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水素化物の結合角のついて。

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回答No.3

「結合角の違いはpとsの混合具合によるという説明」でいいのではないでしょうか。 もちろん、2sと2pを混ぜるよりも4sと4pを混ぜる方が起こりにくいのはなぜか?という疑問に簡単明瞭に答えることができたら、もっとよいと私も思います。ですけど、話はそう単純ではないようです。 L. Pisani and E. Clementi, "Relativistic effects on sixth group hydrides" J. Chem. Phys. 101, 3079-3084 (1994). http://dx.doi.org/10.1063/1.468470 という論文に、H2S>H2Se>H2Teの順で結合角が小さくなるのは、第3周期<第4周期<第5周期の順でsとpのエネルギー準位の差が大きくなるからである、という説明がありました。これは#2さんの推測どおりです。しかしH2OとH2Sの結合角が大きく違う理由として、以下のようなことが書かれています("We argue that the reason is to be found in"のニュアンスがいまいち分からなかったのでパラグラフごと引用しました)。 The reason for the anomalous angle in the water molecule must be different, because in passing from H2O to H2S the s-p gap decreases. We argue that the reason is to be found in the fact that the 2p level of oxygen is lower than the hydrogen 1s level, whereas the 3p energy of sulfur is higher than it (Table III) making the hybridization process energetically more expensive. 「酸素の方が硫黄よりもsとpのエネルギー準位の差が大きいのだから、H2Oの結合角がH2Sよりも大きくなるのは、sとpのエネルギー差からは説明できない。酸素の2p軌道のエネルギーが水素の1s軌道のエネルギーよりも低いのに対して、硫黄の3p軌道のエネルギーは水素の1s軌道のエネルギーよりも高いから、H2Sでは混成が起こりにくくなっているのだろう」ということらしいです。引用文中の Table III は軌道エネルギーの表で、この表は例えば 藤永茂著「入門分子軌道法 : 分子計算を手がける前に」講談社 (1990). http://webcatplus-equal.nii.ac.jp/libportal/DocDetail?txt_docid=NCID%3ABN04307689 の71ページの表6.2で代用できるので、興味があれば見て下さい。 「硫黄の3p軌道が水素の1s軌道よりもエネルギー的に高いので混成が起こりにくい」ということは、質問者さんのおっしゃるように電気陰性度(もうちょっと正確に言えばイオン化エネルギー)が関係しているのだと思うのですけど、水素の1s軌道よりもエネルギー的に高いと混成が起こりにくくなるのがなぜなのかは、私には全く分かりません。役立たずでごめんなさい。 なお、入門分子軌道法の「おわりに」に興味深い一文がありますので、手に取る機会がありましたら読んでみて下さい。

rairaikenn
質問者

お礼

回答ありがとうございます。もう少し分子軌道についての本をいろいろみたいと思います。

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