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時制はおおまかに現在・過去・未来があり, それぞれ主に該当する時期の事柄について述べています. つまり, 過去時制は単純に「過去にこのようなことがあった」ということを述べる時制です. そして「完了」が加わると, 「その時期より前にあったことが影響を及ぼしている」ということを意味します. 従って, 現在完了時制では基本的に現在のことを述べているのですが, 「それが過去に起こった出来事に影響を受けている」という意味も付加されています. 例えば単なる過去形の My watch was lost. だと「過去のある時点で時計を失くした」という意味であり, 今現在その時計を持っているかどうかについては言及していません (つまり見付かったかもしれないし, 今も持っていないかもしれない). これに対し現在完了で My watch has been lost. とすると「現在時計を失っている」ということのみならず, それが「過去のある時点で時計を失くした結果である」ことも意味します. さらに現在形の My watch is lost. は「今現在時計がない」ということだけを意味していて, 「昔に失くしていて今もまだ見付かっていない」のか, 単純に「どこに行ったかわからない」だけなのかは区別しません. なお, 現在完了も過去形のように訳すことがしばしばありますが, これはどちらかというと日本語の「過去」と「完了」が似たような形になってしまっているだけであり, 基本的に違うものなのだという意識が必要だと思います. でもって, 現在完了より前は過去完了になります. 過去より前の時制は主文と従属文で時制を一致させるときにしか現れないのですが, その場合には (「さらに過去」という時制が存在しないため, ある意味しょうがなく) 過去完了を使います.
