は飛沫ではなく飛沫核の状態で体外に排出される、というわけです。 排出されてから飛沫の水分が飛んで飛沫核になるというわけではなく、体外に排出される時にどちらの形態か、という問題です。 むろん、体外に排出されてから飛沫が飛沫核になることもあり得ます。 ノロウイルスを大量に含んだ吐瀉物が「飛沫」の形態で床や壁に付着して、時間経過と共にそれらが乾いて何かの拍子にまた空中を漂うことになれば、それは形態としては「飛沫核」ということになるでしょう。 飛沫の中にいるか飛沫核の中にいるかは、病原体にとっては決して本質的な問題ではありません。どちらでも良いのです。病原体本体が露出せずに守られている限りは。 なので「飛沫感染するウイルス」であっても、条件さえ作ってやれば容易に飛沫核感染を起こすことができます。飛沫感染か飛沫核感染かというのは、「通常は主にどちらの状態が感染が起きているか」という問題に過ぎません。 インフルエンザの場合、発熱や咳などの症状が好転して数日間はウイルスを排出しています。また、発症1日前くらいからもウイルスは排出されています。 この潜伏期または治癒期には、飛沫核の形でウイルスが排出されていることもあるかもしれません。ウイルス量は発症中とは桁違いに少ないはずですが。 また、他の上気道に感染する"風邪"のウイルスもそうですが、接触感染が意外に重要であると言われています。 つまり、加湿器によって部屋の湿度を上げても、高湿度自体はウイルスの生存時間を短縮しません。むしろ飛沫に守られている状態が長く続くわけですから、湿度が高い方がウイルスの生存時間は長くなる理屈です。 高湿度によって飛沫を速やかに落下させて空気中に充満させない、というのが湿度を上げる意味でしょう。低湿度なら床に落下する2秒の間に、いくらか水分が落ちて飛沫が軽くなり、飛距離と滞空時間が少し延長することは考えられますから(私自身はあまり信じてませんが)。 でも、床に落ちたウイルスは別に失活しているわけではないので、そこを手で触って、その手を口に持っていけば、やはり感染は成立します。 この冬、朝の情報番組でインフルエンザ関連の話題で「部屋の湿度を上げるためには加湿器よりも洗濯物を部屋に干す方が効果が高い」という調査をした例が紹介されていました。 これ、部屋の湿度だけを考えるなら確かにそうでしょうが、インフルエンザ対策としては如何なものかと・・・ 部屋干しした衣服がウイルスをトラップしてしまうのではないかなと思います。衣服にトラップされたウイルスはかなり長い間感染性を保っているでしょうから、適度に乾燥した時点でその衣服を動かせば、ウイルスが飛沫核の状態で部屋を舞う、ということになりかねないのでは。 感染形態は、その病原体がどのような形で身体から排出されるのか、までを考える必要があります。また、上に述べたような二次的な感染形態も考えられるので、なかなか一筋縄ではいかないです。一筋縄でいくくらいなら、とっくの昔に感染症は人類が制圧してしまっているわけですから。 ややこしいですが、勉強し甲斐のある分野でもありますので、頑張って勉強して下さい。
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