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なぜアメリカはサブプライムローンを組んだのですか?

noname#76629の回答

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noname#76629
noname#76629
回答No.7

 こんにちは。No.6で回答した者です。丁寧なお礼をいただき、ありがとうございます。疑問にどこまで答えることができるかわかりませんが、もう少し書き加えてみることにします。  AAA等の高格付けを有する債券といえども、不履行(デフォルト)の可能性は皆無ではありませんから、何らかのリスク回避措置を検討するべきというのはおっしゃるとおりです。最近よく耳にするCDS(Credit Default Swap)というのはまさにそのための手段の一つで、保有する債権を対象とするCDSを購入しておけば、借り手が破綻した場合でも保証を受けることができます。仮に百万円貸し付けてあるとし、元本について保証料率が1%であるとすれば、CDSを一万円購入することで、元本については完全に保証されることになります(利払いまで保証してくれるCDSがあるかどうかはわかりません)。  CDSの興味深いところは、一般的な債務保証とよく似ているようですが、実は借り手と貸し手がまったく関知していなくても、商品が組成され、取引されることです。CDSの購入者はCDSが対象とする債権の関係者とは限らず、たとえば全くの第三者がある企業を対象とするCDSを購入し、その企業がまもなく倒産したとすれば、CDSの購入者は相当の利益を上げる可能性すらあります。こうなるとある企業が事業を継続していけるのか、それとも倒産してしまうのか、巷間で勝手に賭け合っているのと大して違わないのではないかという気もします(一頃のイギリスで盛んだった、著名人の生死に勝手に賭け合う「生命保険」を連想します)。  CDSは一種の保険と見ることもできると思いますが、市況が激変して、保険者側が多大な支払請求に見舞われたときにどこまで機能するものなのか、地震保険に共通する問題を有しているようには思います。  CDSにしろ他のリスク回避措置にしろそれ自身コストを要することですから、将来好ましくない状況が生起する可能性が幾分かはあるといっても、実際にこういった手立てを講じるかどうかは、社会経済状況、債権保有者自身の予想、リスク選好度に大きくよるであろうと思います。リスクを回避するためのコストが、リスクを負うことによって生ずる可能性のある利益をすべて食いつぶしてしまうとすれば、リスクはヘッジされないか、そもそも何もしないかどちらかでしょう。  リスクのある商品をなぜ販売(購入)したか、との問いにはリスクのある分(たとえば国債などに比べて)利回りがよかったはずだ、と答えます。ハイリスク・ハイリターンの原則から言って、高利回りの金融商品については「リスクが高いのではないか」と覚悟するのが筋道です。格付け会社が与えた高い評価を信じたのにという投資家については、金融商品の担保になっている住宅ローンの性格を考慮することなく格付けを信じてしまう方が悪いと言ってやるべきです。そんなことは分からないし、調べることもできないではないかという人もいるでしょうが、それなら政府が全力で保護するといっている利子のつかない当座預金にでも預け入れるべきですし、政府の言うことなんか信用できるかというのならタンス預金です(政府を信用しない人間が、現金(信用通貨)は信用するというのは少し変ですが)。  合衆国の不動産価格について、「いつまでも騰勢一方であることなどありえない、いつか下落する」ということはいろいろな時期に様々な人が発言していました。こういった「金言」を聞き入れて、利益の出ている状況で取引を手仕舞った投資家もいるはずですが、こういう人はたいてい黙っていて、「自分は儲かった」などとは決して言わないものです。また結局破綻に追い込まれたり、公的救済を受けることになった金融機関でもほんの数年前までは空前の利益を上げていたものです。そういった時期に大手金融機関の経営者が「サブプライムローンに関わる取引からは一切手を引く」と言うことができたか、あるいは発言したとして株主総会が終わった後でも経営者でいられたかどうか、自分が同じ立場にあったとして、大きな収益を現に上げている事業から撤退する決断ができるかどうか私には自信がありません(石油はいずれ枯渇する、だからトヨタやホンダは自動車事業からいつかは撤退するとしても、その「いつか」がいつなのか現時点で正確に予想できる人はいないでしょう)。  

dpdr4
質問者

お礼

有難うございました。 最後の、例えも良くわかりました。 資本主義というシステムそのものが、リスクを回避する能力が完全ではないのですね・・・。 利益を追求して拡大し続けなければ行けないと言うテーゼに、現実との矛盾があるのでしょうか?

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