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フランス文学の文章

フランス文学を勉強しているのですが、次の一文の後半の意味が取れなくて困っています。ルソーの新エロイーズの一節です。 Ses yeux se sont tout a fait fixes sur ses trois enfants, et son coeur, ravi dans une si delicieuse extase, animait son visage de tout ce que la tendresse maternelle eut jamais de plus touchant. 彼女の目は完全に自分の三人の子供たちに注がれた。そして、えも言われぬ恍惚の中で歓喜した彼女の心は、~彼女の素敵な顔を生き生きとさせていた。 de tout ce que 以下の「顔」に係ってくる部分の訳がうまく取れません。それぞれの単語の意味や単純過去が使われているのは分かるのですが、どう上手く訳してやったらいいのやら…。 訳だけでなく、解説もしていただけたら助かります。それから、私が訳している部分で不適当だという点もありましたらご指摘ください。 そして最後に、フランス文学の原文を読み解くにあたり心がけることや何かアドヴァイスがありましたらお願いします。

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  • Parismadam
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回答No.2

こんにちは。8/29のご質問ではご丁寧なお返事を有難うございました。 ご質問1: <de tout ce que 以下の「顔」に係ってくる部分の訳がうまく取れません。> この部分を文法的に分析すると以下のようになります。 (1)de:「原因」「起源」を表す前置詞で、animait son visageの原因を、「~のために」「~で」と修飾しています。 例: ne pas sentir de joie 「喜びで我を忘れる」 (2)tout:「全ての」という形容詞です。次の名詞ceを強調的に修飾しており、意味は「全ての~こと」となります。 (3)ce:「こと」「もの」という指示代名詞です。次のqueと一緒に用いられると、「~ところのこと(もの)」となります。 (4)que:関係代名詞の目的格で、先行詞はすぐ前のceになります。この先行詞は関係詞節内では、eut<avoirの目的語になっています。 例: ce que j’aime. 「私が好きなこと」 ce=「こと」はaimerの目的語になります。 (5)以上を踏まえてこの部分を直訳すると 「~という全てのことを備えた(顔)」 となります。 ご質問2: <私が訳している部分で不適当だという点もありましたらご指摘ください。> よくこなれた訳だと思います。かなり勉強されているのが見てとれます。 (1)Ses yeux se sont tout a fait fixes sur ses trois enfants「彼女の目は完全に自分の三人の子供たちに注がれた」: 直訳はこれで問題ありません。fixeのニュアンスをもう少し伝えてもいいかもしれません。 例: 「3人の子供を目に入れても痛くないほど、目に焼き付けるようにじっと見つめた」 (2)son coeur, ravi dans une si delicieuse extase, animait son visage「えも言われぬ恍惚の中で歓喜した彼女の心は、~彼女の素敵な顔を生き生きとさせていた。」: 主語が無生物主語になっていますが、このような場合の模範和訳は、目的語(通常は人)を主語にしたわかり易い和訳にすることです。ここでは、動詞animaitの目的語がson visageになっていますので、これを主語にして訳します。 例: 「彼女の心はえも言われぬ恍惚の中で歓喜し、その表情は、生き生きと輝きを放っていた」 ただ、原文のダイレクトなイメージを残すために、複雑でもわざと無生物主語構文のまま訳すテクニックもあり、それは翻訳者の主観に委ねられ、その出来具合が翻訳者の力量の判断となります。 (3)animait son visage de tout ce que la tendresse maternelle eut jamais de plus touchant.: (直訳)「母性の優しさがこれ以上ないというほど感動を与える、ということ全てによって、彼女の顔に輝きを与えた」 → (意訳)「母性愛というものが、これほどまでに感動をもたらすものだという実感をかみしめ、彼女の表情は生き生きと輝いた」 (4)以上を踏まえて全訳は (直訳)「彼女の目は完全に自分の三人の子供たちに注がれた。そして、えも言われぬ恍惚の中で歓喜した彼女の心は、母性の優しさがこれ以上ないというほど感動を与える、ということ全てによって、彼女の顔に輝きを与えた」 → (意訳)「3人の子供を目に入れても痛くないほど、彼女は目に焼き付けるように子供達をじっと見つめた。彼女の心はえも言われぬ恍惚の中で歓喜に溢れ、母性愛というものが、これほどまでに感動をもたらすものだという実感をかみしめながら、彼女の表情は生き生きと輝いていた」 ぐらいになります。 ご質問3: <そして最後に、フランス文学の原文を読み解くにあたり心がけることや何かアドヴァイスがありましたらお願いします。> フランス語の知識もさることながら、歴史や時代背景は大切です。読みながらその風景を思い浮かべながら、「推理」していくことも読解のヒントになると思います。 また、フランスの文学作品は修辞のオンパレードと言っても過言でないほど、言い回しや修辞技法を凝らしています。それは、沢山文学作品を読みこなすことで、慣れてくるでしょう。例えば、ご質問文のような文章も、「詩人」「仙人」の領域と言えるほど、高度で重厚な文体になっています。 今回は文法的に解析しましたが、文学作品を読むときはそんな無骨な分解作業など考えず、作品の流れを壊さないように、ムードをつかむことが大切だと思います。 頑張って下さい。バカンス先の仏ノルマンディーより、、、 以上ご参考までに。

faire
質問者

お礼

今回も懇切丁寧なご回答ありがとうございます。 僕は今大学生で、院試に向けて勉強しています。 ただ、言語学の方に触れていた時間が長かったためか、文章を表面的に捉えてしまいがちみたいです・・・。 Parismadamさんの詳しい文法的な解説はとても分かりやすく、またそれ以上に仏文学読解へのアドヴァイスは、これから仏文学をやっていく上で、大変参考になりました。 まだ未熟ゆえ、これからも頑張って勉強していきたいと思います。 本当にありがとうございました。 ノルマンディーでのヴァカンス楽しんでください。

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その他の回答 (1)

回答No.1

この文章の和訳は、無音の(聴覚を脇に置いて) 視覚の動きを如何に紡ぐかではないでしょうか (母親は歓喜の言葉を忘れるほどの状況と推測) 通常ですと、目は口ほどにものを言いと表現です ここでは、目にはその役割は無く、見ることの 出来ない心とその今ひとつの出口である顔の有様に 焦点が注がれております ご質問のde tout ce que は、単にdeとお考え下さい 顔が何故animerされるかの原因・理由を示しております 文体は前後の文との整合性が必要でしょうから、一つの考え方として 目は、心は、そして、顔は(コレも主語に)と順番に訳し進めること も可能では(目で見て、その情報が心に届き、その心の気持ちが 顔に表れた)と申し上げておきます 既に、お力をお持ちでしょうから、自身で舌頭千回(?)で ぴったっと決まる語句をお探しになる方が宜しいかと凡慮 最後は、母語を含めて出来うる限り分野を 広く読み漁ることではないでしょうか。。。 (コレは、自分への誓いでもあります)

faire
質問者

お礼

ご回答ありがとうございます。 なるほど、どうやら僕は文法事項に捉われ過ぎていたようです。 場面の雰囲気や整合性などを加味して自分なりの訳を模索したいと思います。 あと、最近読書する機会自体なかったので、これを機に様々なものを読み漁りたいと思います。 迅速な回答ありがとうございました。

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