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遮断周波数について

バイポーラトランジスタの周波数応答について次の項目が疑問に思ったのでどなたかわかる方教えてください(できるだけ詳しく) (1)遮断周波数をftと定義すると、このftはどのように定義されるか? (2)遮断周波数ftはベース幅が小さいほど高くなる理由。

みんなの回答

  • inara
  • ベストアンサー率72% (293/404)
回答No.3

(1)遮断周波数をftと定義すると、このftはどのように定義されるか 【定義】 エミッタ接地回路において、コレクタ電流を一定にしたとき、小信号での電流増幅率 β ( = コレクタ電流の変化/ベース電流の変化)は、入力信号の周波数が低い場合には一定値であるが、周波数が高くなるに従って低下する。このとき、β = 1 となる周波数を遮断周波数 ft という。なお、ft は直流電流増幅率にはほとんど依存しないが、コレクタ電流に依存し、ft が最大となるコレクタ電流が存在する。 【解説】 端的に言えば、ft はエミッタ接地回路での電流増幅率 β が 1 となる周波数です。これは○×というトランジスタが決まれば決まるような値でなく、コレクタ電流(バイアス電流)によってかなり変わります。例えば、代表的なバイポータトランジスタの 2SC1815 の場合、資料 [1] に示したように、コレクタ電流 Ic が 50mA のとき ft は最大となり、このときの ft は 500MHz にもなります。コレクタ電流 Ic が小さくなると ft は下がっていきます。コレクタ電流を一定としたときの電流増幅率 hfeの周波数依存は図1のようになります。       β(対数表示)        ↑        | 直流電流増幅率        |  ↓        | ̄ ̄ ̄\        │       \← -20dB/decの傾斜   β = 1 →|        \        └────────→ 周波数(対数表示)                 ↑                 ft 【 図1 エミッタ接地回路での電流増幅率 β の周波数依存 】 この図で β = 1 となる周波数が遮断周波数 ft になります。周波数が低いときは β は一定値ですが、周波数が高くなると、ある周波数から hfe が下がってきます。この下がり具合は一定で、周波数が 10倍 ( decade ) になると hfe が 1/10 に下がる(デシベルで表わすと 20dB 下がる)ような下がり方なので、この傾斜から β = 1 となる周波数を外挿したところを ft ということもあります。 (2) 遮断周波数 ft はベース幅が小さいほど高くなる理由 厳密に言うと、遮断周波数 ft はベース幅だけで決まるのでなく、以下の4つの時間 τ が関係しています。   ft = 1/( 2*π*τ )    τ = τe + τb + τx + τc    τe エミッタ空乏層充電時間    τb ベース走行時間    τx コレクタ空乏層充電時間    τc コレクタ充電時間 このうち、ベース幅に関係しているのがベース走行時間です。ベース走行時間は、ベース幅が同じでもベースの不純物分布で変わってくるので簡単ではないのですが、場所に依らず一定の不純物濃度の場合    τb = Wb^2/( 2*D ) --- (1) で表わされます。Wb がベース幅(正確には物理的なベース幅から空乏層幅を差し引いた幅)、D はベース内での少数キャリア(npnトランジスタなら電子、pnpなら正孔)の拡散係数です。したがって Wb が小さいほど τb が小さくなつので結果的に ft が高くなります。ft を決める要因をベース幅に絞って構わないなら式 (1) を使えばいいでしょう。 資料 [2] に式 (1) の導出方法が出ていますので参考にしてください。なお、 [2] で求めたベース走行時間は、α 遮断周波数 fα (ベース接地回路での電流増幅率 α が直流での値の 1/√2 倍になる周波数)を計算するのに使っています。これと似たものとして、エミッタ接地回路での電流増幅率 β が直流での値の 1/√2 倍になる周波数を表わす β 遮断周波数 ( fβ ) というのがありますが、 fα も fβ も ft とは違いますが、これらの関係は参考資料 [3] のPDFファイル 16 ページを参照してください。実は、この[ 3] のPDFファイル 15 ページに、遮断周波数 ft の定義が出ています(ちょっと簡単すぎる定義ですが)。α遮断周波数の計算式も PDFファイル 9 ページに出ています。 [1] 2SC1815の ft - Ic 特性(pdf ファイル2ページ目の一番下の右のグラフ) http://www.semicon.toshiba.co.jp/docs/datasheet/ja/Transistor/2SC1815_ja_datasheet_020129.pdf [2] ベース走行時間の計算方法(PDFファイル140ページ) http://www.ice.gunma-ct.ac.jp/~mame/kougi/denshi/devicetext.pdf [3] http://masu-www.pi.titech.ac.jp/~masu/titech_kougi/dev_gak/2005/2005-e-v01_web.pdf

  • masudaya
  • ベストアンサー率47% (250/524)
回答No.2

> できれば正確な答えがほしかったです^^: とありますが,1)は電子回路の教科書に記載されていると思います. 2)は概念的には前の回答の通りと思いますが,正確な答えというのであれば,正確な条件を提示しないと不可能と思いますが...^^; まずは,電流が一定の時の電子の速度は求められますか?問題にしているトランジスタはPNPですかNPNですか?トランジスタのベース材料の電子の密度はいくらですか?ベース幅はいくらですか?....などなどの条件を提示しないと正確な答えはわからないと思います. それらをすべて知りたいのであれば,半導体工学などの教科書を見られたほうがいいかと思います.

  • masudaya
  • ベストアンサー率47% (250/524)
回答No.1

なんかの宿題のような気もしますが... 1) これは電子回路の教科書を確認ください. キーワードは増幅回路と周波数に対する増幅率です. 2) ですが,これは半導体工学の本に書かれていると思います. 周波数が高いということは電流が一定の場合,電子の移動距離 が短いということです.(電流が一定ということは電子の速度 が一定)つまりベース幅が大きいトランジスタに, 高い周波数を掛けると,電子がベースの外に出れませんから 増幅できなくなってきます.(1)の回答が少し出てしまった.) 以上から,ベース幅を小さくすると,高い周波数まで増幅できます.

BandetJin
質問者

お礼

回答というかヒントありがとうございました^^ できれば正確な答えがほしかったです^^:

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