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活性メチレン基のヒドロキシル基
タイトルがおかしいかもしれませんがご容赦ください。 不飽和脂肪酸の自動酸化において、二重結合に挟まれた メチレン基(活性メチレン基)と結合したヒドロキシル 基は特に不安定であるという知見があったのですが、 これはなぜでしょうか?
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実験事実としてΔ9、Δ13位に-OOHが結合したものができるということは、Δ11位に-OOHが結合したものが不安定であるということと、必ずしも同じ意味にはなりません。 つまり、反応機構として、最もラジカル的に引き抜かれやすいものはΔ11位のHです。しかし、生じたラジカルに関しては、その共鳴により、Δ9、Δ11、Δ13位において反応が起こる可能性があります。つまり、生じた不対電子はΔ9、Δ11、Δ13位に非局在化することになります。 つまり、下式(見づらいかもしれませんが)のような非局在化がおこるということです。 ・ ・ RーCH-CH=CH-R’←→RーCH=CHーCH-R’ 結果的にΔ9、Δ11、Δ13位の3カ所の反応点が生じることになりますが、Δ9とΔ13で反応した場合には、共役二重結合(-CH=CH-CH=CH-)が生じるのに対して、Δ11で反応した場合にはそれが生じません(-CH=CH-CH(OOH)-CH=CH-となる)。 一般に、共役二重結合系は非共役二重結合系に比べて安定であるために、通常は、それを生じる反応の方が起こりやすいことになります。 すなわち、そもそもの話として、Δ11のHが引き抜かれたとしても、Δ9とΔ13での反応の方が起こりやすいということだと思います。 上述のような二重結合の移動は一般に「アリル転位」と呼ばれるもので、ラジカル反応のみならず、カチオン、アニオンを経由する反応でも起こります。
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- anthracene
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普通、活性メチレンというと、1,3-ジカルボニルのメチレンのようにカルボアニオンを発生しやすいメチレン基を言います。 つまり、できるものはペンタジエンでヒドロペルオキシ基が置換しているということですか。 9or13位置換体だと、ジエンは共役型なんですよね。 それだと、単純にジエンの安定性だけでも説明できるのではないでしょうか? 反応としては、仮に11位置換体が生成しても、熱力学的に安定な9or13位異性体に異性化するのですよね?
補足
なるほど・・・・活性メチレン基について誤解していたようでした。 ご回答ありがとうございます。
普通の有機化学用語としてはそういうのを「活性メチレン」とは呼ばないと思います。・・・と、取りあえずはあいさつがわりのツッコミを入れておきますが。 さて本論ですが、一般的に自動酸化の際には、そのメチレンにくっつくのはヒドロキシル基(-OH)ではなく、ヒドロペルオキシ基(-OOH)だと思うのですが・・・もしかして、-OOHの間違いではないでしょうか。一般論としてヒドロペルオキシ基は不安定ですし、それがアリル位に結合していることも不安定化の原因になってるかも知れません。 もしかすると、見当外れの回答かもしれませんが、その場合にはご容赦下さい。
補足
ヒドロペルオキシ基ですね、書き間違っておりました。自動酸化において、不飽和脂肪酸のペンタジエン構造の中で、二重結合に挟まれているメチレン基を「活性メチレン基」と呼んでおりましたが間違っているでしょうか?
- anthracene
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すいませんが、構造と不安定性について補足してもらえますか? 何に対する不安定性で、何ができることを意味しているのでしょうか?
補足
ご回答感謝いたします。 リノール酸の自動酸化を例にとってご説明いたします。 リノール酸は、二重結合に隣接したメチレン基の脱水素、二重結合の共鳴を経て、Δ9、Δ11、Δ13位に-OOHが結合し3つの異性体を生じますが、Δ11位の-OOHは不安定であり、ほぼ1:1の割合でΔ9、Δ13位に-OOHが結合したヒドロペルオキシドが生じるという知見がありました。-OOHはもともと不安定であることは承知しておりましたが、Δ11位の-OOHがさらに不安定である理由がいまいち理解できなかった次第です。アリルラジカルと関連があると考えているのですが、知識不足のため質問させていただきました。
補足
丁寧なご説明大変感謝いたします。 アリル転位についてもう少し知識を身につけようと 思います。