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立体商標と意匠権

立体商標と意匠権との違いについてですが、どちらもデザイン的な要素で成り立っ ていると思うのですが、どのような違いがあるのですか。 意匠は期限がありますが、商標は半永久的な権利で、登録できるのであれば立体商 標のほうが有利であと思うのですが、詳しい方よろしく願いいたします。

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noname#4746
noname#4746
回答No.1

 ご質問を拝読し、物品の形状を商標として出願すべきか、あるいは意匠として出願すべきかとお悩みなのであろうと推察しました。以下、その前提で回答致します。  結論と致しましては、物品の形状の保護は、意匠出願でなければ図れません。と申しますのも、商標法3条1項3号に、下記の旨の規定があるからです。  「その商品の……形状(包装の形状を含む。)……を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標は、商標登録を受けることができない」  したがいまして、商品の形状は、原則として商標登録できません。言い換えれば、商標は、商品の形状(デザイン)を保護するものではありません。このため、例えば、星形のたこ焼きを売り出す際、星の形状のたこ焼き(:商品)そのものに関して商標法による保護を求めてもムリがあります。  しかし、この商売を始めて人気が沸騰し、購買者に「星形のたこ焼きは、あの店のもの」と認知されたなら、形状は充分に商標としての機能を発揮していることになります。そのときは、商標法3条2項の規定に基づき、商標として保護される可能性はあります。  また、そのように著名になった場合には、仮に商標法で保護されなかったとしても、不正競争防止法による保護対象になり得ます(注・断定ではありません)。  この例のように、商標とは、「自己の商品(役務)と他人との商品(役務)とを明確に区別させるための標識」であり、商品(役務)に付随させて使用するものです。言い換えれば、商標は、商品(役務)を提供する際にその商品(役務)に付随させることによって、需要者に「この商品(役務)は、あの会社のものだ」と認識させる役割を担います。このことは、立体商標でも同じで、認識用の標識がたまたま立体であるというだけにすぎません。  立体商標となり得る例としては、フライドチキンを扱う某ファーストフードチェーンの店頭に置かれている創業者の人形や、電気店で見かける「蓄音機に耳を傾ける犬」の人形などがあげられます。前者は、需要者に「この人形があるから、このフライドチキン店はあの有名チェーン店だ」と認識させますし、後者は、「この電気屋さんは、店先にあの人形があるのだから、あのメーカーの品物も取り扱っているんだな」と認識させます。これが、立体商標も含めた商標の本来の機能です。  一方、意匠法では、「物品(物品の部分を含む)の形状、模様もしくは色彩又はこれらの結合であって、視覚を通じて美感を起こさせるもの」が「意匠」であると定義しています(意匠法2条1項)。この定義からしても、「物品の形状を模倣されたくない」とお考えなのであれば、意匠出願すべきであることがご理解頂けると思います。  なお、その形状とすることによって他の物品では得られない効果が得られるのであれば、特許または実用新案として出願すべきですが、意匠出願した後でも、定められた期間内であれば、これらに出願を変更することは可能です(特許法46条2項、実用新案法10条2項)。  商標を中心にして話を進めてしまいましたが、立体商標は、デザインを保護するものではなく、「商標として機能するもののうち、立体形状のもの」を保護しているにすぎないことがご理解頂けましたでしょうか?  なお、「商品又は商品の包装の機能を確保するために不可欠な立体的形状のみからなる商標」や、「物品の機能を確保するために不可欠な形状のみからなる意匠」は、登録を受けることができないことにご留意下さい(商標法4条1項18号、意匠法5条1号)。  また、この回答を鵜呑みにすることなく、「保護したい対象は何か、そのためには、特許・実用新案・意匠・商標のどれで出願をすべきか」等、弁理士(特許事務所)とご相談された上で出願依頼なさるのが賢明です。                                                   

inocchikun
質問者

お礼

大変詳しいご説明ありがとうございます。 両者の違いについて理解することができました。

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