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英国貴族の使用人→執事と家庭教師
某執事マンガから生まれた疑問です。 執事は使用人 家庭教師は上流階級出身(舞踏会でお嬢様とのダンスも許される身分) というセリフがあって、気になりました。 日本では、平安時代に「女房」が家庭教師兼世話係だったはずなので、明らかに身分が低いと思うのですが、 イギリス(マンガの舞台は19世紀ビクトリア朝)ではどうだったのでしょうか? 良家の子女が、「家庭教師としてなら労働する」という価値観があったのでしょうか?
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- sinnai00
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こんにちは。 質問者さんが今も見てらっしゃるかどうかは分かりませんが…。 No.1さんがおっしゃているとおり、 女性家庭教師(ガヴァネス)の地位は決してよいものではなかったようです。 表向きは家庭教師ですが、陰ではなんと言われていたことやら。 ヴィクトリア朝で、「本物のレディ」は自分でお金を稼ぐこととは無縁でした。 小さいころは父親が、結婚したら夫が養ってくれます。 なのでレディでありながらも働くガヴァネスたちは見下されていました。 それに対して男性家庭教師(チューター)はかなり丁寧に扱われたようです。 調べてみたところ、家族同等の扱いと書かれたものもありました。 おそらく仕事内容は同じだっただろうに、性別だけで随分差があったようです。 お給料もだいぶ違ったとか…。 実際にチューターがダンスを許される身分かどうかは不明ですが、 質問者さんがおっしゃる漫画と現実は、異なるところがあるかもしれません。 あくまで「ヴィクトリア朝のイギリスをモデルにしたパラレルワールド」ですから。 なんちゃって。
- sudacyu
- ベストアンサー率35% (687/1961)
No2です。 そうですね、サウンドオブミュージックも家庭教師ものですが、時は第二次世界大戦直前、ナチスドイツのオーストリア併合の時期です。ビクトリア朝時代より、100年位のちのことになりますね。 同じミュージカルなら、イギリスがインドを植民地にしていた頃の「マイフェアレディ」にも執事は出てきます。家庭教師は出てきませんが。 尚、平安時代の「女房」といっても、家庭教師が務まるような「女房」は、主人が最高権力者や親王などにつく場合で、女房も貴族階級出身です。(紫式部や、清少納言など) 普通の貴族につく女房は、単なる世話係でしょう。
- sudacyu
- ベストアンサー率35% (687/1961)
ミユージカルの「メリー=ポピンズ」を見ることをお勧めします。 主演女優:ジュリーアンドリュース、主演男優:ディック=ヴァン=ダイクで1960年代に映画化された、1930年代の古典的名作ミュージカルです。 アカデミー賞5部門を取り、ソフトはいつでも入手できます。最近の図書館に行けば、ビデオ・DVDの鑑賞設備があるところが多いので、無料で見ることができると思います。 あらすじは、ズバリ「ビクトリア朝時代の銀行家の家に、子供二人の住み込み家庭教師として、メリー=ポピンズという魔法の使える不思議な女性がやってきて・・・・・」というものです。 音楽とダンスエンターテイメントが好きなら、見て後悔することはないと思います。
- buchi-dog
- ベストアンサー率42% (757/1772)
19世紀のイギリスで、「中産階級」出身の女性が、生活のために働かねばならなくなった場合に、世間から後ろ指を差されずに就くことのできる唯一の職業が「governess (住み込みの家庭教師)」でした。 この仕事は、言葉が「governer (総督、知事)の女性形」であるのが興味深いですが、要するに 「良家の子女を親の代りに厳しく躾け、一人前の紳士(淑女)に育て上げる」 仕事です。「子供を監督する女性」という意味で、governess と呼ばれたのでしょう。 執事ほかの使用人は、能力が適切であれば出自は特に問われず、中産階級より下の労働者階級出身でも差し支えなかったわけですが、governess はそうは行きません。 上流階級(主に貴族)出身のgovernessはまず有り得ませんが、『中産階級』出身で、 「自らが淑女としての教育を受けている女性」 でなくてはなりませんでした。 何故かと言うと 「淑女としての教育を受けていない者が、紳士・淑女を育てられるわけがない」 からです。当たり前ですよね。 「『中産』階級」というのは、日本で言われる「中流階級」ではなく、もっと社会の上層の部分を指します。 例えば、 地主 実業家 大学教授 官僚 陸軍将校、海軍士官 医師 弁護士 などが典型的な「中産階級」です。 こうした家庭の娘は、通常は同じ「中産階級」の家に嫁ぐことになり、一生仕事はしないわけですが、「父親が急死し、残された財産が少なく生活のために仕事をしなければならない」といった場合に、governessの仕事に就いたわけです。 ただ、「雇われた家に住み込む」という仕事の性質上、governessとは名ばかりで、女中の仕事を強いられるような例も珍しくはなかったと言われています。いくら良家の出身とはいえ、governessの職を求めざるを得ないということは「経済的に逼迫している」わけで、雇い主の命令を毅然と断って職を辞すことが出来ない場合も多々あったでしょう。 governess については、絶版ですが、下記の本があります。古書で簡単に入手できますので一読をお勧めします。 ガヴァネス(女家庭教師)―ヴィクトリア時代の「余った女」たち (中公新書) 川本 静子 (著) http://www.amazon.co.jp/dp/4121012046/ また、シャーロック・ホームズ物語の中には、governess がホームズの所に相談に訪れる、という話がいくつかあります。 例:ぶな屋敷 (The Adventure of the Copper Beeches) http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%B6%E3%81%AA%E5%B1%8B%E6%95%B7 これを読んでも、governess がどういう職業であったか理解する助けになるでしょう。
お礼
丁寧なご回答をいただいておきながら、お礼が遅れて、申し訳ありませんでした。 やはり、高貴な方に労働は向かない(望まない)ものなのですね…
お礼
「メリー=ポピンズ」ですか!意外なところにヒントがあるものですね。 そういえば「サウンド・オブ・ミュージック」も、 マリアは最初、家庭教師だったのでは…?(うろ覚えですが) お礼が遅れて申し訳ありませんでした。