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論語の読み下しについて
論語の読み下しについての質問です。まったくの素人なのでピントのずれた質問かもしれませんが、 ”子日”の読み方ですが、私が現在持っている本によると(論語 岩波文庫 金谷治訳注)”しののたまわく”となっています。学生時代に習った読み方としては”しいわく”あるいは、”しのたまう”あたりだったと記憶しているのですが、この様な読み方もあるのでしょうか?詳しい方がいらっしゃったら教えていただけないでしょうか?
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ああ、失礼しました。もうひとつの読み方 「シノノタマワク」ですね。 こちらの真ん中の「の」は、現代語で言えば「~が」という時に使う 古文のおける格助詞の「~の」の用法を漢文に転用したものです。 たとえば「雪の、おもしろう降りける=雪(が)見事に降った。(徒然草)」 のような時に使う「~の」の使い方ですね。 何度も言いますが漢文の読み下し文とは、もともとは、2500年ぐらい前の古代中国語を 日本人が訓点をつけて、日本語的に読んだものですから、 ある人が、ある読み方をして、ことばの調子などで、「すわり」が よければ、それが次第に一般化していくわけです。したがって理論的には何通りもの読み方が可能ですし、 事実、有名なことばでも、テキストによっていくつかの読みに分かれるものもあります。 その意味で「シノノタマワク」は、普及率で一番とは言えないにしても 金谷先生が、何らかの理由があって、採用されている読みでしょう。 (私は、前回言ったように「シ、イワク」で教えています。それはなぜかというと ひとつは、「のたまわく」を一般に使わなくなってしまったということもありますが、 もうひとつは、孔子の神格化を避けるという信念にも基づいています。)
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- 岩尾 俊志(@arakan)
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論語は、分類すれば儒教で秩序の大事さを説く教えとされて いました。そこで、戦前に論語の素読を習った人は孔子を 神格化した読み方、すなわち「子のたまわく=先生がおっしゃられた」という 読み方をされる人が多いです。 逆に戦後は、「子いわく=先生が言われた」 のような読み方が一般化したもののようです。 したがって今、80以上(場合によってはさらにそれ以上の世代) の方に、「子のたまわく」派が多く、 それ以下の世代は「子いわく」の読み方をする人が多いわけです。 もともとは「子曰= The master says 」 の意味の古代中国語で、日本人が訓点をつけたわけですから (その時の日本の)時代の影響を受けるのも当然です。 ちなみに、私は学生や社会人に漢文を講じる者ですが、 高校1年生に「おじいちゃんに論語を素読して見せたら、それは違うだろう、シノタマワク、だろうと 言われました。 どちらが正しいのですか」と聞かれた経験があります。
お礼
さっそくのお返事ありがとうございます!漢文の先生に教えていただくのも非常にお恥ずかしいのですが、それではやはり「しののたまわく」という読み方があるのでしょうか?「しのたまわく」があるのはおぼろげな知識で何となく理解していたのですが・・。ちなみに私は論語はもちろん古典等も社会人以降全く勉強していない人間でして・・。もしお時間があればお返事をいただけるとありがたいです。
お礼
何度もご丁寧に教えていただきまして本当にありがとうございます。確かに日本語的によんだものである以上何通りかの読み方があってもおかしくないですね。孔子の神格化を避けるために「し、いわく」ですか。うーん、勉強になりました。ありがとうございました!