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経済後退と騒がれていますが、日本への影響はどのくらい?

omegerの回答

  • omeger
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回答No.2

----------------------------------- ■欧米で深刻なのは金融市場の機能不全 ----------------------------------- 直近のアメリカ経済の事態の悪化は、 株価指数から推し量ると過小評価になるかと思います。 特定の金融機関に集中して暴落が起こるのは大問題ですが、 ダウ工業平均などの指数は、過去2年の平均から見るとまだ大きく落ちておらず、 火中にある割に、驚くほど健闘していると考えることさえできます(1)。 ところが、欧米の金融機関の状態は極めて深刻であり、 もし中央銀行の「臨時輸血」が停止されれば大惨事になりうる状態です。 手元の資金繰りに恐れをなした金融機関は、動かせる資金をかき集め、 危ない投資先を避けよう、危ない投資先から身を引こうと行動しています。 株式以外の金融市場の受けたダメージは大きく、 企業は社債・CP・銀行貸出で資金を調達するのが難しくなりました。 今後、倒産が続出して失業者が増大する可能性は大いにあります。 米政府はこの問題をリーマン危機後の1~2週間の 単発的ショックに抑えることに失敗し、 今後も緊迫した状態が続くと見るならば、 アメリカの実体経済が、本格的に悪化していくのは時間の問題かもしれません。 ヨーロッパの市場規模はアメリカとほぼ同等のサイズがあるので、 欧州経済が悪化すれば、米国危機の2倍に被害が広がるということになります。 回復する時期は、2009年後半とか2010年とか言われていますが、 定かなことは現時点では分かりません。 去年の今頃なら「2008年夏~秋位までには回復する」と 予想していた人も多かったりしましたが、先の見通しは不透明です、 もちろん、各国政府やFRB、ECBがこの状態にどう対処していくかで、 未来は大いに変わることになります。 残るは、中国や東南アジア、他の新興国の経済が、 どれくらい衝撃に耐えられるか次第でも変わりますが、 これも現時点では方向性を確固と予想しづらいように思います。 ----------------------------------- ■日本で深刻なのは、実体経済の悪化 ----------------------------------- 日本では、金融機関の状態はまだ欧米ほど深刻ではないでしょうが、 それでも、実体経済は以前考えられていた以上に険悪になりました。 夏になってから月次経済統計は大幅な悪化を示しています。 まだ状況を確実に捉えるほどデータは揃っておらず、 これから悪化しないことを祈りたいところですが、 鉱工業生産は8月に大きく減少しており(2)、 事実上、景気後退に入っているという見方が強くなりました。 世界的な景気低迷に、住宅価格・株価の下落、 原油・食料高騰を受け、家計が貧しくなったと感じた内外の消費者は、 家電やIT機器、自動車などの耐久財を、 選別的に「特に」買い控えるようになりました。 これらの耐久財は、日本や東アジアから輸出されるものが多いため、 被害がこれらの地域に集中する可能性があります。 産業の見通しはますます悪化しており、今後、 製造業の間で人員削減や倒産が続出する可能性はあります。 2001年にアメリカと同時に日本や東アジア経済も苦境に陥れた、 ITバブル崩壊とも類型化できるかもしれません。 為替リスクとしては、1998年夏のロシア/LTCM危機の時のように(3)、 資金巻き戻しが引き金になって突然2割以上も円高が進行すれば、 景気の底が割れてしまうリスクは考えられうるかもしれません。 原油・資源・食料価格の下落が景気悪化を抑える効果はありますが、 どれだけ巻き戻せるかが現時点では読めません。 インフレに苦しむ東南アジアなどの途上国にとっては大きい朗報ですが、 資源国の景気は資源価格が下落するほど悪化しますから、 資源国向けの輸出が悪化する因子もあります。 まだ日本の失業率は大きくは上がっていないかもしれませんが(5)、 企業の人員削減を行うまでにはタイムラグがあり、 これから失業率は上がっていき、賃上げも遠のく可能性は高いです。 ただし、現時点では大方の機関は、景気後退は底は浅く、 回復に長い期間を要するものではないと評価しています。 (こういうのが当たるかどうかは分かりませんが) ----------------------------------- (1)株価指数の変動 (2008年10月÷2006~2007年平均) インド(SENSEX) -3% アメリカ(ダウ工業) -11% ドイツ(DAX) -12% アメリカ(S&P500) -16% 中国(上海総合*2008年9月) -16% イギリス(FTSE100) -20% 日本(日経225) -32% (2008年10月÷2008年1月平均) アメリカ(ダウ工業) -18% アメリカ(S&P500) -21% イギリス(FTSE100) -24% 日本(日経225) -25% ドイツ(DAX) -27% インド(SENSEX) -36% 中国(上海総合*2008年9月) -55% (2)鉱工業生産(各国統計より) (前月比季節調整値) 4月 日本-0.2% アメリカ-0.5% EU+0.2% 5月 日本+2.8% アメリカ-0.1% EU-1.3% 6月 日本-2.2% アメリカ+0.2% EU-0.2% 7月 日本+1.3% アメリカ+0.1% EU-0.3% 8月 日本-3.5% アメリカ-1.1% EU- (前年同月比) 4月 日本+1.9% アメリカ+0.9% EU+3.9% 中国+15.7% 5月 日本+1.1% アメリカ+0.2% EU-0.2% 中国+16.0% 6月 日本 0.0% アメリカ-0.1% EU-0.5% 中国+16.0% 7月 日本+2.4% アメリカ 0.0% EU-1.3% 中国+14.7% 8月 日本-6.9% アメリカ-1.7% EU- 中国+12.8% (3)ロシア/LTCM危機と為替相場(実質実効為替レート、大きいほど通貨高、1996-97年平均=100、BISより)  円キャリーの逆流で円高が急に進行し、不況を長引かせる要因になった 1998年 7月 日本 90 ロシア107 1998年 8月 日本 88 ロシア 92 1998年 9月 日本 93 ロシア 60 1998年10月 日本102 ロシア 59 1998年11月 日本103 ロシア 61 1998年12月 日本104 ロシア 56 1999年 1月 日本108 ロシア 53 (4)2008年の為替相場(実質実効為替レート、大きいほど通貨高、2006-07年平均=100、BISより) 2008年 1月 日本 99 アメリカ93 ユーロ圏104 2008年 2月 日本 98 アメリカ92 ユーロ圏103 2008年 3月 日本103 アメリカ92 ユーロ圏106 2008年 4月 日本100 アメリカ90 ユーロ圏108 2008年 5月 日本 99 アメリカ90 ユーロ圏107 2008年 6月 日本 96 アメリカ91 ユーロ圏106 2008年 7月 日本 96 アメリカ90 ユーロ圏106 2008年 8月 日本 95 アメリカ93 ユーロ圏103 2008年 9月 日本 99 アメリカ95 ユーロ圏102 (5)失業率 (完全失業率、季節調整値、各国統計より) 2月 日本3.9% アメリカ4.8% EU6.8% 4月 日本4.0% アメリカ5.0% EU6.8% 6月 日本4.1% アメリカ5.5% EU6.9% 8月 日本4.2% アメリカ6.1% EU6.9%

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