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蛍光顕微鏡のこと
蛍光顕微鏡の高感度化、1分子検出が可能になるためにすべきことを教えてください。 よろしくお願いします。
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どうも。 一般論しかわからない人間なんですが、どの程度のお答をご期待し おられるのか?わかりませんのでとりあえず書いてみます。 1)蛍光が強い波長を選択する ・その物質の吸収係数の高い波長を励起光とすること ・励起光が蛍光になるチャンネルがちゃんとあり、 準位の振動子強度が強い波長を選択して測定すること。 ・センサー(たとえばPM)の感度が良い蛍光波長を選ぶこと。 ・前段の分光素子や、本分光に用いる分光器が、蛍光波長で明るい事 2)光学系を明るくすること ・系を乱さない範囲で励起エネルギーを強く設定する。 ・励起光の昭明方法は、サンプルの構造も含めて考え、回折や反射の 強い方向がないか?吟味して選ぶ。 ・蛍光波長で使用可能な対物レンズ、投影レンズを選ぶこと。 特に紫外寄りの場合は、レンズ自体の種類が少なく、色収差も大きい ・蛍光に指向性がない場合は、対物レンズのNAをできるだけ大きく すること。もし液体使用可能な対象なら、油浸式レンズを用いて、NA を1以上にもっていくとよいかもしれない。 ・NAの値と従属関係にあるが、倍率と分光分解能(スリット巾等)は 合わせこんで、必要かつ十分な光学分解能のに合わせこむこと。 ・干渉フィルタを使う時、その指向特性が強い場合には、物体側では なく、像側の広がりの小さいところに入れる。 ・顕微鏡の後で分光する場合、像側NAと、分光器側の等価的なNA が、マッチングしていて、光のロスがないようにすること。 とくにフォトマルを使用する場合は、フォトマルの口径と、必要波長 分解能のトレードオフに気をつけて、ロスを最小限にする。 3)分光器 2次元分光像がほしいか?、点での測定でよいか?によって ニュアンスがだいぶ違うと思います。 ・回折格子方式の時は、使用波長にカットブレーズを合わす。反射率 なども、使用波長近傍でよいものを選び、できれば最適化する。 それが無理なら、格子の使用角度を必要分解能に合わせ、光量ロス を防ぐ。 ・結像光学系も、もし設計できるなら、単純な軸外れアルミ鏡などを 用いず、最適な波長、明るさのものを多層膜プロセスで製作する。 ・帯域が狭くてよい場合、ファブリペロー分光系の帯域幅を最適に 設計する方が明るい場合があります。 3)センサー ・2次元像がほしい時には、機械走査しない限り、CCDは必須になる でしょう。 ・点での測定でよい場合、紫外寄りなら、フォトマルや、チャンネル プレートになると思います。近赤外なら、アバランシPDという手も あるかもしれません。 ・とにかく、最適な波長感度、倍率のものを選び、冷やして熱雑音を 落とすことが、通常の手法です。 ・1フォトン分光の場合には、それに特化した製品選別があるようです。 4)回路 ・1フォトンでない場合は、必要時間分解能に合わせて、帯域制限を かけることがS/Nを有利にもっていくために必要でしょう。 ・1フォトンの場合は、よほど慣れた方以外は、できあいの物を買って きているのではないでしょうか? ・初段アンプのインピーダンスを帯域にあわせてどう設定するか? が一般的に一番重要なのは、アンテナ回路、センサ回路などと同様 です。 ・永い時間、安定に存在する分子なら、ロックインアンプで信号選択 することがありえるでしょう。 ・過渡的分子などで、時間プロフィールに特徴がある信号なら、 ボックスカー積分を行い、光照射後、一定時間後に来た光のみを蓄積 平均化する手法が考えられます。 ・いずれにしろ、これらの手法は、点での分解能(時間信号)しか 現状はないわけでして、もし、CCD(2次元画像)でこの処理を したいとすれば、新たなチャレンジということになるかもしれません。 以上、ほんと、一般論で申し訳ないんですが、とりあえず お考えの点検シートくらいになれば幸いです。 では。