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旧約聖書のうち最初に成立した文書は?

frisk_blue_loveの回答

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回答No.2

1) おそらく最古の「文書」と考えて差し支えないと思われます。 ところで、何を以って文献の成立時期を確定するかはかなり難しい問題です。原本が出土すれば良いのですが、羊皮紙などは腐食しやすくとても期待できません。そこで、記述の内容や他の文献に引用された形跡があるか、などから推測するしかありません。(当たり前ですが、王などの人名が記されていれば、その王がいた後の時代の編纂と分かりますよね。ダビデの業績を書いた文書は、ダビデの死後でなければ成立できませんから) 預言書の第一章は、通常「誰が=預言者名」「どの時代に=誰が王であったか」神から言葉を預かったか、が書かれています。それらによれば、おそらく最古の預言書の一つであろう、と考える合理的な理由があります。(王の名前や他国の名前などから推測、例えばダニエル書はネブカドネツァル王=紀元前605年即位、以前に書けるはずがありません) 勿論異論もあり、モーセ五書と呼ばれる創世記~申命記までが最も早く成立したと主張する人もいます。 ただ、他の回答者さんが指摘していない事を書いておくと、ヘブライ語のアルファベットはおそらく紀元前13世紀ころにはあったらしい、のでそれ以前に起源を求めるのはトンデモ説だと言えます。伝承はあっても聖「書」ではありませんから。(ちなみに現存する最古のヘブル文字による文書はゲゼル農事暦だと言われています。紀元前10世紀ころの物です)・・・逆に言えばそれ以降であればいつ成立していても不思議ではないとも言えます。正直言って、「多分」最古の文書の「一つ」でしょう、としか言えないのが現状です。 2)スライドの(4)と(5)は聖書以外に証拠が無さそうですが、他の図はほぼ間違いない=歴史的事実でしょう。とは言え、(4)が無ければ(5)も成立しないでしょうし、(5)が無ければ(6)が突発的に成立するかどうかは疑問です。国を建てるには、それなりの力=人口が必要ですから。 3)たぶん良いと思われます。 分裂していて、別々に王がいましたから独立国家とお考えになって良いでしょう。具体的には、同盟国であった国が戦争をする時に援軍として参戦する事はありましたが、後のローマの支配下と違い軍事権や裁判権が束縛されていた証拠はありません。現在の日本並で良いでしょう(隣の大国の機嫌を損なえば軍事的に滅ぼされる可能性があるのも一緒です) ところで、エジプトのアテン信仰がユダヤの一神教の起源であると主張する意見及び、エジプト人の信仰がユダヤ教に影響を与えている、という主張がありますが、おそらく違うと思います。理由として、イスラエル人の名前に「アテン」や「アメン」などが全く含まれていないからです。古代の人々は、自分の名前に信仰する(加護を期待する)神々の名をよく用いています。イクナ「アトン」とかツタンク「アメン」とか「アメン」ホテプとかです。ところが、ユダヤ人の人名ではxx「エル」とか「ヤー」○○とか△△「ヤー」などの名前が非常に多いです。エルは神を意味しますし、「ヤー」や「ヤ」又は「イェ」などはユダヤ教の唯一の神に対する呼びかけです。この名前の一部に神の名を用いるのは、古代オリエント各国共通の傾向である事は知っておいた方が良いと思います。 余談ですが、これらの事を考えるには総合的な知識が絶対に必要です。例えば、古くには六韜(虎の巻で有名ですね)という中国の兵法書は太公望呂尚が書いたと信じられていましたが、呂尚が活躍した時代には無かった戦車の戦い方の説明や「将軍」という成語を用いている事から、後世の偽作である事が判明しています。最近では、徳富蘇峰が紹介した「天正使節団の報告書」(日本人の奴隷が50万人も海外に売られているとした内容)も明治時代の造語である「文明」という単語を用いている事から信憑性は非常に低い物だと知られています。 こういった多面的な考察こそ、学問の楽しみですし、こじつけやトンデモ説からご自分を守るのに必要な事だと思います。 長文失礼しました。参考になれば幸いです。

sono-higurashi
質問者

補足

これは補足ではありません。お礼文としては長すぎだそうで、こちらに記します。 1 に関して >>おそらく最古の「文書」と考えて差し支えないと思われます。 分かりました。今日の書籍で言えば版が重ねられていて、その都度加筆訂正があったとしても核が変わらなければ初版の価値が大きな意味をもつのに似ているでしょうか。 この手の質問は回答者泣かせで、どこで線引きをするのかが難しく見かけ上の表現が違っていても実は同じことを述べているということは珍しくないのだと思います。どういう回答を得たかは回答者の責任でなく解釈する側の責任なのだと思います。古い時代の歴史は、比較の上でいえばアモス書に、よく反映している理屈になる筈だと、これは私の責任でそういうことになりそうです。 2に関して (4)と(5)に慎重を要するということは、かなり重要なところに慎重さを求められる訳で困りました。といっても伝承を丸ごと信じて少しも困らないよりは、困った方が何百倍も良いですね。 3に関して 分かりました。アモス書、ホセヤ書、イザヤ書などを読む際のたすけになるでしょう。 アテン信仰のユダヤの一神教への影響はないであろうこと、これには言語学の立場から傍証の一つを挙げられること。このご主張はわかりました。 今日只今の私のもっている印象を述べます。 ・一神教の起源を知るには最原始宗教、アテン神、ゾロアスター教、ユダヤ教が視野から外せなそうなこと。 ・アテン信仰がユダヤの一神教の起源である可能性が生じるためには、何はさておき必要条件の一つとして、出エジプトが何らかの意味で史実であること。 今の私には、出エジプトが史実であるか否かが白紙なので、アテン神のユダヤ教への影響も自動的に白紙です。 当面、これまでのご回答で十分な気がしていますが寄稿の準備をされている方があってはいけないので、早くても16日(日)までは締め切らないでおきます。 有り難うございました。またの機会にもよろしくお願いします。 ・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・ 以上のお礼を14日21時53分以前に送信したものとばかり思っていました。お礼を書く前に次の質問を投稿することはない習慣にしているからです。送信されていないことに16日6時44分に気付きました。お礼をする前に次の質問をしてしまったことになり、これは主義に反するのでお詫びより何より自分に対して大変嫌な思いをしています。深くお詫びを申し上げます。

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