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周波数特性について

npnトランジスタでベース接地がエミッタ接地に比べて周波数特性が良いのはなぜでしょうか?詳しく教えていただけませんか?よろしくお願いいたします。

みんなの回答

  • inara
  • ベストアンサー率72% (293/404)
回答No.3

分からないところがあれば、質問を締め切らずにまた質問してください(質問があるか、時々見ておきますので)。

  • inara
  • ベストアンサー率72% (293/404)
回答No.2

以下に詳しい計算結果を書いておきますが、OPアンプでもトランジスタでも、外部にフィルターなどを付けない素子単体の特性には    増幅率×周波数帯域幅 = 一定 という性質があります。ベース接地回路では電流増幅率はほぼ 1(1より小さい)、エミッタ接地回路では 100 程度なので、この法則から、エミッタ接地の周波数帯域はベース接地の1/100になります。 (ベース接地回路の高周波特性) npnトランジスタを使ったベース接地回路の高周波等価回路は図1のようになります。    ← I1    ← Ie        ← Ic = α*Ie  E ───┬─ Re ─┬─┬─ ← ── C        │      │  │        └─ Ce ─┘  │          ← Ie - I1   │                  Rb ↑Ib                  │   ──────────┴─────                  B   【図1】 ベース接地回路 Re はエミッタ等価抵抗 [Ω]、Ce はエミッタ等価容量 [F]、Rb はベース等価抵抗 [Ω]、コレクタの←は電流源です。コレクタの電流源に流れる電流 Ic [A] は、 エミッタ等価抵抗 Re に流れる電流 Ie に電流増幅率 α( 0 < α < 1 ) をかけたものになります。つまり    Ic = α*Ie --- (1) となります。 一方、エミッタ等価容量 Ce を流れる電流 Ix とエミッタ等価抵抗 Re に流れる電流 Ie の和はエミッタ電流 I1 になるので    Ix + Ie = I1    → Ix = I1 - Ie つまり、エミッタ等価容量を流れる電流は、図1に示したように、I1 - Ie になります。Re と Ce の両端の電圧は等しいので    Re*Ie = ( I1 - Ie )/( j*ω*Ce ) --- (2) が成り立ちます。ω は角周波数で ω = 2*π*f です( f は周波数 [Hz] )。式(2)を変形すれば    I1 = ( 1 + j*ω*Ce*Re )*Ie --- (3) となります。 ベース接地回路での電流増幅率というのは、エミッタ電流 I1 に対するコレクタ電流 Ic なので、式(1)、(3) から   A = Ic/I1 = α*Ie/{ ( 1 + j*ω*Ce*Re )*Ie }       = α/( 1 + j*ω*Ce*Re )       = α*( 1 - j*ω*Ce*Re )/{ 1 + ( ω*Ce*Re )^2 } 電流増幅率の大きさ |A| は   |A| = [ α*√{ 1 + ( ω*Ce*Re )^2 } ]/{ 1 + ( ω*Ce*Re )^2 }     = α/√{ 1 + ( ω*Ce*Re )^2 } 直流( ω = 0 )での電流増幅率 A0 は、上式でω = 0 とした値で   A0 = α になります。 0 < α < 1 なので、ベース接地回路では、電流増幅率は 1 より小さくなります(増幅にはなっていない)。 回路の高周波特性というのは、どの周波数まで増幅できるかということを表していて、普通は、直流での増幅率の1/√2 倍になる周波数(遮断周波数)で表現します。したがって、その遮断周波数のところで |A| が 直流での値 A0 の 1/√2 になるのであれば   α/√{ 1 + ( ω*Ce*Re )^2 } = α/√2 を ω について解けばいいわけです。   → ω*Ce*Re = 1   → ω = 1/( Ce*Re )   → f1 = 1/( 2*π*ω ) = 1/( 2*π*Ce*Re ) --- (4) (エミッタ接地回路の高周波特性) エミッタ接地回路の高周波等価回路は図2のようになります。これは図1のエミッタとベースの位置を入れ替えただけで、回路的には同じです。    Ib →        ← Ic = α*Ie  B ─── Rb ┬─ ← ── C           │           ├─┐         Ie↓Re Ce ↓ Ib - ( 1 - α )*Ie    ─────┴─┴───           E  【図2】 エミッタ接地回路 これもベース接地と同じような計算でできます。 ベース電流 Ib とコレクタ電流 Ic ( = α*Ie ) を足したのが、Re を流れる電流 Ie と Ce を流れる電流に等しいので、 Ce を流れる電流は、図2に示したように、 Ib - ( 1 - α )*Ie となります。Re と Ce の両端の電圧は等しいので    Re*Ie = { Ib - ( 1 - α )*Ie }/( j*ω*Ce )    → ib = ( 1 - α + j*ω*Ce*Re )*Ie --- (5) エミッタ接地回路での電流増幅率 B は、ベース電流 Ib に対するコレクタ電流 Ic ( = α*Ie ) なので、式(1)、(5)から    B = Ic/Ib = α*Ie/{ ( 1 - α + j*ω*Ce*Re )*Ie }        = α/ ( 1 - α + j*ω*Ce*Re )        = α*( 1 + α + j*ω*Ce*Re )/{ ( 1 - α )^2 + ( ω*Ce*Re )^2 } 電流増幅率の大きさ |B| は    |B| = α/√{ ( 1 - α )^2 + ( ω*Ce*Re )^2 } 直流(ω= 0)での電流増幅率 B0 は、上式でω= 0 とした値で   B0 = α/( 1 - α ) --- (6) になります。 0 < α < 1 なので、α < 0.5 なら B0 < 1、0.5 < α なら B0 > 1 となります。普通は α = 0.99 程度なので B0 = 99、つまりエミッタ接地回路では非常に大きな電流増幅率となります。 エミッタ接地回路での遮断周波数は、|B| が 直流での値 B0 の 1/√2 になる周波数なので   α/√{ ( 1 - α )^2 + ( ω*Ce*Re )^2 } = α/{ ( 1 - α )*√2 }   → ω*Ce*Re = 1 - α   → ω = ( 1 - α )/( Ce*Re )   → f2 = 1/( 2*π*ω ) = ( 1 - α )/( 2*π*Ce*Re ) --- (7) ( ベース接地とエミッタ接地の周波数特性の比較 ) 1/( 2*π*Ce*Re ) というのは、式(4)のベース接地回路での遮断周波数 f1 なので、式(7)は   f2 = f1*( 1 - α ) つまり   f1/f2 = 1/( 1 - α ) 0 < α < 1 なので   f1/f2 > 1 となって、ベース接地がエミッタ接地に比べて周波数特性が良くなります。通常 α = 0.99 程度なので   f1 = 100*f2 つまり、ベース接地回路の周波数特性はエミッタ接地の100倍程度よくなります。 ( 増幅率×周波数帯域幅=一定 となる理由 ) 式(4) と式 (7) をここに書き写すと    f1 = 1/( 2*π*Ce*Re )    f2 = ( 1 - α )/( 2*π*Ce*Re ) 式(6) から    B0 = α/( 1 - α ) なので    α*f1 = B0*f2 = α/( 2*π*Ce*Re ) = 一定 となります。α はベース接地回路での直流電流増幅率、B0 はエミッタ接地回路での直流電流増幅率なので、増幅率×周波数帯域(f = 0 から遮断周波数まで)は一定となります。

osaru-tm
質問者

お礼

丁寧な解説ありがとうございます。よく読んで理解したいと思います。ありがとうございました。

  • inara
  • ベストアンサー率72% (293/404)
回答No.1

課題問題だと思いますが、どういう切り口の説明が必要でしょうか。   ・トランジスタのベース走行時間などを考えたデバイス物理的な説明   ・高周波等価回路を使った回路的な説明

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