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積分の変形
大学を出てから独学で物理数学を勉強しています。 読んでいた本で下記の変形を見たのですが、sinθ を(2/π)θに変形して<=としている部分がよく分かりません。 ∫exp(-Rsinθ)dθ <= ∫exp{-R(2/π)θ}dθ [積分範囲0~π/2] 何らかの定理でしょうか? ご教授お願いいたします。
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これは複素積分の話ですね. 留数定理を使って実関数の定積分を求めるときなどに, 上半面の大円Γ(半径 R>0)に沿う積分がゼロになることを示すときに 出てくる不等式で,Jordan の不等式という名前がついています. y=sinθ と y=(2/π)θのグラフを描いてみましょう. 両方とも(0,0)と(π/2,1)を通り,この間 y=sinθの方が上にあります (sinθは上に膨らんでいるのだから). つまり (1) sinθ≧(2/π)θ (ただし,0≦θ≦π/2) です.したがって (2) R sinθ≧(2/π)Rθ (ただし,0≦θ≦π/2) から (3) exp(-R sinθ)≦exp(-(2/π)Rθ) (ただし,0≦θ≦π/2) あとは積分して (4) ∫{0~π/2} exp(-R sinθ) dθ ≦∫{0~π/2} exp(-(2/π)Rθ) dθ =(π/2R) (1-exp(-R)) →0 (as R→∞) ----------------- 被積分関数 f(z) の R→∞ に対する振る舞いを (5) |f(z)| ~ 1/R^k として,k>1 なら積分路の長さだけの考察で大円からの寄与がゼロになるのを簡単に示せますが, 0<k≦1 だと状況はもう少し微妙です. そこで使われるのが本質問の Jordan の不等式というわけです.
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- rangeru
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θ=0のとき sinθ=0 (2/π)θ=0 θ=π/2のとき sinθ=1 (2/π)θ=1 で両端が一致しています。そして、sinカーブを思い出せば両端以外は常にsinθのほうが大きいことがわかります(微分して変化の具合をみてもわかる)。したがって、θが0~π/2の範囲で -Rsinθ ≦ -R(2/π)θ であるので、 ∫exp(-Rsinθ)dθ ≦ ∫exp{-R(2/π)θ}dθ が成り立ちます。
お礼
回答ありがとうございました。参考になります。
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