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燃料電池車の普及について
燃料電池車の普及についてですが、2010年までに5万台、2020年までに500万台と政府は目標として掲げているのですが、実際に達成できるようなことなのでしょうか?
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No.1です。 できませんが、もう少し、丁寧に説明しましょう。 1)政府はなぜ達成できない目標を定めるのか? 政府は、自動車の新エネルギー政策の研究開発を推進するとき、必ず台数目標を出します。 政府の役割は、技術開発をするわけでもなく、日本の国家戦略として新技術がどのくらいのインパクトがあるのかを推定する必要があるからです。 又、各種研究機関も、政府(経済産業省)が国家技術戦略として、研究開発の音頭を取る場合にはベースになる数値を政府に求めます。企業、研究機関が政府に期待するのは、シナリオ(最近の流行の言葉で言えばロードマップ)になります。台数、市場規模、時期を定めてもらわない限り、業種間をまたがる研究の場合、ベースがなかなか定まりません。 このために、出された数字が、103103さんの引用されている数字になります。(但し、現在経済産業省が出している最新のロードマップでは数字を出すのはやめていると思いますが。) 何で、こんなことをするのかと思われるかもしれませんが、別の例で言えば、鳥インフルエンザが蔓延したら、何千万人の犠牲者が出るかとWHOが言っていますね。 これに近いといったら言い過ぎになりますが、基本的な考えは、備えあれば憂いなしということで、最大のインパクト又は効果を想定して数字を出すということです。 したがって、燃料電池に関しても、ビジネスベースで考えたら、この数字を鵜呑みにして、生産投資を行う企業はありません。(生産投資とは生産技術を確立して、生産工場をたて、生産ラインを引くということです。) 但し、投資でも研究開発は別です。これは技術競争で他企業に負けないようにするためです。通常、企業は売り上げの一定割合は、研究投資にまわすのが普通です。そういう意味では、各自動車会社が研究開発を始めた燃料電池の研究開発を行うことは、技術開発の競走上でも自動車会社としては必要なことでした。(研究投資といっているのは製品開発ではありません。実用になるかどうか分からないが、研究をしておく価値のあると判断されるものです。) 国が自動車関係で提示した目標台数としては、電気自動車で過去30年間に、3回出されています。いずれにしてもその台数は達成していません。 政府の数値目標というものは、そういう性格のものだということを理解してもらえればと思います。 2)燃料電池の技術課題 燃料電池の技術的な課題はものすごくあって、簡単に書くことはできません。 只、聞かれたたときに、ひとことで説明しているのは、「燃料電池は最高の電池であるが、最も高く、扱いにくい電池であるということです。」 現在、電池の性能が必要な、コンピュータや携帯電話でさえまだ、実用化していません。コンピュータや携帯では、直接メンブレンと呼ばれる幕にアルコールをかける方式が主流で開発されていますが、これでもまだ実用化していないのが実情です。 現在、コンピュータ、携帯のほとんどで使われているLi-ion電池が電気自動車の市場でリース販売し、テストが始まったのが1996年だと思いますが、まだ量産のための投資は始まったばかりいです。電気自動車としての量産ライン品の実用化は2010以降だと推定されています。(当初はプラグインハイブリッドという車が、米国で大量に販売される予定です。この件は、GM、トヨタのトップが公に約束していますから変更はないと思います。) このLi-ionの例を見ても分かるように、燃料電池は、民生用機器で使われてから、実用化まで相当な期間が必要だと考えられます。 先ほどの台数に戻りますが、2008年時点で、コンピュータに使われていないものが、2010年で5万台とはいえないのがお分かりいただけると思います。 3)燃料電池車両に将来性はあるのか? これは非常に難しい問題です。電池そのもののポテンシャルが、非常に高いので、電池の開発は大きなビジネスチャンスになります。このため、非常に多くの開発費が燃料電池そのものに投入されています。 燃料電池そのものは使われるようになると思います。特に宇宙航空用、軍用ではすでに使われています。先ほどの民生機器以外にも、メタンガスを使った改質型の燃料電池は家庭用のコジェネレーター(発電と暖房を兼ね備えたもの)として使われる可能性は十分にあります。 自動車会社の燃料電池の開発も、かなりの部分が電池開発に投入されていたと考えられます。自動車会社は蓄積した技術を、必ずしも自動車ではなく、一般の用途に使用することも考えられるからです。ホンダやトヨタがロボットを作っていると同じだと考えてもらえれば分かりやすいと思います。 自動車に応用する場合、技術課題は、山のようにあります。自動車技術というのは、理論があってはじめて応用開発を行うものです。しかしながら、燃料電池に関しては、水素の貯蔵方法について、科学的な目処がまだ十分に立っていないのが実情だと思います。可能性のある水素貯蔵の候補はいくつかありますが、まだノーベル賞級の発明がいると思います。 そういう意味からすれば、水素貯蔵方法の発見があってから、技術開発に数年程度、更に自動車への応用上の問題点、特に安全性の確認、コストダウンの生産投資に相当な時間がかかります。それから水素インフラの建設になります。もちろん水素インフラを作るためには、製造から流通、そして水素スタンドまで大変な開発と投資が必要になります。 その意味から考えて、少なくとも50年間は量産が実現することは難しいと思われます。
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- subtanaka
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絶対に達成はできません。 燃料電池の価格が高くて、寿命が短い。車に使う水素燃料タンクも価格が高く寿命も短い。 水素燃料の価格も高く、供給施設も高い。 車検における安全基準も整備されていない。 屋内型車庫で燃料電池車を保管する場合に燃料の水素ガスが、漏れた場合の安全対策も必要である(渋谷の温泉施設爆発事故並みの危険性がある)。 私は、こんな車には乗りたくありません。
- aburakuni
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また同じ回答者で申し訳ない。 日本で走行している燃料電池車は2007年で約50台、全てが水素充填型でその水素充填所は13ケ所と言うのが実情です。 そもそも燃料電池の利点は、燃料を使って電気を発生させるので蓄電する必要が無いという事であり、電気自動車についての「走行距離を得るには大量の蓄電が必要で、その蓄電器が重量を増すので走行距離が減る。」と言うジレンマや、「コストの大半が蓄電器であり、その寿命が2年程度」と言う欠点を克服できる為に開発が急がれた訳です。 しかし燃料電池車の開発については、当初行なわれたメタノール~ガソリンまでの多様な燃料から改質器で水素を取り出し、その水素を燃料電池に供給して電気を取り出す方法が実用化出来ませんでした。 欧州ではメタノール使用、米国ではガソリン使用が研究されたのですが、結局は改質器の不要な直接水素を貯蔵するタイプで「燃料電池車の実用化が成功した」と言うトヨタ・ホンダの発表で開発競争の幕引きが行なわれてしまいました。 真の意味で燃料電池が実用化されているのは定置式燃料電池で、大型の臨時発電所から、小型の住宅用の灯油・都市ガス使用タイプまでが利用され始めています。 燃料電池車についての直接水素充填型は、電気の貯蔵と言う難題を水素の充填・貯蔵と言う難題に置き換えただけのものです。 水素は元素中で最も軽く、エネルギー密度が低いもので、液化するには零下250度以下が必要で、スペースシャトルの爆発事故から判る様に取り扱いが途轍もなく危険です。 従ってきっちりとした供給インフラが建造されなければ、実走行に応じた水素の供給が行なえませんが、その様なインフラを今から造るには実需要がまだ見込めないと言う問題があります。 零下250度以下や350気圧以上という貯蔵条件により、水素の取り扱いには法的制約があり、霞ヶ関における試験走行車への水素充填所は、午前中のみ臨時開所というスタイルが採られ、実用には程遠いのが実情です。 従って今は打ち捨てられている様に見える、改質器内蔵型の「燃料」を使用する燃料電池車が実現されない限り、燃料電池車が突然普及し出す事は無いと思われます。
やっていたから言えますが、ありえません。