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アクリジンオレンジによる生死判定

大学院の研究室で病原菌の細胞の生死判定を行っています。 最近、アクリジンオレンジが生死判定に用いられるという話を聞き、 この試薬について論文やネットを通していろいろ調べているのですが、 何故この試薬が生死判定に使われるのかよく分かりません。 今のところ、分かった情報は、 ・DNAと結合すると緑色蛍光を呈する。 ・RNAと結合すると赤色蛍光を呈する。 ・pHによって染色の仕様が異なる。 ・生細胞に試薬を処理しても排出されるので染色されない。 ・アポトーシスの検出にも用いられる。 といったことなんですが、 何色に蛍光したら生きているのか、あるいは死んでいるのかといった 肝心な情報が全く見当たらず、途方に暮れています。 どなたか、この試薬と細胞の生死の関係について詳細に教えて いただけないでしょうか? お願い致します。

みんなの回答

回答No.3

生細胞で全体が染まるのは、ひょっとすると細胞壁にAOが吸着しているのかもしれません。励起波長によってはAOは核酸にカップリングしなくても光るので、それが見えているのかもしれません。 U/B/Gというフィルターセットはどんな波長特性なのか、ちょっと調べてみましたが、分かりませんでした。でも、ひょっとしてUV励起でしょうか。紫外域だとフリーのAOは光ります。核酸にカップリングしたAOおそらく、500 nm前後の青色光で励起するのがよく、RNAをみるなら650 nm(赤色)、DNAをみるなら525 nm(青色)を通すフィルターで観察する必要があります(ひょっとしてU/B/Gは赤色を通さないのでは?)。 それと、AOで死細胞を染めた場合、かなり急速に色素が抜けたり退色したりします。染色後速やかに観察し、できたら即写真を撮った方がいいです(励起光でどんどん退色するので)。

tomyankun8
質問者

お礼

何度もお付き合い頂きありがとうございます。 私の選択したU/B/Gというキューブですと、緑色の励起光が発せられ ました。 蛍光観察して、菌の姿が確認できたのは、 このキューブとWIGというキューブを選択した時だけだったと 思います。 ちなみに、普通に明視野で菌を観察すると、 胞子の中が橙色に染まっていたので、AOが細胞内に入り込んだのは 間違いないと思います。 今度、菌をエタノールなどで殺してからAOを処理し、 全キューブで観察してみたいと思います。

回答No.2

念のため、観察に使った光学系を教えてもらえませんか。 励起波長、蛍光波長のバンドパス、観察方法(肉眼で覗いているか、カメラを使っているか)。 細菌自体に自家蛍光があると思いますし、核酸に結合していないAOも蛍光性をもちます(結合すると励起波長、蛍光波長がかわる)。細菌の場合は動物細胞などと違って細胞壁や外膜があるので、そういうところに染色性があるのかもしれませんね。

tomyankun8
質問者

お礼

再びご回答ありがとうございます。 私の扱っている病原菌は、細菌ではなく真菌(糸状菌)になります。 顕微鏡は、オリンパスB202で、使用した蛍光キューブはU/B/Gという ものです。顕微鏡には撮影用のカメラが差し込んであり、 観察は肉眼でレンズを覗いて行いました。 U/B/Gというキューブで観察すると、橙色と緑色の2色が映るのですが、 WIGというキューブで観察すると、橙色蛍光は観察されますが緑色蛍光 は映りませんでした。

tomyankun8
質問者

補足

http://oshiete1.goo.ne.jp/qa4118190.html?ans_count_asc=20 上記のページにおいても触れたのですが、 実はアクリジンオレンジに限らず、ヨウ化プロピジウム(PI)や トリパンブルーなど他の死細胞染色試薬を用いた実験でも、 明らかに生きている細胞が一番よく染まるという結果になって しまいました。 蛍光観察の仕方が適切でないと、このような事態になったりするの でしょうか?

回答No.1

細胞が死んでいなければDNAもRNAも染まらないわけですから、何色であろうと蛍光が出たら死んでいるということです。実際には細胞内にはDNAよりRNAのほうが一桁くらい量が多いですので、RNAの蛍光(橙色)のほうが優勢でDNAの蛍光は区別できないとでしょう。 精製したDNAとRNAを染色するとか、DNAが核に詰まっている真核生物で、組織切片の核が緑色、細胞質が橙色の蛍光に染まるとかいう場面では区別できると思いますが。

tomyankun8
質問者

お礼

ご回答ありがとうございます。大変参考になりました。 補足にもある通り、明らかに生きている細胞が橙色に蛍光するという 矛盾した結果となってしまいました。 明視野で観察しても、細胞の中が橙色に染まっていました。 研究室の先生は、アクリジンオレンジをはじめとする蛍光試薬を使った 実験は難しく、予期したとおりにならない場合も多々あると言っていましたが・・・。

tomyankun8
質問者

補足

早速、実験を行いました。 水のみを処理した病原菌(生きた細胞)にアクリジンオレンジを処理して蛍光観察したところ、何故か細胞全体が橙色に蛍光していました。 一方、細胞の呼吸阻害を引き起こすとされる薬剤を病原菌(死んでいる可能性が高い細胞)に投与した場合では、細胞は緑色に蛍光していました。