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飽和蒸気圧について

質問です。圧力計が付いた密閉容器に水を入れ、外部から100℃以上に加熱して内圧を観察するという実験を行ってみました。その結果、内圧は水の飽和蒸気圧から予想される圧力の1/3程度までしか上昇しませんでした。この原因として、圧力計が付いた装置上部では水蒸気が冷やされ、予想した飽和蒸気圧が表示されなかったと考えました。この解釈が合っているのかどうか教えて下さい。よろしくお願いします。

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  • jamf0421
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回答No.4

No1、No3です。 >加熱温度は約150℃であり、装置構造上、加熱は装置下部のみだけ >で全体を目的温度に保つことができないという現状です。したが >って、単純に水の凝縮の影響だと推測しました。 普通のオートクレーブはゲージ部分は室温です。それで十分実験ができます。150℃ですと水蒸気が約4.7気圧と水の上の空気の膨張分が1気圧からの圧増分ですね。計算上ゲージ圧で5気圧近くなりますね。 No3にThermomolecular Pressure Differenceの記述をしましたが、その影響は小さく、主としては単純な力の釣り合いが問題です。ゲージ側と器の側で圧力が(ほぼ)同じということです。この考え方によりNo3で書いたような真空ラインでサンプル部分だけを加熱したり、冷却したりする固体へのガス吸着実験が普通に成立しているのです。 >また、水の凝縮が影響して想定されるゲージ圧力が得られてない場 >合は、そのゲージ圧から計算される水の温度≠器内における実際の >水の温度(=加熱温度)という認識でよろしいのでしょうか。 連結した二つの部分のガスの圧力が異なって定常状態になっているとしたら、原因は繰り返しになりますがThermomolecular Pressure Differenceです。しかしその影響は質問者さんの系では小さいものと考えます。 ですからもし圧力が計算値の1/3しかないのならば、(1)器内の温度測定(熱電対)が正しくないか、(2)ゲージが正しくないか、(3)器内の容積の1/3分いれた液体の水が全て蒸発してしまっているかです。 (3)の”全て蒸発”は、容器が密閉が完全で蒸気が漏洩しない限り可能性はないです。(空気は無視して)m ccの容器の1/3だけ水を入れ、これを423 Kに加熱してすべて蒸気になってしまったとするとその圧力は P={(m/3*18.015)*8.31*423}/m*10^(-6)=65.04*10^6(Pa) になります。これは平衡蒸気圧より遥かに高いです。しかし液体の水が器内からすべてゲージに移動して凝縮しているならば、”すべて蒸発”の条件が成立しています。

pivot-N
質問者

補足

大変遅くなりました。そして、迅速な回答ありがとうございました。 本装置はオートクレーブというよりは単なる圧力容器といった方が正しいと思います。そして、器内の温度は測定できないため、器内の温度=バス温(オイルバスを使用)と仮定しております。 つまり、容器体積の1/3に水が入っておりその箇所のみ加熱されております。他の容器部分+ゲージは外気にさらされている状態です。

その他の回答 (4)

  • jamf0421
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回答No.5

>本装置はオートクレーブというよりは単なる圧力容器といった方が >正しいと思います。そして、器内の温度は測定できないため、器内 >の温度=バス温(オイルバスを使用)と仮定しております。 >つまり、容器体積の1/3に水が入っておりその箇所のみ加熱されて >おります。他の容器部分+ゲージは外気にさらされている状態です。 それですと私のImageが間違っておりました。ゲージだけ室温で、あとは150℃になっていると思い込んでおりました。(そういう系だと系の圧はほぼその温度の水蒸気圧になるはずだったのです。) 質問者さんの系ではオイルバスから上の部分は急激に温度が下がり、容器内は温度勾配と圧力勾配をもつと思います。水は温度が下がって容積も減りますが飽和蒸気圧も下がって凝結します。高温の水蒸気は液体の水になり循環し、熱が下から上に定常的に流れる系となります。その系ですと当初の質問者さんのお考えで定性的な説明がつくと思います。(つまらぬ回答を書き却ってお手間を取らせてすみませんでした。)

pivot-N
質問者

お礼

こちらこそ、私の説明不足のせいで大変お手間を取らせてしまいました。そして、色々と考察していただきありがとうございました。

  • jamf0421
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回答No.3

No1です。不適切なところがありましたので訂正します。 >厳密に言えばゲージ部分と容器の温度差があった時、それにとも >なう圧力差があってよいのですが、 と書きました。 温度差がある系が連結されたときの圧力差の議論は、比較的平衡に近い条件ならThermomolecular pressure differenceと申します。単位時間あたりのEntropy Productionが力(たとえば熱を流す力は絶対温度の逆数の差、物質を流す力は化学ポテンシャルを温度でわったものの差です。)と流れ(熱なら単位時間あたりの熱流、物質なら単位時間あたりの物質流)の積になりますが、平衡に近いと、流れと力が線型になります。今の場合二つの部分、加熱された容器とゲージで温度が違っていることを想定します。この時以下の論理で若干の圧力差が生じます。熱のながれをJ1, 物質の流れをJ2としたときに J1=-L11ΔT/T^2-L12vΔp/T J2=-L21ΔT/T^2-L22vΔp/T です。Onsagerの相反定理により係数についてL12=L21となります。ここでJ2=0、つまり物質の流れは行きと帰りで同じになったとしますと、 L21ΔT/T^2=-L22vΔp/T ですから、 Δp/ΔT=-L21/L22vT となります。しかし実はこの値はそんなに大きくなっていないはずです。 >100℃にごく近い条件では測定誤差の影響の程度もあるので質問 >者さんの言われる要因がどの程度効いているのか判断が難しいと >思います。 と書きましたが、Thermomolecular Pressure Differenceで説明するのは難しく質問者さんの解釈の可能性はあまりないと思います。 例えば、固体へのガス吸着実験では容積既知真空ライン側からガスを固体サンプル容器側に広げて圧をはかり、吸着量を出します。この時、固体サンプル容器の側の温度を電気炉、液体窒素入りデュワー瓶などで実験者が設定し、これを吸着温度として行います。しかし気体を導入する真空ライン側は室温を保持したままで、固体サンプル側と連結し、真空ライン側で圧力をはかります。この圧(平衡圧)は固体側も同じ、とします。即ち等しい圧でつりあっていると看做すのです。大抵の場合これで十分です。 今の場合、100℃以上での水は昇温後も容器の中に十分に存在している形の実験でしょうから、それと平衡な水蒸気圧が気相にあるはずです。ゲージ側が低温になっていれば、そちらに向かって熱流は生じますが圧力としては基本的には水の入った容器と同じと考えるのが普通と思います。実際No1で書きましたようにオートクレーブの水熱合成で設定温度と水の飽和蒸気圧とは辻褄があります。 もし水を加熱したあとで液体の水が残っていないのなら、水の平衡蒸気圧なるは意味がなくなってしまいますが...

pivot-N
質問者

お礼

詳細な理論的考察をしていただきありがとうございました。 そして、説明不足で申し訳ございません。加熱温度は約150℃であり、装置構造上、加熱は装置下部のみだけで全体を目的温度に保つことができないという現状です。したがって、単純に水の凝縮の影響だと推測しました。 また、水の凝縮が影響して想定されるゲージ圧力が得られてない場合は、そのゲージ圧から計算される水の温度≠器内における実際の水の温度(=加熱温度)という認識でよろしいのでしょうか。 よろしくお願いいたします。

回答No.2

●自分の場合、100℃まではいかないので水銀柱の高さで気圧を測定すればよく、測定自体は楽だったのですが、反応系の圧力を測定する際にうまくいきませんでした。 ●原因を考えていくと、反応系が試験管のサイズ~50ml以下、それに対して水銀柱気圧計までの経路に用いられているガラス管~50ml、そして水銀柱気圧計のガラス管が内径5mmφで≒15ml(大体のウル覚えの数値ですので・・・)、実は測定する対象よりもそちらの体積の影響が大きいことがわかり、その体積分の補正を行って正しい値をえることができました。(大学入試でよく解かなければならないような解法でしたが、大学入試の学力が役に立った、生涯ただ一度の「貴重な」体験でした。) ●途中に結露とかがなければ、測定したい対象に対して測定装置がどの程度の影響を与えるかも検討してはいかがでしょうか。測定装置そのものの仕組みや装置内の残存気体とかが影響しているかもしれませんね。(測定値が小さくなっているとのことで、これとは同じではないでしょうけれど)それから測定の方法を工夫する方法が見つかるかもしれませんし・・・。

pivot-N
質問者

お礼

ご回答ありがとうございました。 使用しているオートクレーブは、装置下部の水が入っている箇所のみ目的温度で外部から加熱されているのですが、装置上部は加熱が行われていないため水の凝縮が起こっていると想定しています。 また、少し教えて欲しいのですが、体積分の補正とはどのような計算を行えばよろしいのでしょうか。因みにこの条件では、器内の全容積の約1/3が水で他は空気という条件です。 よろしくお願いいたします。

  • jamf0421
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回答No.1

ゲージは通常1気圧で表示がゼロで、そこからの増分を表示します。設定温度が100℃のほんの少し上ならば予想される増分からのずれが見出されるかも知れません。その意味は、厳密に言えばゲージ部分と容器の温度差があった時、それにともなう圧力差があってよいのですが、100℃にごく近い条件では測定誤差の影響の程度もあるので質問者さんの言われる要因がどの程度効いているのか判断が難しいと思います。 また通常のオートクレーブの水熱合成などで100℃から離れた120℃とか150℃の条件で圧力測定をしますと、大体水の飽和蒸気圧から予想される圧の値がでてきます。もしこの程度までの昇温をしているのならゲージがおかしいか、容器全体を昇温できていない疑いがあると思います。

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