フルコン空手界の現状
大山総裁は、「鞍馬天狗が登場すると、必ず偽鞍馬天狗が出てくる」と言い、極真空手を辞めた
方々の流派(しかも極真そっくりの技術体系と組織体系)を批判していました。
当時批判された方々は、極真創設期の高弟たちで、いわば本物の空手家ではありました。
それに対し最近のフルコン空手界を見ると、ある道場を色帯で辞めて自流の道場を起こした
師範とか、健康目的で来ていたおじさん会員が支部長に任命されその後独立して師範とか、
疑問符の付く人達も多いように見受けます。
彼らは空手一筋の人間より処世術に長け、経営として道場を伸ばすのも上手なように思います。
地方の空手大会のパンフレットを見ると、(フルコン)空手界は今や彼らこそ主役との印象さえあります。
そうした大会に分裂前の極真で黒帯を取り、古い時代の大会にも出場していた猛者が、
マスターの部で出場したり、また自分の道場を持ってそこに選手を送り込んだりしています。
前に彼らにストレートに質問してみました。 ”近くにまともでメジャーな空手の試合がない場合、
そうしたにせ鞍馬天狗主催の大会を上手に利用するのもありかもしれないが、正直疑問を
感じませんか?”と。 (なおMMAにおける空手の実戦性の話は抜きにして)、当時の厳しい
極真の稽古を生き抜いた黒帯の方々が、口八丁手八丁だけで自流の空手道場の最高師範とか
架空の連盟の10段とか名乗っている人達と、”同じ土俵に立つこと自体、本当は疑問を感じて
いませんか?”と。 彼らの答えは、「別に感じない。」というのが大方でした。
大山総裁が、「鞍馬天狗が登場すると必ず偽鞍馬天狗が・・・」とおっしゃられた時の
偽鞍馬天狗と、今のフルコン界に多くいる偽鞍馬天狗とでは次元が違います。
また総裁は「向こうがこちらの大会に出る事は受け容れるが、こちらから出る事はない」とも
おっしゃっていました。 それなのに、当時の大山総裁御存命時代の極真空手を肌で
知っているはずの方々が、ある種彼らを上に見た関係で今や接しています。
この点につき何か御意見を頂けましたら幸いです。 よろしくお願いします。