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経済学をどのように学ぶか?

goottttの回答

  • gootttt
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回答No.8

ちょっと遅くなりましたがまだ締め切りがなされておらず、書きかけのテキストを仕上げることが出来たので投稿させてもらいます。 基本的な部分は既に述べたので、今回はこれでどのように考えていくかを再びもう一寸説明していきます。 まず、具体的に経済学の知識を使って現実の問題を見て行きましょう。 ●今後の世界経済 ・マクロ経済で見た今回の問題 これは短期にはマクロ経済を利用して考えます。 現在起こっているのは、経済のモノとカネの流れの激変です。 ・リーマンショックまでの世界のマクロ経済の構図 大まかにいうと、アメリカがモノを買い、中国などの新興国や日本がモノを売るという構図でした。 ただ、アメリカがモノを買うためにはカネが必要です。 そのためにはカネをどこからか調達する必要があります。 一つは輸出によってモノを売ってカネを調達しているわけですが、アメリカは輸出よりも遥かに多くの輸入を行っているので、それ以外にカネを調達する必要があります。 そのためのカネをを提供していたのが中国などの新興国や日本です。輸出国はカネを貸すことによって、アメリカの輸入を手助けしていたわけです。 つまり、日本や中国は貿易の黒字(輸出超過分)をそのままアメリカに貸していたのです(≒資本輸出≒アメリカの国債や金融商品を買うこと)。 もっと分りやすく言うと、日本はアメリカにモノを売り、カネを貸していたのです。 これはアメリカにツケでモノを売っていたことに等しいです※。 ※ もしここで日本がアメリカに資本輸出してなかったらどのようになっていたか、それは円高が発生してアメリカの貿易赤字と日本の貿易黒字が是正されることで収まっていたでしょう。 ・リーマンショック後 それがリーマンショックでアメリカはカネを借りれなくなり、モノが買えなくなりました。 その結果モノが売れなくなり困っているわけです。 ではどうしたらいいのでしょうか? それは誰かがその売れ残ったモノを買い取ってあげることです。 定額給付金は家計にカネをばら撒くことで家計に金を使わせることを目的とした政策です。 また各国は大規模な公共事業を行おうとしています。 公共事業によって売れ残ったモノを使ったり、公共事業によって儲かった人たちがカネを使ってモノを買い取ってくれることを期待しています。 このようにして、カネとモノの流れを分析し循環を保つことがマクロ経済政策の目的です。 ・国内の構造問題から見た今回の問題 そもそも、何故アメリカはそんな多額の経常赤字に苦しんでいたのでしょうか? それは『作っている以上に使っていた』からです。 経済活動は生産・分配・消費で成り立っています。 まあ今回は分配問題は脇におくと、生産と消費で成り立っています。 つまり、皆で作って皆で使っているわけです。 アメリカの場合、作っている以上に使っていたわけです。 作っている以上に使うためにはどこからか輸入しなければいけません(それも輸出以上に)。 輸出以上に輸入するためには代金をどこからか借りなければいけません。 つまり、アメリカ人は借金して買い物をしていたわけですが、アメリカという国全体で見ても借金をすることによって輸入することで国内経済を賄っていたわけです。 これがよく言われているアメリカの過剰消費問題です。 ここで一方で過剰消費による経常赤字国があるということは、一方には過少消費による経常黒字国があると言うことです。 それが日本や中国などです。つまり、日本や中国は使っている以上に作っているのです。ですから、その差額分が貿易黒字として積みあがるわけです。 一時期アメリカが日本に対して規制緩和と内需振興を求めたのは、日本が内需を拡大させ過少消費を解消し経常黒字を是正させれば、アメリカの経常赤字を是正できると考えたからです。 私はアメリカ人の過剰消費は異常だったと思いますし、今回の問題はアメリカの責任は大きいと思いますが、一方で日本や中国だって共犯者だと思いますし、責任はあると思います。 ●地方分権 なぜ地方分権が必要なのかという問題は自由主義の観点から説明できます。 それは地方のことを一番よく分っているのは地方であり、地方のために一番一生懸命働くのも地方だからです。 ですから、地方のことは地方に任せたほうが効率がいいというのが基本的な考え方です。 また、何故今地方分権なのかという問題も前回使った論理で説明できます。 過去日本が貧しかった時には今とは違う様々な問題がありました。 1.日本が非常に貧しく使える資源が少なかった。 2.日本の経済構造が単純で課題も単純だった。 などです。 このような状態では、地方ごとがバラバラに政策を行うよりも、国が一元的に政策を行った方が効率がいいわけです。 昔は、欧米の国々の真似をするだけでよかったので地方の田舎の役人よりも、欧米の事情に詳しい中央の役人の方が必要な課題がよく分ったわけです。 鉄道を作り、港を整備し、電気を通して、工場を建てる。明治時代生まれてから自分の故郷を出たことのない人に電話の便利さは分らないでしょう。 さらに、どこに工業地帯を作るかにしても都道府県でバラバラにやって企業誘致をしあうよりも、国が長期的ビジョンを持ってどこに輸出するならばどこに工場を作るのが最も効率がよいか考えた上で決めた方がいいわけです。 道路を作るにしても都道府県でバラバラに道路を作るよりも国が一元的に道路を作ったほうが効率が良いわけです。 したがって、昔は中央集権の下で強力に国家を改造していく必要があったわけです。 しかし現代では、 1.日本は非常に豊かになり使える資源も潤沢にある。 2.日本の経済構造は非常に複雑なため課題も非常に複雑である わけです。 昔は極限られた資源で本当に必要なものだけを行っていたわけです。 このような時代ではやるべきことは割りと単純なので、中央集権でも問題がありません。 しかし、現代は潤沢な資源を使って人々の満足度を向上させる必要があります。経済政策についてもきめの細かい政策が必要になります。 この場合非常に繊細な判断が必要なので、中央の役所が全国に的確な指示を出すことは不可能なのです。 つまり、現代には当時ほど分りやすい単純な課題はもうありません。そのような単純な問題はとっくに解決されています。 道路も教育も医療もは既に大体揃っていて、今求められているのはさらに道路を良くするか、それとも教育を良くするか、医療を良くするかという問題です。 さらにやり方についても、近代的な手法が圧倒的に効率が良かった時代には、地元の事情よりも何よりも近代的手法を取り入れることが重要だったわけですが、すでに近代的な手法が当たり前になった現代では更にそれをよりよく効率よくやらなければいけないわけです。 これには地元の事情などに詳しくないと出来ません。 したがって、地方のことは地方に任せるしかないのです。 ●人間という生き物の共同・協力活動 >小さい頃から人権思想の価値観を植え込まれているのはこういうことも理由の一つなのですね。 >犯罪が経済においてもマイナスだと納得しました。 犯罪とは一種の共食いですからね。 人々の活動が徐々にそれを抑制する方向に進んでいったのだと思います。 動物には仲間を思いやる性質があります。これは恐らく群れの仲間同士で協力し合うことで個々の生存率が上がるので獲得された能力でしょう。 その能力が最も高いのは間違いなく人間です。 そして人間が築き上げてきた人間同士が協力していくツールが言葉であり、法であり、国家であり、軍であり、宗教であり、金であり、市場であるわけです。 ライオンにも仲間意識はあります。ライオンは舐めたりじゃれたりすることでコミュニケーションをとり協力し合っています。 しかし、それは人間のモノとは比べ物にならないほど低い密度のコミュニケーションであり、したがって少数の群れの中でしか通じず、その連携も中途半端なわけです。 よく『動物は人間のような無駄な争いはしない』とかいう脳みそお花畑な人がいますが、それは嘘です。 動物も無駄、もしくは非道徳的な争いはします。 例えば、ライオンは群れのボスが入れ替わると前のボスの子供を皆殺しにします。 これは無駄な争い、もしくは非道徳的な争いでしょう。 それに対して人間は1億2000万人の人々が暮らしているのに殺人は1200件程度。人口のたった10万分の1です。 ライオンは現在20万頭くらいいるといわれていますが、子殺しは毎年かなりの数殺されているでしょう。 一つの群れには大体4~6頭のメスがおり、メス一匹につき2頭の子供がいるとして計算してみると、一つの群れの雄が入れ替わると4x2=8頭の子ライオンが殺されることになります。 ライオンの子殺しは、たった一つ群れの雄ライオンが入れ替わるだけで日本の犯罪率を軽く抜き去ってしまう水準なわけです。 思い切り少なく見積もって、一年で100の群れでボスが入れ替わるとした場合、そこで発生する子殺しは800頭です。 日本で例えれば、一年に800x12000/200=48万人の子供が殺されているのに等しい水準です。 また、人間は人を殺せば罪悪感を持ちますが、雄ライオンは他の雄の子を殺してもなんとも思わないでしょう。 人間とライオンどちらが残酷で非道徳的な生物でしょうか? このように人間も動物の一つとして客観的に数字で比べてみると、人間の隔絶した凄さが良く分ると思います。 人間は、様々な情報をやり取りすることでコミュニケーションをとっています。 そして金、力、情の様々なモノを使って協力関係を築き、この地球上に60億もの数に増殖し今もその活動は拡大を続けています。 そしてその人間の活動の最も大きなモノが経済活動です。 このように、カネを生物学的なコミュニケーションの一手段だと捉え、他の力(法や軍など)や情(道徳心、宗教心、愛国心など)と並べてみるともっと広い視野でモノが考えられると思います。 蛾がフェロモンで、孔雀が泣き声で、ライオンは力とたてがみで、交尾の相手をひきつけるように、人はカネを使って人を集め協力させます。 すなわち、給料を払うので働いてくださいというようにです(また女性が結婚相手を選ぶときに見た目や年収を参考にするのも同じようなものだと思います)。 最終的には、経済学とは人間という他の生物とは桁外れに高度な生物の行動を分析した行動生物学の一種だともいえると思います。 このような観点で動物行動学や心理学の本を読んでもなかなか面白いです。

bellabella
質問者

お礼

goottttさん 今回も投稿してくださり、ありがとうございます。 本当にうれしいです。 私がアメリカに住んでいたのは、今回の金融問題が起こる前の 景気が良い時期だったので、そこで目にしたアメリカ人の消費の凄さに 私はアメリカは日本とは比べられないくらい豊かだなぁという印象を持っていました。 ご近所のアメリカ人は持家の資産価値が上がったからと言って 借金をしてキャンピングカーやヨットなどを買っていました。 それを聞いて、私はそんなものはいつまでの続かないのになぁ????と思っていました。 アメリカでは良い意味でも悪い意味でも誰もが 自然と借金を作るシステムが出来上がっていると思います。 私が新車を買いに行った時の事ですが、ディーラーでキャッシュで一括で買いたいと言うと 「ローンで買ってくれなきゃ、うちは儲からないのでキャッシュでは売りたくない」と断られました。すごく驚きました。 あの横柄なディーラーの人たちは今のこの車の売れない時期どうしているのかと思うと、いい気味だと思い笑えます。 地方分権にしろ沢山の問題があるのに今の政治家のダメっぷりには残念な思いで一杯です。 県知事など県民に支持されて当選された人の方がいい仕事をしている気がします。 いっそのこと、国民投票で大統領を決めるようには変えられないものなのでしょうか?←大真面目です。 最近「経済は感情で動く」という本を読みました。 人間の行動は心理的要素が殆どですよね。面白いと思います。 今回も面白い話をありがとうございました。

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