日本が「治安が良い」と言われる所以は？

質問

日本は世界の中でも「治安が良い国だ」と言われますが（最近は悪くなってきているようですが）、日本が治安の良さを尚維持している、その理由は何なのでしょうか？他国に比べてこれと言って特別な措置をとっているわけでもないし・・・。どうなのでしょうか。ご存じの方が用いましたら、是非教えて下さい。

回答No.8

pluto003

ある一側面においての話です。
「割れたガラス窓理論」をご存じでしょうか。
壊れた窓が放置されていたり、落書きがそこら中に氾濫していたり、といった風紀の乱れや小さな犯罪を放置しておくと、そこでの罪悪感が薄れ、徐々に犯罪がエスカレートし治安が悪くなり、やがてはその街は警察や住人の監視のない場所だと判断され、犯罪組織が寄り付くようになったり、凶悪な犯罪が当然のようになったりするというものです。
そしてこの理論を応用して、治安を劇的に回復させ、効果を上げたニューヨーク市長の話が有名です。
NYは1990年アメリカ最大の犯罪多発地帯となっており、社会問題化していました。当時ニューヨークでは地下鉄や駅のホームや車両など、おびただしい数の落書きで覆われていました。「割れたガラス窓理論」の応用からすべての落書きを消すという提案がなされたのに対し、「まずは犯罪を取り締まるべきだ」と猛反発にあいながらも、落書き消しや軽犯罪の取り締まりといった、じみ～な政策が断行されて行きました。
４年後、凶悪犯罪は約半分にまで激減し、犯罪の温床と呼ばれた地下鉄でも治安が回復していきました。

そこに来て日本は、異常なまでのきれい好きで清潔を重んじる国民性と文化があり、今もそれは多くの人に受け継がれていたり、企業文化にも反映されています（衰退している面もおおいですが）。年末に「大掃除」という習慣があったり、抗菌材使用のボールペンがよく売れたり、といったことろがわかりやすい例でしょうか。
明治時期などに日本を訪れた西洋人は、貧しい者から裕福な者まで皆がきれい好き、掃除好きな日本人の姿に驚き、その記録が書物文献などにも残されています。

私には、この二つに関連性があるように思えてなりません。
きれいで清潔であるといった、環境整備が人によい影響を与えるといったところでしょうか。
江戸の清潔好きについても同じです。当時、ロンドンやパリでは人糞が窓から投げ捨てられ馬糞と並んび町のあちこちに点在し、石炭など暖房を多用していたため黒煙が町を汚し、非常に不衛生な都市でした。スラム街もあり治安もよくありませんでした。対して、江戸では町組織が整備され清掃整備がなされ、100万人口都市で当時世界一の巨大都市でありながらやはり治安も比較的よく町も清潔でした。

（ある一面と書いたのは、それまでの長引く不況から脱出し、90年代初頭からアメリカは景気が回復しており、一概に「割れたガラス窓理論」のみで治安回復とは結論付けはできないとも思うためです）