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飽和蒸気圧の式について
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> なぜこのような公式が導きだされたか 経験式なので、深く考えなくてもいいです。 飽和水蒸気圧の実測値は、理科年表などに数表の形で載っています。しかし、数表だけだと何かと不便ですので、ちょっとくらい不正確になっても、飽和水蒸気圧を簡単な数式を使って計算することができると便利です。 そこで、まず飽和水蒸気圧が E = E0 * 10^(a * t / (b + t)) ……(A) という形の関数で表されると『仮定』します。そして、実測された飽和水蒸気圧をよく再現するように、パラメータ E0, a, b を選びます。その結果、E0=6.11, a=7.5, b=237.3 と選んだときに、この関数が実測値をよく再現することが分かったので、この式は飽和水蒸気圧を求める式(のひとつ)として使われるようになりました。 ですので、「どうしてこのような数値になっているか」という問いの答えは、そのような数値が実測値をよく再現するから、ということになります。 このように、実測値をよく再現するように決められた式のことを、「実験式」とか「経験式」とかいいます。パラメータの意味づけは、できるときもありますし、あまり深く考えてもしかたのないものもあります。この式では、E0 には0℃のときの飽和水蒸気圧 6.11hPa という明確な意味があります。それに対して、パラメータ a, b については、以下で示すように水の気化熱(モル蒸発エンタルピー)に関連づけることができるのですけど、かなり複雑になります。 蒸気圧曲線の傾き dE/dt は、クラウジウス-クラペイロンの式を使うと、気化熱 L と関連づけることができます。煩雑になるので途中の式は省略しますけど、参考URLのQ&AのANo.1の式(2)を使うと、蒸気圧曲線の関数形が E = E0 * 10^(a * t / (b + t)) のとき、t℃の気化熱 L が L = a*b*2.303*8.314*((t+273.15)/(t+b))^2 J/mol ……(B) で与えられることを示すことができます。この式に、a=7.5, b=237.3, t=25 を代入すると、L = 44 kJ/mol となって、他の実験から求めた値とよく一致します。この気化熱 L を求める式(B)は、式(A)とは違って、実験式ではない、ということにご注意ください。式(B)は、「ある実験により決めたパラメータ a,b と別の実験で決めたLを結ぶ、理論的な関係式」と読むこともできますし、「蒸気圧曲線から気化熱Lを求める理論式」と読むこともできます。 ふつう、公式の導出が大事になるのは、理論的な関係式の方です。経験式がなぜそんな形をしているのか、については、非常に興味深い問題であるとは思うのですけど、「いろいろな因子が絡み合って結局そのような形になっている」という結論に落ち着くことが多いので、あまり深く考えなくてもよいのではないかと思います。
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- debukuro
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t/(273.3+t) これは絶対温度に換算するためです 気体に関する計算では必ずと言ってもいいくらいに頻出します 他の項は実験によって求められたのです 化学に関する方程式はほとんどが実験から導かれたものです
お礼
とても参考になりました。 絶対温度に換算する式は覚えておきます。 本当にありがとうございました。
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お礼
とても親切で分かりやすい内容のご回答ありがとうございました。 経験式は、そんなに深く考えなくても良いのですね。 とてもとても参考になりました。本当にありがとうございました。